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七宝しゃこのまぁまぁ生き抜くすべと思うことを綴るシリーズ

今日はお出掛け~(ノ´∀`*)

作者: 七宝しゃこ

今日は梅雨の間の晴れ間で、じりじりと暑かった。

日差しを避けるように長袖のシャツワンピを羽織り、熊本のゆるキャラの帽子を被り、テクテクと何時もとは違う方向に歩いていった。


今日は競輪場に行くのだ。




昔、町の真ん中にあった古い狭い競輪場。

父と出掛けたことはあったが、10年ほど前、その場所に遺跡があったために、プールに野球場、テニス場とともに、武道館ができた地域に移転していた。




で、今日は何故行ってきたか。


競輪場の裏の裏が見られることと、女の子の競輪選手さんに会えること‼

これである‼


筋肉ムキムキのお兄さんより、可愛いお姉さまの方がいい‼

しかも二十代のピチピチで可愛いお姉さんである。




やったぁ。


とウキウキと何時も乗る電車ではなくJRに乗り、一駅。

電車賃は210円。

他の地域にすれば高いであろうが、まだ、何時も乗る電車よりも安い。


『野球駅』で降りる。

これは『の・ぼーる駅』と読む。

本当の駅名は『市坪いちつぼ駅』。


名前の通りこの場所には野球場が二つあり、『坊っちゃんスタジアム』『マドンナ球場』。

ベタである。


しかし、『baseball』を『野球やきゅう』と訳したのは、『俳人』『正岡子規まさおかしき』である。

正岡子規は野球が大好きで知られている。

俳句を詠むときに幾つもの号を名乗り、本名が『のぼる』だったこともあり、『野球の・ぼーる』と言う号をしばらく使った事も知られている。

その功績により、『野球殿堂入り』も果たしていて、その縁でらしい。




駅を降りると、歩く。

地図を見ると、左に坊っちゃんスタジアム、奥にマドンナ球場。

右にはプール。

テニスコートも見える。

散歩道のような場所を抜けていくと、右に武道館。

県産の樹を用いたと言う立派な建物を見つつ、歩いていると見えた。




「ほわぁぁ……これはすごいなぁ……」


昔の小さい競輪場からすれば、見事な建物である。

地図を確認し、場所を確認する。




大きく回り込み、地図に書かれていた出入り口を見つけ、中にはいると、受付で、渡されたのは、


「これを必ず首にかけておいてくださいね?ここは、特別に入場できるのです。何かあってはいけないので、構いませんか?」

「はい‼」


と受け取り、首にかける。


そのままグルグルと連れて行かれ、どこまで進入禁止の扉を潜るんだとドキドキしながら案内された部屋は、とても見晴らしのいい部屋だった。

南側……後で教えて貰ったのだが『バンク』と呼ばれるのだと言う、競技場を見下ろす部屋なのだといっていた。


まだ時間があったので、席を選び、荷物を置くと大きな窓に近づいた。




「特等席やん‼うわ‼真下でリアルに走っとる‼」


声をあげる。




会議場と言うよりも、長いテーブルが置かれ、椅子もあり、VIPルームのようである。

それに、下も凄いが180度大パノラマ……山と空と田んぼの空間である。

時々家。

でも、ビューポイントとしては最高である。




感動しつつ、自分の席に戻った後、そこにあったものと渡されたものの確認をする。


「ん?ボールペン二本とマスキングテープ二巻と、タオル。おぉ!何故か最中もなか‼おぉ嬉しいなぁ」


ウヒョヒョ……と内心舞い上がりつつ、封筒の中身を見て、


「おぉぉ‼クオカード‼しかも、限定‼」


頭の中でタオルやらの値段を計算してしまうのは、もう趣味である。


「ヨッシ、帰ったら、貯金箱に使ったつもり貯金に納めねば‼」


と言っていると、講師の先生がこられた。




見たことがあるのは、確か元ニュースキャスターさんだからだろう。

競輪の歴史についてを教わる。


競輪はオリンピック競技だが、元々は日本で生まれた競技である。


