エピローグ
1週間後、私たちは何食わぬ顔で教室に復帰した。
テストは途中棄権という形だったので、私たちは追試を受けることとはなった。
とりあえずテストは上出来だった。
一年が終わってからというもの、家に帰るまでの間、寮でごろごろと過ごしていた。
そこへ、珠代たちがやってきた。
「なにしてる~」
「ゴロゴロしてるよ。どうぞ入って」
その後ろに先輩の姿を見つけて、私はあわてて姿勢をただした。
「先輩まで、どうしたんですか」
「いや、寮からの退去期限までもうちょっとあるからさ、遊びに来たんだ。日が出ている間だったら、男女寮の行き来も可能だからな」
「遊びに来ても、なにもありませんけどね」
私は先輩に言った。
「そうは言っても、綺麗にしてるんだな。俺のところとは大違いだ」
「掃除好きですから、先輩の部屋も掃除しに行きますよ」
「そりゃありがたい。明日にでも頼んでみようかな」
アハハと笑いながら先輩が言った。
それからは、のんびりと話をしていた。
「そういえば、先生はどうしてるんだろうな」
保健の先生のことだろう。
先輩が言った。
「ウルフのメンバーだとは言え、この世界ではあまり知られていませんから。多分、普段通りにしてると思いますよ」
「そのことを知っているのは、あたしたちだけなんですよね」
珠代がみんなに言った。
「ああ、ここにいる俺たちだけの秘密だ」
先輩が言った。
「そういえば、先輩はどこに住んでるんですか」
私が先輩に思い切って聞いてみた。
「アルケード村だな」
「そこ、私の両親の出身ですよ。思ったより近いんですね」
「じゃあ、遊びに来るか?みんなもどうだ、たまには集まってみようじゃないか」
先輩の提案に、すぐに私は答えた。
「喜んで!」