第十六話「お話ししようよチヤちゃん!」「そして見つかる閻婆の居場所!」
――なんてことがあってから、もう十日は過ぎていた。
(結局あれから、閻婆は見つかってないみたいだねー……)
すっかり力の抜け切った心の声を上げるわたし。今日のわたしは、ちょうど二週間前と同じように、私服姿で舞白市の商店街を歩いていた。学校帰りだから、背中に赤いランドセルを背負ってはいるけれど。
(真っ昼間でもあれだけ暴れられる妖魔なら、簡単に尻尾を出すはずなのにね。こうまで捜索が続くっていうのは少し意外だわ)
力ないわたしに対して、「ワタシ」の心の声は比較的元気だった。
わたしたちが今歩いているのは、こないだ閻婆が現れたあたり。閻婆が落ちたり暴れたりしたせいで壊れた道路は、もうとっくのとうに修理されて、元の姿を取り戻していた。
わたしたちの住むこの舞白市は、退魔師の間では、日本でも特に大きな霊脈の流れる場所としても知られている。その霊脈に誘われる形で妖魔も多く現れるから、実はこうやって妖魔のせいで街が壊れてしまうことは、昔からしょっちゅうあったらしい。
なので、この街の建設会社さんは、壊れた街を直すのはもうお手のもの。他の県で災害があったとき、街を修理するためにそこまで呼ばれていくこともあるんだとか。パパから聞いた話によると、だけどね。
そのおかげで、もう道路も直っているし、今日こそはちゃんと開店している肉肉軒で、ニンニクラーメンを思いっきり食べたい……食べたいんだけれど……
(ダメよ。今「わたし」がニンニクラーメンを食べたら、ワタシの「切り札」が使えなくなるわ。あいつもそう言ってたでしょ?)
(ニンニクラーメン禁止は、パパの言いつけだもんね……うううう……)
わたしは「開店中」という看板のかかった肉肉軒の前を、後ろ髪をこれでもかというほど引かれる思いで通り過ぎた。
(それに第一、今はまだワタシたちは謹慎中の身でしょ。そんな状態で道草なんて食ってるのがあいつにバレたら、またどやされるわよ)
(食べたいのは道草じゃなくてニンニクラーメンなのに……)
湧き上がる生唾を、悔しい思いとともにわたしは飲み込んだ。
十日前から続いているわたしたちの謹慎は、全然解ける気配がない。あの日から、わたしに許されているのは学校の勉強と退魔師の修行、それと必要な外出だけ。
あれから、友達のひとみちゃんとも遊べていないし、当然どこかへ行くことだってままならない。楽しみは家で食べられる和菓子くらいのもの、というキュークツな状態。
早くこの謹慎、解けてくれないかなあ……と、わたしが思っていたなら、「ワタシ」がわたしに呼びかけた。
(ねえ「わたし」。今は「フルール・シュクレ」の方を見ない方がいいわ)
(え? どうして?)
肉肉軒の向かい側にあるスイーツ店「フルール・シュクレ」の方に、わたしは首を向けた。
それで、わたしは「ワタシ」がそう言った理由を、すぐさま悟ることになる。
(あ、チヤちゃん!)
今、「フルール・シュクレ」の自動ドアを開けて出てきたのは、一人の女の子。前髪に猫の髪飾りを着けたセミロングの黒髪を揺らし、深い青色のワンピースを着るその姿は、間違いなくチヤちゃんだ。
でも、なんだか様子がおかしい。「フルール・シュクレ」で買ったものが入っているであろう紙袋を両腕の中に抱えていても、その顔からうかがえるチヤちゃんの気分は、海の底まで落ち込んじゃってるみたい。それに、なぜだか周りをすごく気にして、おどおどしているようにも見える。
(ふつう、スイーツを買った後なら、もっと幸せそうな顔をするよね、「ワタシ」?)
(さあ? あの根暗女の顔色なんて、興味ないわね。けど、もしあいつが落ち込んでるっていうんなら、それはそれでざまあみろ、ってもんよ)
一気に言い放つ「ワタシ」。だけど、今は珍しく、わたしが「ワタシ」をとがめることになる。
(「ワタシ」がチヤちゃんのこと嫌いなのは知ってるけど、そこまで言ったらかわいそうだよ。……ねえ、「ワタシ」。わたし、ちょっとチヤちゃんとお話ししてくる)
(……はい!?)