昭和20年の終戦までに幾つもの地域で空襲があり、この地域も空襲があった。

全国には戦争の痛手があり、国土の復興には時間がかかると競輪が始まった。

一番最初は福岡県小倉競輪場らしい。

全国で11番目で、四国で1番目に出来たのは松山競輪場。

昭和25年1月かららしい。


一時期競輪選手は4000人ほどいたらしいけれど、現在は男性が2400~2500人、復活したレディス競輪は、現在80人ほど登録されているらしい。


らしいと言うのは、私自身、競輪の意味が全く未知の世界だったからである。


この場所に来るのも、余りにも立入り禁止、関係者以外進入禁止が多い。

何故だろう?


すると、


「これから、幾つか回って貰いますが、喋るのも駄目です。携帯、カメラ、スマホはマナーモードか電源を切っておいてください」


えっ?

ネタにしたいのに‼


と思っていると、


「競輪は、競馬と同様、八百長やイカサマはいけないので、競技の前日にこの建物の一角にある宿舎に入って過ごすことになります。携帯も預けることや外とのやり取りも禁じられています。自転車もチェックが厳しいのです。今回は特別で、宿舎近辺では口を開くのも禁止です」


紙にも書けないらしく、老化現象前の頭脳で覚えておくしかないと入っていった。




タイヤが気圧が10気圧‼普通のタイヤの5倍らしい。

安い自転車一式でも20万円はするそうだ。

ブレーキがないのと、チェーンがないので、自分の脚力で走るらしい。

遅い人で時速60キロ。

A級クラスでは70キロになるらしい。


あの太ももは、そんな速度を走るためにあるのか‼

と感動した。


観戦席で、真正面から走っている自転車を見た。

あの筋肉……凄い‼速いっ!




感動しつつ部屋に戻り、そうすると、競馬新聞の見方と読み取り方を教えてもらい、お金は賭けないものの、


「この次の競技の一位を考えて見てください。当たったら、プレゼント差し上げます」


と、言われ、うんうんと悩みつつ、選んだ後、観戦する。

ハラハラと見ていたものの、後で講師の先生が解説を始め、すると、


「あぁ、このまま『番手ばんて』が『セル』ので、『先行』が勝つ」


と言った。

解らない専門用語に、首をかしげると、


「『番手』は『二番手』のこと。二番手達がやりあいをして体力を消耗するので、『セル』と言うのは『並走』のことです。『先行』と言うのは、体力があり先を引っ張るタイプの選手の事で『先行型』とも言いますですから……ほら、言った通りでしょう?」


目の前で、一応解らないものの選んだ選手が1位で勝ったのを見て、驚く。


「勝ってる……」


怖い……と言うよりも、これは私には無理だ。

と思った。

はまったら、抜け出せない……パチンコ、スロットと一緒である。

ギャンブルは性に合わない。


一位を当てたので貰ったのは、第52回の何かの大会のタオルと競輪場のゆるキャラの水筒である。


嬉しいけれど、微妙な感じになった。

でも、ゆるキャラの水筒は嬉しい。


で、最後に女性選手の登場である。


日野友葵ひのゆうき選手と言う。

身長は158センチ。

華奢である。

こんな可愛い子が凄いなぁと思った。


こんなに彼女達も頑張っているのだから私も頑張ろうと思えた。


心安らぐ安堵感と、多分競輪を見るのは良いけれど、お金を出すのは肌に合わないなぁと思った。


帰りに、木の植え込みの間にクローバーがあり、その中から四つ葉のクローバーを見つけた。


「明日は良いことあるかなぁ……」




良いながら帰ったのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 私は賭け事をしないので、競馬場にも競輪場にも出かけたことはありません。 汗水たらさず金儲けしようとする魂胆が気に入りません。とはいえ、それは来場者のことです。 選手は労働者ですから、ウェル…
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