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裁判官がもし異世界に転生したら  作者: のりまき
帝都編
22/31

決着

お酒イイよね。あんまり詳しくないけど。

この戦いの勝者はあいつ。読者の皆様の予想は当たっていましたか?

がっ!と鈍い音がする。


「惜しかったな。今のはひやっとしたぞ。」


顔面を腕でがっちりガードしたロウの顔面に杖は届かず、丸太のような太い腕に受け止められている。直撃した腕からは血が流れ、骨が折れているようだが、それも時間が経つうちに元通りだろう。


「これでも届かないのか…」


力を限界まで引き出した俺は、膝立ちの状態でもう立ち上がれない。


「終わりだな。」


ロウがそう呟いてゆっくり近づいてくる。腕も、もう持ち上がるくらいには回復しているようだ。


「まさ、無茶しないで!ロウ様もやめて!もう終わりにしましょう!」


レイアが悲痛な叫びを上げている。


そう、終わりだろう。俺の力では届かなかったんだ。


…だったら、他力本願しかない。


裁判だって、代理人の力でひっくり返ることはあるんだ。

今の状況、あいつの力、逆転の目はある!


俺が諦めていないことを悟ったのか、近づいてきていたロウが立ち止まる。


レイアの方は顔面蒼白で今にも倒れそうだったので、そちらに声をかけておく。


「レイア、安心しろ。俺を信じてくれ。」


ただ、これだけは使いたくなかったんだがな。自分で戦った気がしないだろうし。


だが、そうも言っていられない状況だ。

大事な人を虚仮にされて、そのままにしておけるか。そのために、使えるものは何でも使う。


人事を尽くして天命を待つ…いや、天命を引き寄せるんだ!


「力を貸しやがれ、電波野郎。カミカゼ!」


突風が吹き荒れ、砂嵐が巻き起こる。神がここに降臨する。


「やれやれ。私闘に神を顕現させるなんて、無茶苦茶な奴だ。人選、間違ったかな。」


外観は、九法正義だが、雰囲気も口調も変わっている。


「誰だてめえ。さっきの奴じゃねえな。」


ロウが、その変貌ぶりにそう尋ねる。


「やあ、久しぶり。と言っても、まともに会話するのは初めてかな。前回は殴りかかられただけだし。ここの世界の神様をやっているものだよ。」


「面白え。前、戦った勝ち逃げ野郎か。再戦は諦めていたが、ここで決着をつけてやる。」


ロウはそう言うと、好戦的にニヤッと笑う。


「喧嘩っ早いのは同じだが、話が通じる分、まさの方が若干マシというところか。裁判に引き分けはないが、痛み分けはある。今回はボクに免じて、ここで取り下げてもらおう。君は寝ててくれたまえ。」


と言うと、九法正義の体を借りた神が杖を振るう。

すると、触れもせずにロウは壁まで吹っ飛んでいく。


「がはっ」


ロウが、そのまま気絶する。魔法の効かないロウを吹っ飛ばし、あれだけタフな奴を一発で気絶させるなど、やはり腐っても神というところか。


「じゃあ、あとは頼んだよ。」


レイアとケモ耳の娘に声をかけると、九法正義の身体から神が離脱する。すると、そのままゆっくりと地面に倒れた。


「まさ。あなたは本当に強い、今はゆっくり休んで。」


レイアは、寝たままのまさよしにそう呟くと、てきぱきと療養の準備を進めていくのであった。


外周一触が、サブタイトル候補だったんですが、字面がカッコよくないのでボツになりました。

お話はそろそろ終盤に差し掛かるところです。

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