「ワタシ」が、わたしの心の中でびっくり仰天。
(あんた、それマジで言ってんの? またあいつ、何かの拍子に「熊」の「爪」だか「鷹」の「弓」だかを「わたし」に向けてくるかもしれないわよ)
(大丈夫。今はあの時と違って周りに人もいるから、チヤちゃんだっていきなりそんなことはしないよ)
今日の舞白市の商店街は、人がいっぱい歩いているし、ほとんどのお店だって開いている。それはもう、確認するまでもないくらいに。
そういうわけで、わたしは「ワタシ」を説得しながら、スイーツ店の前でしょんぼりしているチヤちゃんに足を進めた。「ワタシ」はあれから二言三言言ったけど、最後には納得して、わたしの心の奥底にまで引っ込んでくれた。
それに少し遅れて、わたしはチヤちゃんに声をかける。心の声じゃなくて、口からの声を。
「ねえ、チヤちゃん」
「!!」
そう声をかけられたチヤちゃんは、「フルール・シュクレ」の紙袋を落っことしそうになるけど、何とかもう一度手の中にそれを捕まえなおした。
それが終われば、あの深海のような瞳で、わたしを睨んでくる。
「誰かと思えば……甘ったれのユキじゃない。悪いけど、私はいまあんたと話をしている暇は……」
とそこで、わたしはチヤちゃんに聞いてみた。「ワタシ」がわたしの心の奥に引っ込む前に、最後にしてくれたアドバイス通り、声をかけてみる。
「もしかしてチヤちゃん、あのレイヤさんと喧嘩でもしちゃったの?」
「!?!?」
チヤちゃんは、今までにないぐらいにまぶたをかっと開いた。
「あんた、どうしてそれを……!?」
「あ、やっぱりそうだったんだね」
「『やっぱりそうだった』って……あんた、私にカマかけたつもり!?」
そう。この声かけこそが、「ワタシ」が心の奥底に行く前に、わたしにしてくれたアドバイス。チヤちゃんが落ち込むとしたら、師匠と喧嘩かリンフォンを失くしたか、それくらいだろうと「ワタシ」はわたしに告げてくれたんだ。
なんだかんだ言っても、「ワタシ」だってチヤちゃんのことはちゃんと見てるんだなと、わたしはちょっとだけあったかい気持ちになる。
慌てているチヤちゃんを落ち着かせようと、わたしはいつもの三割増しぐらいの笑顔を、チヤちゃんに向ける。
「ねえ、お話ししようよチヤちゃん! レイヤさんと喧嘩したなら、そのわけを教えてよ。そうしたら、ちょっとはすっきりするかもしれないよ」
チヤちゃんは、なぜだかすごく恥ずかしそうに顔を赤らめながらも、歯を食いしばってわたしを見ていた。
少しして、いったんチヤちゃんは目を閉じた。それから目を開いて、おずおずと聞く。
「あんた……あの、妖魔の方のあいつは出てこないわよね?」
「大丈夫。『ワタシ』は、わたしの心のずっと奥の方で今は眠ってる。だから、今の『ワタシ』の方にも秘密にして、お話ができるよ」
「本当に大丈夫なのね?」
「うん。だって、そうやってお互い秘密にできるところがないと……」
今から口にする言葉を、喉の奥でわたしは転がした。今度はちょっと、わたしの方がちょっと顔を赤くしてしまって、声を出しづらい。
「……その、お手洗いの時とか、困っちゃうじゃない? そういうときとかは、お互い心の奥に行こうね、って約束してるし……」
チヤちゃんは、じとっとした目でわたしを見てから、ひとつため息をついた。
「あんたとの会話をトイレと同列に扱われるのは、なんか釈然としないわね。でもま、妖魔の方のあいつが出てこないっていうなら、信じてあげる」
チヤちゃんはあきれた表情こそ浮かべてはいた。
でも、わたしは嬉しくなった。チヤちゃんから聞けた、初めての「いいよ」の声。
わたしは気付いたなら、チヤちゃんの手を取り、そのまま引っ張って近くの公園まで歩きだしていった。
もちろん、行先の公園は、こないだわたしたちが絡新婦を倒したところとは別だけれども。
□□
「レイヤさんが……リンフォンを!?」
舞白市立中央公園……舞白市の商店街からすぐのところにある、舞白市の一番大きな公園で、わたしとチヤちゃんはお話ししていた。
「フルール・シュクレ」でチヤちゃんが買っていたフィナンシェを一個分けてもらってたけど、チヤちゃんからその事を言われたときは、危うくフィナンシェが喉に詰まるかと思った。
わたしは近くの水飲み場にダッシュして、水道をひねる。勢い良く出てきた水を飲んで、それからチヤちゃんの元に戻った。
「あんた、ビックリし過ぎよ」
公園のベンチに腰かけたチヤちゃんは、あきれていた。でも、それくらいわたしにとっては、ビックリすることだったんだ。
「だって、あの優しそうなレイヤさんがチヤちゃんからリンフォンを取り上げるなんて、わたしには全然想像も……」
