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ⅩⅤ

ちょっと遅めの投稿です。

深夜。

暗い森の中で少年が1人、虚空に向かって剣を振るう。

「あっちぃ....」

額に浮かぶ大量の汗を拭い、着替えようするが、大和はその手を止める。

「....誰だ?」

すると、大和の背後に男が現れる。

「....よく気づかれた」

声の主はカイン。

「まぁ、今ちょっと神経が研ぎ澄まされててな....」

大和はふーっと一息ついてから周辺の岩に腰掛ける。

「で、なんか用か?」

「いいえ、もう、ありませぬ」

カインは目を細めてニッコリと笑う。

「もう?」

「ええ。どうやらユウキ殿はあまり深い関係はお好きではない様子。それを知った上で配下にしてくれ等と申すのはやはり不躾がすぎるかと」

大和は納得する。

「あぁ、『もう』ってそう言う事か」

「だが貴殿は強い。肉体的にも、精神的にも。

拙者はその強さに憧れたのです。もし誰かの為に戦うならば、貴殿のようなお方の為に戦いたいのです」

「......」

僅かな沈黙の後、大和は岩から立ち上がり、カインに向き直る。

「言っておくがな、俺は弱いぞ。

今のままだと守りたいもんも守れねぇよ......」

カインはふっと笑う。

「確かに、貴殿の力は何かを守る為には少し弱いかもしれませぬ」

だが、とカインは続ける。

「きっと、貴殿の守りたいものはそこまで弱くないでありましょう?」

その真摯な眼差しに大和は気圧される。

「け、けどな!これから先、いろんな人に出会った時も考えてだな!」

カインはハッと驚き、跪く。

「これは失礼した!...まさか先の事も考えているとは......」

「はぁ...」

掴みどころがないカインを見て、大和は疲れ気味のため息をつく。

そしてまた剣の鍛錬を再開しようとロングソードを取る手を掴まれる。

「ユウキ殿にあの力があるではありませんか。何故それの鍛錬をしないのです?」

大和は思い出したかのように自身の両手を眺める。

「まぁ、あれは奥の手だし、あんまり使いたくないな」

そう言うと、カインは顎に手を当てて思案するような格好をとる。

暫くしてから思いついたかのように顔を上げる。

「ならば、何らかしらの徒手武術を表として、貴殿本来の力を裏、つまり切り札とするのは?」

大和は「お前は天才か」というかのように目を見開いてから、何か思うところがあるのか、目を落とす。

「徒手武術は...どうするんだ......?...俺、我流だぜ?」

「それは問題ありませぬ!一応とある一族に伝わる武術を一時期習っていた故」

「それは助かる!」

「かくして、配下の件は...」

「ん、嫌」



カインをまだまだ使い続けるか悩むなぁ....

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