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兄貴はいつも俺の味方でヒーローだった  作者: みの狸
第二章

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33/44

打者      【芦崎辰海視点】


●芦崎 辰海



2回表の攻撃。

静真兄ちゃんからか。


「静真兄ちゃん、まずは1点ー」

「兄ちゃん、ホームランじゃ」


大地と一緒に声援を送ると、ちらりとこっちを見て困ったように笑う。

静真兄ちゃんがバッターボックスに立つ。

ピッチャーが投げる。

強烈なライナー!余裕で2塁セーフ。

ツーベースヒットぉ!

静真兄ちゃんはバッターとしても、優秀だよなぁ。


次のバッターは6番打者の古二ちゃん。


「古二ー!いけー!!」


キャプテンたちが声援を送る。古二ちゃん、緊張してるな。構えがガチガチだ。大丈夫かな?


「ストライク・スリー」


ベンチからの声援むなしく、古二ちゃんは三振。

2軍投手とはいえ、さすが常永。そう簡単には、打たせてくれないかぁ。

次は大地か。


「大地、こまかいことは気にしなくていいからな。思いっきり振って来い」

「ホームラン狙ってけ!」


キャプテンたちとその背に声をかけると、口の端を上げる。


「ほいじゃあ、ホームランでも打ってくるかのう」

「気楽だなぁ」


大地の背を見送りながら久慈ちゃんが呆れる。


「オレが打てたんだしいけるって。大地ぃ!場外なー!」


静真兄ちゃんや大地の球に比べたら、打つのは難しくなかった。

いける。いける。


「辰海と大地は、試合にでるの、今日ががはじめてなのか?」


反田さんがオレに聞いてくる。


「まともな試合は、はじめてかなぁ。体育の授業でちょっとやったことがあるくらい」

「そこまで経験なしなのかぁ」


反田さんが驚いた顔になる。

通っていた常葉小も中学も1学年1クラスしかない小規模の学校だったからなぁ。体育会系の部活はバスケ部とサッカー部くらい。静真兄ちゃんが野球部を作ったら集まったかもしれないけど、そういう気はなかったみたいだし。


「その割に、二人とも」


1球目を大地が大きく空振る。


「大地のバッティングは、いつ見ても豪快だな」


船元さんが楽しそうに笑う。

3球目はボール。


「あの投手、スピードはないけど変化球のキレはよかったから慣れるまでは当てるの難しいかも」


打てなくはないけど、大地みたいに本塁打狙いだと厳しいかもなぁ。


「まあ、今日は試合の雰囲気が掴めれば」


和泉さんがいい終わる前に、大地に向けて3球目が!

カキンと大きな音とともにボールが打ちあがる。


「「「おおっ!!」」」


大きく弧を描き、そのまま柵を越える。


「……マジかぁ」


大地は当たるとデカい。それは知ってたけど、狭い校庭で打ってるところしか見たことなかったからなぁ。

あんな遠くまで飛ぶもんなんだ。



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