チヤちゃんの座るベンチの横に、わたしも腰かけた。
そこから見たチヤちゃんの横顔は、妖魔と戦うときとは違って、とても苦しそうだった。
「私もそう思っていたわ。でも、お師匠様は任務から帰ってきたあと、いきなり私にそう言ってきたの。理由も話せない、の一点張りでね」
くすんと鳴ったチヤちゃんの鼻先。その向こうには、わたしが小さかった頃に大好きだった公園の遊具が見えていた。
「あの様子からすると、お師匠様の受けていた任務に、何か絡んでいるように感じたわ。でも、それすらもお師匠様は答えてくれなかった。私は物心つく前から、お師匠様と触れ合ってきたけど、こんなことを言われるなんて正直初めてで……」
「それで、どうしようもなくなっちゃって、チヤちゃんはレイヤさんと会えなくなっちゃったんだね。こないだパパと、それからザンエさん……滅魔師連盟の連盟長がお話ししたとき、チヤちゃんが来なかったのは、そういうわけもあったの?」
「ええ。閻婆が商店街に現れて、それからお師匠様が戻ってきた。そのときからずっと、私はお師匠様と顔を合わせていない状態なの」
チヤちゃんは、そこで両膝を持ち上げた。ベンチの上で体育座りの格好になったことで、ワンピースの裾からは、スパッツに覆われた太ももがちょっとだけ顔を出す。
そうしたら、チヤちゃんはワンピースのポケットに手を入れて、ごそごそと動かした。
次にチヤちゃんの手がポケットから出されたなら、その手はリンフォンを……ソフトボールくらいの大きさの、真っ黒な正二十面体を……握っていた。
「確かに、このリンフォンは本来危険な呪具よ。『熊』『鷹』『魚』と形態を変えるにつれて、リンフォンはこの世と地獄の境界線をどんどん薄れさせていく。それに伴い地獄の瘴気が漏れ出すことで、奇怪な現象も起きるし、最悪の場合地獄の亡者がこの世に姿を見せることだってあるの」
チヤちゃんは、リンフォンをじっと見つめていた。まるで、視線がリンフォンに釘付けになっているみたいに。
「でもね、パパはこのリンフォンの『この世と地獄の境界線を薄れさせる』という特性を、滅魔の術に使うことを思いついたの。私たち滅魔師の力の根源は地獄にある。その地獄の瘴気を直接利用することができれば、より強大な滅魔の力を振るえるはずだって考えてね」
体育座りの格好で、自分の両膝を額に当てたチヤちゃん。瞳の奥では、悲しげに光が揺れているように見えた。
「それで、パパはこのリンフォンを私のために改造して、地獄の瘴気を安全に取り出せるようにしてくれたの。私が使っていた限りでは、これが暴走したことは一度もない。お師匠様だって、パパがどれだけ呪具作りが上手かったかを知ってるはずなのに、どうしてこれを今更取り上げるだなんて……」
チヤちゃんは、そこで視線をさまよわせて、すっかり弱り切った眼をわたしに向けてきた。
なんとか、チヤちゃんを励ましてあげないと。そう思ってわたしが口を開こうとしたら……
「ところであんた」
そんなわたしの目の前に、チヤちゃんはびっ、と右手を出した。
人差し指だけ伸ばして、そっちを指す。
「さっき飲んでた水飲み場の水、ちゃんと栓を締めてきてないわよ」
「……え?」
チヤちゃんの右手人差し指を伸ばしたその先には、わたしがさっき使った水飲み場がある。よく見てみると、確かにまだ水がちょろちょろと流れている。
「いけない! 止めてくるね!」
チヤちゃんを励ますどころか、逆にそそっかしい所を見せちゃった……。
ちょっといたたまれない気持ちになりながらも、わたしはもう一度水飲み場に行って、そこで栓をきゅっ、と締めた。今度は、水が出てこなくなったことも忘れず確認。
苦笑いで頬をかきながら、わたしはチヤちゃんの方に向かう。
「ありがとう、ちゃんと水を止めてきたよ、チヤちゃん」
チヤちゃんは、もう何度目か分からないあきれ顔で、ベンチに戻ってきたわたしに迎えてくれた。
「まったく、水を止めるくらいちゃんとやって――」
でも、そのあきれ顔は、あっという間に消えてしまった。
「水を止める……断水……?」
そのときのチヤちゃんの顔からは、もう悲しみも辛さも、すべてがきれいさっぱりぬぐい去られていた。
暗い深海のような瞳……妖魔と戦うときのあの目をして、リンフォンをポケットにしまう。代わりにワンピースのもう片方のポケットから、ボロボロになったメモ帳が出てくる。
「断水……水を止める……もしや!」
メモ帳をバラバラとめくって、あちこちのページを探し回るチヤちゃん。やがて、その手は止まった。
