浮いた二人の夢日記
「何やってたんだ?冬坂。もう下校の時間だぞ」
廊下で冬坂が先生に怒られている。
「さーせん。漫画読んでました〜」
通りがかった男子たちが話し始める
「冬坂の奴またサボりか?」
「隣の組だから知らないけどどんな子?」
「東京の名門高校から転入してきた奴」
「なんでこんな田舎の栃木の底辺学校に?」
「それは知らん。とにかく変わった奴だよ」
先生のお説教が終わると冬坂は廊下の窓を開けて
「夏木雫ーー!!どこだー!?」
学校中に響き渡る様な大きな声で叫んだ。
下校して行く生徒達が驚いた表情で振り向く。
「便所かーー!?」
すると近くの女の子が
「あっ....あの〜夏木くんならイオンの近くの喫茶店に居ると思いますよ。いつも居るので。場所はわかりますよね?一件しかないから....」
冬坂はお礼も言わずに駆け出した。
「はぁ〜。どこ探しても無かった。俺の1年分の夢日記」
夏木以外、落ち着いた様子の喫茶店の中で夏木は取り乱し、アイスコーヒーを一気に飲み干した。
すると、店内のドアが開き、夕日に包まれた少女が行き良いよく入って来た。
「夏木雫!!」
店内のお客が全員ビクッとした。
「....はい。て!もしかして」
冬坂は大きな胸を突き出し
「はい夏木くん。夢日記」
夏木はクシャクシャな顔で差し出された夢日記に手をかけた。
だが、冬坂は夢日記から手を離さない。
すごい力だ。
「ただじゃ〜返さない」
「え....?」
夏木は少し嫌な予感がした。
冬坂は夏木の二杯目のアイスコーヒーを一気に飲み干し
「夏木くん。これから毎日あんたの夢日記見せて!」




