表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/17

バスケ      【芦崎辰海視点】

●芦崎辰海



公園の片隅で不動兄弟がバスケしてる。

あのリングがバスケットのゴールとして使われてるとこはじめて見たかもしれない。あんなところにバスケのゴールがあったことすら忘れてた。

大地の兄ちゃんバスケもうまいんだな。大地の奴、子犬みたく周りを跳ね回ることしかできてない。

仲いいよなぁ。あの兄弟。

よくキャッチボールしてるし。

大地の手からこぼれたボールが、こっちに転がってくる。そのあとを、大地とイソベが追いかけてくる。


「イソベもバスケか?」


一足先にバスケットボールに追いついたイソベに話しかけると、大地がオレに気づいて口の端を上げる。


「辰海、犬も連れずに散歩か?」

「おつかいの帰りだよ。叔父さんのとこに土産を届けるよう母ちゃんに頼まれて」


大地は仲良くなっても、偉そうな態度は変わらないよなぁ。


大地の兄ちゃんと目が合う。


「大地の友達か?」


大地の兄ちゃんが、じっと見てくる。なんだ?視線が熱い。


「あ、こんにちは。同じクラスの芦崎辰海です」

「大地の兄の不動静真です」


知ってる。大地の兄ちゃんは有名だからなぁ。

頭がよくてスポーツ万能。しかも見た目もよくて背も高い。

クラスの女子たちが大声でキャーキャー騒いでる。


「芦崎もいっしょにバスケするか?」

「え?でも……」


大地の兄ちゃんが、にっこり笑ってバスケに誘ってくる。

バスケはあまりうまくないから、大地と同じことになりそうだしなぁ。


「背ぇ伸びるぞ」

「やりますっ!!」


くっ、お兄さん、男心わかってらっしゃる。

そんなこと言われたら、バスケしたくなる。


「なんじゃ、辰海、ワシら兄弟に勝負挑むんか」


大地がバスケットボールを両手で持ち、偉そうにふんぞり返ってるけど、おかしくね?

不動兄弟 対 オレ なの?


「いや、組み合わせおかしいだろ!実力的に、大地とオレが組んで、お兄さんと対決だろ!」


なにちゃっかり兄ちゃんと同じチームになろうとしてんだよ。


「む?ほうじゃのぅ。辰海じゃあ兄ちゃんに勝てんけえ、ワシが助けてやらんとのう」

「大地が、勝てないから、オレが助っ人をやってやるんだろ!間違えんな!」


兄ちゃんの周りで飛び跳ねてただけの大地が、なんでそんな偉そうなんだよ。


「二人がかりでも、オレには勝てんけどのう」


大地の兄ちゃんが余裕の笑みを浮かべる。


「やってみんとわからんけえ。辰海!足ひっぱらんようにのう」

「大地こそ、足引っ張んなよ!」


大地の兄ちゃんに、勝ってみせる!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