受肉
さて、目の前には龍がいるのだが...
「成功か?よう、気分はどうだ?」
「っ!?...あ..え..」
圧倒されて声が出ない。だって目測では20m近くあるんだぞ。
俺なんてパクッと1口だ。
ん?待てよ...
俺は体に違和感を感じ首を下に向ける。
.........青い?え?青?トカゲみたいな手...え?半透明...
「な、なんじゃこりゃああああああああ!!!」
夢か?でも夢にしては変すぎるだろ!?龍?青い...
「何か考えてるとこ悪いが、返事をするのは礼儀だぜ?そっちの世界じゃ習わないのか?」
「まぁまぁ赤龍。彼は現実を受け止めれていないだけだよ、責めてあげないでよ。考えが終わるまで待ってあげようよ」
突然横から黒い龍が話し掛けてきた。目の前の赤い龍だけかと思っていたんだが...え?まさか...
はい、いましたよ。いっぱいいました。緑に青、白と。もう龍のバーゲンセールか!待てよ、龍がいる...ファンタジー...異世界!!
ここで俺のサブカル知識がフル活動されて出た答えが異世界だ。
ならば...
「ステータス!」
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名前 未設定
種族 劣龍粘液
Lv 1
固有スキル
吸収 魔法微耐性 物理微耐性 劣龍息吹
スキル
思考 計算 観察
称号
龍達の加護を受けし者
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なるほど...HPやMPが表示されるパターンでは無いと。
まぁ想定はしていたが。
固有スキルに微がついているということは上がある、熟練度あげか、はたまた特定の行動で獲得できるのか、検証はすべきだな。
そして種族にドラゴンが入っているという事は、目の前の龍達は今のところ敵ではないという事だ。
名前は...未設定か、まぁ後から考えよう。
「あの〜、ある程度は理解したんですが、質問があります」
「お!考えが一段落したようだね!状況把握が素晴らしいよ!流石地球人だ!うんうん、なんでも答えよう!」
「では、僕は1度死んでしまったのでしょうか?どうしてもそこだけが知りたいです。教室で突然死ぬ事なんてそうそう無いと思うんですが」
「それは我が答えてやろう」
白い龍が話しかけてくる
「詳しく言えばお主は死んでおらんし、今も地球のあの場所で生き続けている。お主の魂を複製し、その身体に定着させただけじゃ。分かりやすく言えば、コピーしてペーストしたということじゃ」
「なるほど、分かりました」
「なになに?もう終わった?もう質問ないの?」
「あ、あと一つだけ!私は何をすればよろしいのでしょうか?」
「キミにはね......自由に生きて欲しいんだ!でも一つだけ約束してほしいんだけど、死なない事。これだけ守ってくれたら言うことはないよ!」
「なるほど、わかりました。え〜と、もう異世界に転移されるのでしょうか?」
「そうだよ!あ!さっきキミが考え事してた間にキミの名前をみんなで話し合って決めたんだ!ルーシー。キミはルーシーだ!この世界を楽しんでね!」
『名前がルーシーに設定されました。名付け親の力により魔力が極増大しました。』
頭の中に直接声が聞こえたと思ったら目の前が閃光に包まれた。
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とある空間
「あ、青龍と緑龍なにも言ってなかったけど大丈夫だった?」
「うむ、わしは面白いもんが見れただけで満足じゃ」
「わたしもね」
「そっか、ならよかった」
「それじゃあ、やつの行く末をゆっくり見ようじゃねぇか」
評価おねがいしもんす