第4話 依頼内容
「ん?どういうことだ?」
「.......まあ、いいわ。骸くんは私の望みをきいてくれればそれで」
「望みって....だからさっきも言ったように、」
「私が骸くんにお願いするのは傭兵でも、殺しの依頼でもないわ」
...........???
何?では一体..........?
「そもそもこの国、氷帝国は戦争なんかしてないし、犯罪者が徘徊しているような治安の悪い国でもないからね」
「........じゃあどうして俺を生き返らせたんだ?俺は戦闘に関しては自信あるがそれ以外のことで言ったら何の役にも立たんぞ」
「そう!その戦闘能力が私は欲しいのよ」
彼女は指さしてそう言った。
「話が見えないな....言ってる意味が分からない」
そういうとシャララが4枚つづりの書類を俺に渡してくる。
「なんだこれ?」
パラパラそれをめくり目を通す。
左上には顔写真。
続いてその横に氏名、年齢、特技、魔術師のランク、属性、主要魔術などなど.......
合計4人の女の子のスペックが書いてある。
「誰?これ?」
すると梅は答える。
「この学院の生徒だよ。中でも一番成績の悪いワースト4人を集めたものだ」
「ふーん....」
たしかに...上から順番に魔術師のランクを見ると1、1,2、1.........
魔術師とは強さによってランク付けがされている。
このランクが高ければ高いほど基本的に強いと言って良い。一つの指標だ。
ランク0は魔術が使えない人間。
ランク1から一般的に魔術師と呼ばれるようになる。
たしかに呼ばれるようにはなるのだが......
正直俺から言わせてみるとランク1というのはランク0に毛が生えた程度でそこまで差がない。
まともに魔術を使いこなせるといっていいのは低く見積もってもランク3くらいからだろう。
しかもこの書類に乗っている女の子全員の年齢は13歳。
この年でこれってことは.....たしかにこの学院の成績最下位の4人と言われるだけのことは納得できる。
「どう思う?」
それを見ている俺に尋ねてくる。
「どうって.....コイツら魔術の才能無いんじゃないか?」
「......まあ、私もそう思うわ」
彼女は残念そうにそう言った。
「その子たちは訳ありでね...今まで3人の優秀な魔術師の先生を彼女らにあててみたが....」
「みたが?」
「全員匙を投げたわ.....」
「........なるほど」
「そして私は思ったわ。この子たちには魔術の素質はあれど魔術師の素質は無いんじゃないかって。今骸くんが言ったことと同じ感想ね」
「........」
黙っている俺に再度ビシッと大きく指をさし、続けてこう言う。
「そこで最終手段!!骸くんの出番よ!」
「!!?........え?俺??ちょっと待てよ。俺は魔術師じゃないぞ」
「そう!魔術のほうで強くするのはもう諦めたわ。この子たちを強くするには........魔術以外の方法で強くする。これしかないと考えたわ」
........なるほどね。
話がだんだんと見えてきた。
「征帝国と雷帝国の戦争。始まる前は高ランクの魔術師が圧倒的に多い氷帝国が数日で征帝国を制圧すると言われていたわ。私もそう思っていた一人よ」
「だが実際はそうはならなかった.....」
「その通り。征帝国の大部分の戦力は武器を持たず素手喧嘩のランク0の集団。常識であればそんなものに高ランクの魔術師が負けるはずが無い。なのに、結果は双方1万以上の死者を出して引き分けにまで持ち込んだ」
「私は気になるの。その強さの秘密が一体何なのか。どうしてランク0の集団が魔術師と互角に渡り合えたのかが」
「......で?梅はその強さの秘密を知っているのか?」
「....分からないわ。それを知っている者はほとんど戦場で亡くなっているのだから」
そうか。それは良かった。
俺らの技を見られた相手は全員殺せと命令していたからな......
「その軍隊の一つである大将がたまたま2年前に処刑されて、たまたまその遺体を引き取っていて、たまたま落ちこぼれの生徒が我が学院に現れた。ここで私はピーンときたわ。これはこの男を使いなさいという運命なのだということをね」
「この無能な魔術師共にそれを俺が教えろってことか?」
「ようやく分かったようね。改めて骸くん、君に命令するわ。この4人をあなたの力で強くしてみなさい。そうすればその首完全に治して力も全て返してあげる。望むなら征帝国に帰ることも許可するわ」
「ふーん、なるほど。この子らを強くか.........まあできるできないで言ったらできるとは思うが......」
「そう、なら話が早いわ。それじゃあ早速.....」
「だが.....っ.....断る!!!」




