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神という名の  作者: クリアノート
1章 天国と地獄
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第8話 巨人

「巨人ってどんなだと思う?」


「真っ先に思いつくのは、オーガとかサイクロプスとかかな〜」


「おお〜、楽しそうだ」


「いやいや、山みたいに大きいとか言ってたから、やばかったら逃げるからね!」


ハリネズミの集落で巨人討伐をお願いされ、クーちゃんが簡単に請け負った為、巨人を討伐する羽目になり、現地に向かった


「え、あれ?!」


向かった先で見た物は、10m程の巨人が片膝をついて座っていた。


いや、巨人と言うよりも、エバ初号機…によく似ているが…尻尾はあるし、何処と無く巨神兵も混じってる、中国のパチ物かよ!と言いたくなった。


恐る恐る近づいていったがピクリともしない


「お〜い、誰かいますか〜」


反応がない、屍のようだ…


「ハリネズミはこれにやられたんだったよね?まさか電池切れとか?」


と、クーに話しかけたが、いない…その時クーは既に巨人の背中に乗っていた


「これかな?」


見つけたレバーを引くと、背中がカパッと開き中に入った


「おお〜」


中にはコックピットの様な作りで、操縦桿もあり、クーの目が煌めいた


「動け動け動け〜」


と操縦桿を動かすと、コックピットのドアがバタンっと閉まり


「グォォォ」


と巨人が叫んだ。


背中のハッチが閉まったのを目撃したナツキは


あの巨人は食人花の様に、中に入った者を食べているんじゃないだろうか…と、おぞましい恐怖にかられた


クーを助けようと、獣化したムツキが素早く背中に周り込み、ハッチを開けようとしたが、ビクともしない


ナツキもハッチに向かおうとしたが、巨人が立ち上がり、ムツキも振るい落とされた


「クーちゃ〜ん!」


何とか助け出そうと、ナツキがクリ棒で足に切り付ける。


カーン!!


クリ棒が弾かれ、多少傷が付くも直ぐに修復した


「これならどう?『ファイヤーボール』」


と、ムツキがファイヤーボールを足に放った、が、何の効果も見られない


巨人はナツキやムツキを踏み潰そうとするも、素早く躱していく


「止まって〜」


コックピットに乗っていたクーはと言えば、必死に操縦桿を動かして止めようとしていたのだが、止まらない


すると、巨人はイラついた様に雄叫びを上げた後、右手を天に向けて上げた


すると、右手の上に炎の玉が出来た後、細長く変形していき、手で掴んだ


「ヤバイヤバイヤバイ、ムツキ、逃げて〜」


ナツキが叫ぶや否や、クモの子を散らす様に別方向に駆けていく


次の瞬間、巨人が飛び上がり、地面に向けて炎の槍を投げ付けた!


ズッッドーン!!!


灼熱の爆風が吹き荒れた、後には巨大なクレーターが残り、中心部はマグマ化していたのである。


「みんな〜」


クーは泣きだした。するとクーの背後から半透明な触手が1本伸びてきて背中に触れ、巨人の意識と繋がった


寂しかった…


怖がられ、誰も彼もが攻撃して来たので排除してきた…


初めて怖がらずに乗ってくれて嬉しかった…


仲良くなりたかった…


すると、彼方で人影が見えた、ナツキである。又、ムツキも反対方向で生きていた。


ナツキとムツキは咄嗟に巨大な水玉を作り、即死を避ける事が出来たのである。


もし、同じ方向に逃げて炎の槍が直撃していたら、2人とも消滅していただろう


「ハッチ開けて!」


クーがそう言うと、巨人のハッチが開き、ナツキに駆け寄った


「ご主人様〜」


ナツキに抱きつくクー、そしてムツキとも合流して、コックピットであった出来事を説明した


「攻撃されたから、撃退していただけか…」


正直、クレーターの惨状を見ると、複雑な気持ちにはなったが、とりあえず納得はした


「退治するって話だったけど、どうする?」


と、ムツキに聞かれたが、クーは巨人が気に入っている様でもある。


そして、ナツキとムツキは巨人の肩に乗り、クーはコックピットに乗ってハリネズミの村へと向かったのである


巨人が集落に近づくと、ハリネズミ達は大混乱に陥ったが、手を振るナツキに気付くと集落の前に集まったのである


「御使様、ま、まさかあの巨人を従せたのですか?!」


「私が戦いに勝利し、服従させた!

今この時より、お前達は長年のしがらみから解放されたのだ!」


そう宣言すると、ハリネズミ達は大歓声に包まれたのであった


村に残って欲しいとお願いされたが、行く所があると断り、天国に向けて旅立った


ちなみに、巨人の名前はクーちゃんがエバーだと言って聞かないのでエバーに決定し、炎の槍を投げる技を『ロンギヌス』と名付けたのである。

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