近所の新店
二人「どうもぉ~」
出囃子が鳴り、センターマイクへと小走りでやって来る二人
ボケ 「いやぁ、昨日家の近くに新しいお店が出来てましてぇ」
ツッコミ「うんうん。気になるよね近所に出来た新しいお店は」
ボケ 「何のお店かな~って見てみたら美容院でして」
ツッコミ「ほう。美容院」
ボケ 「オープン記念でカットだけなら無料って言うから、一昨日ここのライバル美容院店に行ったばかりだけど、入ることにしたんですよ。」
ツッコミ「普通ためらうわぁ・・例え無料でも」
ボケ 「まぁパーマもいいかなって最近思ってまして」
ツッコミ「じゃあ一昨日の美容院でパーマ掛けろよ」
ボケ 「それまったく同じ事言われまして・・」
ツッコミ「よくしゃべれたな、一昨日ここのライバル店に行ったって。」
ボケ 「でもすごいオシャレで接客もよくて、カット無しのパーマだけで6800円でした」
ツッコミ「どうしてせめて無料のカットだけにしないんだよ!」
ツッコミ「まぁ、でも俺も近所に新店出来たら何のお店かなぁって絶対気になるわ」
ボケ 「・・・・・・いらっしゃいませぇ!」
ツッコミ「・・あれ?何かコント始まったねぇ・・何か家の近所に何の店か分かんないけどオープンしてるな、入ってみるかぁ。」
ボケ 「いらっしゃいませぇぇ!一名様でしょうか!?」
ツッコミ「あ、はい。これ多分声のテンションから居酒屋かな?多分チェーン店だな」
ボケ 「1600名分お持ち帰り予約の一条まぼろし様でよろしかったでしょうか!?」
ツッコミ「ぜってー来ねぇぞそいつ!!作るの止めとけ!」
ボケ 「一条、夢と書いて、まぼろし様・・」
ツッコミ「夢と書いてまぼろしって、マイナスの解釈だぞその当て字。ちゃんと電話番号とかいろいろ聞いた?」
ボケ 「ご自宅のお電話番号が、0120・・」
ツッコミ「なんでフリーダイヤルからなんだよ!」
ボケ 「生年月日が1999年12月31日・・」
ツッコミ「世紀末なんだわ!絶対来ないから止めとけって!」
ボケ 「世紀末がですか?」
ツッコミ「一条まぼろしがだわ」
そしてボケが突っ込みの後ろをのぞき込むような仕草で・・
ボケ 「あっ!いらっしゃいませ!一条様ですね!ご用意出来てます!」
ツッコミ「まぼろし来た!しかも常連!じゃあなんで最初俺と間違えた!?」
ボケ 「こいつキラキラしてそうだなぁっと思って」
ツッコミ「偏見だわ。本名ケンジだわ。早く席に案内しろよ!」
二人は席に向かい歩き出し・・
ボケが大きな声で・・
ボケ 「・・初見殺しのランデブー東京店へ、ようこそぉ!」
ツッコミ「はぁ!?もう何のお店かさっぱり分からなくなったわ!」
ツッコミ「初見殺しのランデブー?どういう事?」
ボケ 「・・・・・失礼いたしました会員様ですね。どうぞこちらへ」
ツッコミ「あれ?・・何か合言葉言ったのかな俺?言った?」
ボケ 「うっ!失礼いたしまた。年間フリーパスポート所持者様ですね。どうぞこちらへ」
ツッコミ「もう何なんだよ・・どんどん勝手にグレードアップしてる感じするんだけど初めてね今日が。」
ボケ 「あっ!お客さんあれですよね?あの芸人の!」
ツッコミ「いや、まぁ、そんなに売れてはないですけど」
ボケ 「今、特別席が偶然空いてございまして、そちらにご案内させていただきます」
ツッコミ「お、いいねぇ。やっぱ多少顔が売れてると話しかけられたり見られたりするしね」
ボケ 「ではこちら特別席の大通りに面した極上のテラス席でございます」
ツッコミ「だだ漏れだわ。俺の存在。極上つけんな!ただのコロナ対策に」
ボケ 「ただいまオープン記念といたしまして会員になられますと、年会費が無料になるキャンペーンをやっておりまして・・」
ツッコミ「ああそうなの?じゃあ入っちゃおうかな。まだなんのお店か分からないけど」
ボケ 「ありがとうございます。会員カードの発行にだけ事務手数料が500円だけ掛かってしまいますがよろしいでしょうか?」
ツッコミ「全然いいよ。年会費無料なんでしょ?会員の特典は何があるの?」
ボケ 「会員になられますと、年会費が無料になります」
ツッコミ「んっ?・・・・・・・・じゃあ、年会費無料で何が特典なの?
ボケ 「会員になれますっ当店の。」
ツッコミ「一歩も進んでねぇんだわそれ!」
ボケ 「・・・・あの頃のままですか?」
ツッコミ「先ほどのままだわ!」
ボケがめんどくさそうに何かに判を押すような仕草をして・・
ボケ 「はいこれ、会員カードね」
ツッコミ「スタンプ押しただけで500円!高!」
ツッコミ「じゃあもういいからメニュー持って来てよ!」
ボケ 「はい、こちら当店のメニューと料金表です」
ツッコミ「おすすめは?」
ボケ 「カット無しパーマ6800円ですっ」
ボケ 「まさかの、あの美容院!もう止めらしてもらうわ!」