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裁判官がもし異世界に転生したら  作者: のりまき
帝都編
30/31

終わりよければ

最終話!

なんだかんだあって、俺はこの国の帝王になった。


ロウの代替わりで、帝国の全権を担うようになったのだ。ようやくこの国での理想として、裁判官になると同時に法律も作れるようになったし、ついでに行政も行っている。三権分立なんて糞食らえだ。まともな法律もまだないのにそんなこと言ってられっか。


それと孤児の登用で、役人が増えて、力の弱い者の陳情も受け付けられるようになったから、多少はあの電波野郎の願いも叶えてやったことになるだろう。業腹だが。


ちなみにロウは俺に地位を引き継いだ後、地王になった。奴の権威はまだ必要だから、俺が新しい地位を創ったんだ。天には実際の神様がいるので、地上の王様という意味だ。これでじおうと読む。どこの仮面ラ〇ダーだよって感じだが。


奴こそ君臨すれども統治せずを地でいっていて、地位はあっても、政治に口出しどころか、帝都に定住せずに、日々強者を追い求めている。一人で国を余裕で潰せる奴に敵う者がいるかどうかは定かではないが…。今の俺でも互角に持ち込むのが精一杯で、持久戦に持ち込まれたら分が悪い。奴はそんな戦略を望まないだろうが。


ロウは一年に一度だけ、帝都に帰ってきて、ロウ式陳情裁定を行ってくれる。ただ、当時とは形式を変えて天〇一武闘会方式とし、トーナメントで勝ち残った者だけがロウへの挑戦権を得ることとなっている。まあ、まともな陳情なら俺が取り上げるから、そう何個も叶えられても困る。ちなみにトーナメントは観客にも公開するから、観戦料と賭博料で、だいぶ国庫が潤う。制度改革に対するガス抜きにもなるから一石二鳥だ。当然ながらレイアのアイディアだったりする。


そうそう、俺はレイアと結婚することになった。レイアは、ロウに惚れていると思っていたが、尊敬であって、恋愛感情ではなかったようだ。俺のことは、自分のために怒ってくれるところを好いてくれたんだそうな。


裁判官は冷静沈着だと思われているが、意外と感情豊かだ。瞬間湯沸かし器とあだ名される刑事裁判官がいるくらいだ。俺はどっちかというと、皮肉屋タイプだったから、あの時、あれだけ怒ったのは、当時すでにレイアに惚れていたんだろうな。なんなら初見からかもしれないが。


レイアは、契約の義務だなんて思っちゃいないだろうけど、初めて会った日からずっと契約を守ってくれていて、知識だけじゃなく、愛情も与えてくれた。俺も、ずっとレイアを守っていかないとな。


ところで、結婚する前は知らなかったが、孤児院のマザーによれば、レイアは旧王家の遠い血縁なんだそうだ。本名は、レイア・レガール。貴い血だが、非難から遠ざけるために孤児院に匿っていたらしい。国を治めるなら後ろ盾が必要だし 帝王の近くなら安全だということで、マザーが明かしてくれた。


旧王朝は、最後の王様だけが極端に評判が悪く、一方で長い歴史があるだけあって、その前の時代を懐かしむ者がいないわけではないみたいだ。実際に力の弱い者の陳情を受けるようになってから、その話を聞くことが多くなった。もしかしたら最後の王様も、裏で腐敗が進むなど、身動きの取れなくなっていた旧王朝のスケープゴートになるために、あえて圧政を敷いていたのかもしれないが、今となっては真相はわからない。


さて、レイアとの契約だが、更新して婚前契約の形にした(アメリカでは一般的なやつ。ほとんど活用されていないが、一応日本にもある。)。別れたら俺の年金以外の財産がレイアに渡る内容だ。


今や家計どころか、 国の財政も彼女が一手に担っているから、その対価だ。むしろ有利なはずのレイアの方から反対されたが、俺は、彼女に見放されたらいずれにせよやっていけないので、覚悟の上でこの契約締結を押し切った。それだけの価値のある契約だと思っている。


まあ、俺が、レイアと別れる可能性など、天職である裁判官の地位を捨てて、ヤメ判になる可能性より低いだろうがな。


「まさー、どこにいるのー。まさー。」


お、噂をすれば、レイアの綺麗な声で召喚されてるから、速攻で出頭せねば。


最後に一言、俺からの最終陳述だ。


これから法曹を目指すなら、異世界に渡る裁判官も選択肢に入れておくことをお勧めするよ。


それじゃあ、こっちの世界でまた会おう。


これにて完結です!

この一か月弱、皆様のおかげで幸せな時間を過ごせました。もし皆様に少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

ついでに設定集や裏話、続編の構想なんかを置いておくリンクを貼っておきます。

https://ncode.syosetu.com/n5002ip/

もしやる気と需要があれば、サイドストーリーや続編の可能性も微レ存ですが、本話はこれで締めたいと思います。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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