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兄貴はいつも俺の味方でヒーローだった  作者: みの狸
第一章

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ストバス      【不動大地視点】

●不動 大地



昼休み。最近は校庭の隅っこで兄ちゃんと辰海と兄ちゃんの友人とでストバスで遊んどる。

ルール無用のバスケのことをストバスいうらしい。


「よし!5点目じゃ」


兄ちゃんがまた決めた。


「静真兄ちゃんがいるほうが勝つって、ずるくね?」


バスケットボールを拾いにいった辰海が不満というより、事実を突きつける。

何度チーム分けをしても、兄ちゃんがおるほうが勝つからのう。チーム分けした時に勝敗は決まったようなもんじゃ。

兄ちゃんだけ遠くからでもシュート決めるからの、差がつく一方じゃ。


「静真対3人でやるかぁ」

「いくらなんでも、オレに厳しすぎじゃ」


兄ちゃんの友人の提案は、兄ちゃんに却下された。



「なあ、俺らと、3on3やらね?」


もう一つのバスケゴールで遊んでいた上級生の二人が、声をかけてきた。


「ええけど、バスケのルール、ようわからん」

「細かいルールなしで、多くゴールしたほうが勝ち。でどうだ?」


それなら、今までやってたのと変わらんの。

全員、賛成で6人でストバスすることになった。


「学年いっしょの奴同士で、グーパーな」


ワシは辰海とじゃな。グートッパッ、パッ……


「グーはこっち」


赤い服着た上級生のチームか。兄ちゃんはパーだったみたいじゃな。




上級生だけあって、二人とも上手かった。兄ちゃんと同じくらい。

ほいじゃけぇ、兄ちゃんがおるほうが勝つのは変わらんかった。


「お前ら、よく休み時間にバスケしてんのに、クラブに入らねえの?特に背が一番高いお前さ、すげえ、うまいじゃん」


上級生の一人が、兄ちゃんを褒めとる。


「遊びでやるなら楽しいけど、クラブに入ってまでは」

「なんだ、俺たちと同類か」


兄ちゃんの答えに、上級生二人が笑い出す。


「クラブに入ったら、細かいルールを覚えなくちゃなんねえもんなぁ。ルールが増えれば増えるほどつまらなくなるんだよな。バスケって」

「クラブに入ってる奴とバスケすると、ダブルドリブルだ、トラベリングだとかすぐ言い出してさ。いっしょにストバスしても楽しくねえの」


この上級生二人とは、気が合いそうじゃ。


「ほうじゃのう。体育の授業のバスケはつまらんの。すぐにピーピー笛吹きよるけえ、試合がよう止まりよる」

「そうそう、あの笛、ムカつくったらねえ。つーか、お前、面白いしゃべりすんな。移住組か?どこから来た?」


上級生の一人がワシに笑顔を向けてくる。


「広島じゃ」

「広島かぁ。オレも移住組でさ。岩手から来たんだけどさ。方言はぜってえ使わねえな。通じねえし笑う奴いるから」

「岩手の方言ちゅうのはどんなんじゃ?」

「だから、ぜってえ話さねえって」


繊細じゃのう。



チャイムが鳴る。


「また、やろうぜ。ストバス技見せてやるよ」


気さくな上級生たちじゃのう。

あの上級生たちとなら、またストバスしたいのう。



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