メモ帳に書かれた内容を、何やらチヤちゃんは読み込んでいる。まばたきすらも忘れて、食い入るようにそのページを見つめていた。
どぎまぎするわたしとチヤちゃんの間で、どれだけの時間が経っただろうか? ……わたしがそう考えだした頃に、チヤちゃんは音を立ててメモ帳を閉じた。
ベンチの上で体育座りをしていた姿勢から、一気に足を伸ばして立ち上がり、公園の出口に向けて歩き出す。
「ね、ねえチヤちゃん! どうしたの!?」
振り向いたチヤちゃんの、恐ろしく暗い目つきがわたしに向けられた。わたしはチヤちゃんと絡新婦を狩りに行ったあの時を思い出し、すくみ上りそうになる。
チヤちゃんは、そこでわたしに一言だけ言い残していった。
「決まってるでしょ。これから閻婆を滅しにいくのよ」
と。
□□
(なるほど、チヤちゃんはそう言ったのか。レイヤ君にものちほど伝えておこう)
チヤちゃんがどこかに向かってしまったあと、わたしは心の奥の「ワタシ」に声をかけてから、パパに持たせてもらった子ども用スマートフォンで、退魔師連盟本部にいるパパに電話をかけていた。
(結局こうなるわけね。ほんと、あの根暗女のやつは)
心の奥底から、わたしと胸の奥でお話しできるところまで戻ってきた「ワタシ」は、チヤちゃんに相変わらずの文句を言っていた。もちろん、さっきチヤちゃんと何を話していたかは、「ワタシ」にはまだ秘密にしてある。
それより、今はパパにこのことを聞かないと。耳に当てた子ども用スマートフォンで、パパに話しかける。
「ねえパパ。チヤちゃん、どうしちゃったのかな?」
そのあと、パパは電話の向こうで、「ふーむ」と声を上げた。
(お前が今伝えてくれたチヤちゃんの様子からすると、チヤちゃんは閻婆がどこにいるか……もしくはどこに行くか、に気付いたのだろう。私はそう推測する)
「でも、だとすると、閻婆はどこに?」
わたしがパパに質問すると、すぐに答えは返ってくる。
(ユキ。そのことだが、チヤちゃんはその公園を去る前に、「水が止まる」や「断水」などと言っていたのだったな。であれば、チヤちゃんの当ては、おおよそ私の予測と同じはずだ)
「……どういうこと?」
今度は電話口から、パパの歩く足音と、大きなものを動かす音、そして、紙を何枚もまくる音が順番に聞こえてくる。どうやら、パパは電話の向こうで、大きな本をめくっているみたい。
(先日のザンエ殿との会合ののち、私も部下の退魔師と共に、さまざまな調査を行っていた。それにより、幸い今日の朝方に、閻婆の特徴を書き記した書物を一点見つけている)
次は、パソコンのキーボードを打つ、カシャカシャという音がわたしの耳に届く。
この感じからすると、パパは退魔師連盟本部の、パパの書斎から電話をかけているみたいだ。
(書物にあった特徴から推理すると、閻婆はおそらく、次は隣町に出現する。出現予想時刻は、今日の夜九時前後)
「きょ……今日の――!?」
(――夜ですって!?)
わたしと「ワタシ」は、パパが口にした言葉にあごが落っこちそうになった。もうそこまで、分かっていたの!?
驚くわたしたちに、パパは話を続けていく。
(すでにこの件は、退魔師連盟内部でも連絡済みだし、レイヤ君を通じて滅魔師連盟側にも伝えてある。今夜はフブキも含めて、動ける退魔師を全員、隣町に送り込む予定だ。おそらく、レイヤ君も滅魔師を率いてくるだろう。そこで、だ)
電話越しでも、鋭い目つきを向けてくるのが分かりそうな声で、パパはわたしに問いかけてきた。
(ユキ。ここ十日間ほどの謹慎で、絡新婦の件については十分反省したか?)
「……え?」
いきなり話が変わって、目が点になるわたし。
でも、そこに「ワタシ」がすかさずフォローを入れた。
(そこはね、「反省した」と言っとくべきところよ、「わたし」)
わたしは、「ワタシ」に従って、
「う……うん。反省してるよ、パパ」
と答えた。
そうしたら、スマートフォンの向こうで、パパが安心したようなため息をついていた。そこからすかさず、パパはこう言う。
(よろしい。であればユキ、本日この時刻をもって、お前の謹慎を解く。これからただちに退魔師連盟本部に戻り、準備を整えたのち日没まで仮眠を取ること。仮眠後、他の退魔師らと共に、隣町まで出動だ)
そっか。これがパパの考えだったんだね。わたしにちゃんと謹慎させながら、でもいつ閻婆が現れても大丈夫なようするために、わたしの謹慎期間を無期限にしておいたんだ。
そう気付いたわたしは、そのあとパパと二言三言かわしてから、電話を切った。チヤちゃんに遅れて、公園の出口に向かう。
わたしと、それから「ワタシ」の胸は、ドキドキしっぱなしだった。




