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裁判官がもし異世界に転生したら  作者: のりまき
異世界の出会い編
7/31

俺の存在意義

自分に絵心があれば、レイアさんの挿絵も入れるのに。

解説も兼ねて、設定集でも作ろうかな。

突然だが、俺は自分の仕事が好きだ。天職と言って良い。逆にそれ以外は何もできない。


裁判官の仕事に何が必要か。法廷か、法服か、それともパソコンか。


いや、違う。


それは法律だ。


法律がなければ、単なる仲裁者と変わらない。それも立派な役目だが、その場で、雰囲気を見て、紛争を解決するだけだ。そこに前もったルールも、条文の解釈も存在しない。


法廷の中では万能の裁判官も、立法はできない。三権分立というやつだ。

条文解釈を超えて、立法した裁判官はもはや独裁者だ。


何が言いたいかというと、俺はこの法律のない世界で野垂れ死ぬかもしれない。


でも、お前には魔法があるじゃないかって?


確かに俺はこの世界で魔法は使えるが、満足に使いこなせない者がプロを名乗ってはいけないのではないだろうか…

法律は法曹の飯の種だが、基本である民法が分からない法曹はクズといっていい。


だが…

そこから学ぼうとしない者はもっとクズだ。


俺は無理やり思考を立て直し、唯一、法律の代わりに飯の種になりそうな魔法の知識を取り入れるべく、レイアに質問を投げかける。


「ところで、話は変わりますが、魔法はどう使うのですか?」


「まさ様は、魔法に興味があるのですか? 先ほどは杖から何も出なかったようですが…。」


恥ずかしい!あれは忘れてほしい。


「ええ、それよりも前、この世界に着いた直後は、偶然、回復魔法が使えました。この世界では誰もが魔法を使えるのですか?」


レイアさんがちょっとびっくりした顔をする。

ホントだよ、ウソじゃないよ。宣誓してもいいし、偽証罪の警告を受けてもいい。日本の裁判では、偽証罪が適用されることはほとんどないが…。


レイアさんが、ほんの少し考えるそぶりをした後、口を開く。


「回復魔法というと、 キュアーでしょうか。この世界の者なら誰しもが使えますが、稀人には使えない方もいるようですし、キュアーだと擦り傷を治すくらいしか効果がありません。この世界に飛んだ時に擦りむいたのですか?」


「え!?」


「どうかなさいましたか?」


「深さ10センチの傷跡が縫い跡だけ残して、塞がったりは?」


「回復魔法で縫い跡が残るという話は聞いたことがありません。それに、そのような重傷を治せるのは、キュアーガを使える神官長様くらいでしょう。ただ、今代の神官長様は、気合で治す派で、本当に必要な場面以外は意地でも使わないとおっしゃっておりましたが。」


それでいいのか、神官長…

ただ、聞き進めていくと、実際に神官長の元まで生きてたどり着いた者は、気合で生き延び、キュアーガが必要な者はその前に息絶えることがほとんどのようだ。


おそらく俺がこの世界に飛んだ直後に使った魔法はキュアーで間違い無いだろう。

語感からして、キュアーガが誤発動するとは考え難い。キュアーとも厳密には重ならないが、類推適用の範囲だろう。ただ、怖くて、直接視認はできなかったが、死んでもおかしくなかった傷だ。本来、その神官長とやらのキュアーガでしか治せないはずだが…


そうすると、効果の大きさや、縫い跡というのは何か条件があるのだろうか。

結果には必ず因果関係が存在する。証拠から認定できない場合もあるが、 事実認定できないことと事実が存在しないことは同義ではない。少なくともそれを探る努力はすべきだろう。


「魔力の大きさによって、効果が違ったりはしないのですか?」


「確かに、使う人によって多少効果は変わりますし、稀人に同じ法則が当てはまるかまではわかりませんが、魔法の位階を超えるものは私が知る限りありません。」


おそらくこの世界の者にとっては、当たり前のことなのだろうが、魔法がない世界からきた俺にとっては何もかも新鮮だ。


今までの情報を整理すべく、俺が少し考える素振りをしていると…


「まさ様は、本当に魔法に興味がおありなのですね。」


素人丸出しの質問ばかりしている俺に対して、馬鹿にせずに対応していたレイアさんは、お姉さんが子供にそうするようににっこり微笑む。


プライドの高い俺は、それに反発…

することなく、デレデレになった。

ちょっとここら辺は説明ったらしくなります。

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