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神という名の  作者: クリアノート
3章 生と死
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第40話 滅亡の前日

『フュー・○ョン』


フュージョ◯を試すナツキとクーであったが何も起きなかった


「ブフッ、ア〜ハハハハハ」


笑い転げるムツキ


「そ、そんなに笑わなくていいのに…もう一度やるわよ」


もう一度試したが、何も起きない


「ヒ〜ヒッヒッヒ、も、もうやめて…こ、殺す…気…?」


お腹を抱えて、震えながら笑うムツキ


流石に2人が1人に合体するのは無理であった


「なら、技を合体出来ないかな?」


「合体技、何かカッコいい!」


「んじゃ、エクスカリバーとロンギヌスを同時に放ってみようか、ムツキちゃんカウントお願い」


「んじゃ、3、2、1、0!」


『エクスカリバー』『ロンギヌス』


同時に発動したはいいが、先にエクスカリバーの斬撃が岩に当たり、その直後砕けた岩の残骸にロンギヌスが当たっただけでとても合体技なんて呼べる代物ではなかった。


「ん〜、ヒカリが旦那やっつけた時みたいに私に魔力いれられないかな?」


クーがナツキの肩に手を触れ、魔力を流し込んだ


『エクス・カリバー!』


通常のエクスカリバーよりも強烈な光の斬撃が岩を切り裂いた


「強力っていえば強力だけど、ヒカリの時みたいに倍化するような感じじゃないわね」


と、試行錯誤していった


〜 3ヶ月後 〜


「旦那〜、新技開発したんだけど、見てくれない?」


「お前達、コソコソ何かしてると思ったらそんな事してたのか、見てやるからやってみな」


「ん〜、ここじゃ不味いから一緒に来てくれる?」


ナツキ達と旦那はいつも練習していた場所へと飛んで移動した


「んじゃ、ムツキちゃん、クーちゃんやるよ」


「「ほいさ!」」


ナツキが右、ムツキが左に立ち、クリ棒は剣先を天に向け、陽炎は剣先を地に向け柄を合わせ、クーがエバーを地面に水平に持ち、柄の所でクロスさせた


そしてナツキ、ムツキ、クー、クリ棒、エバー、陽炎が魔力を放出し、その全てがエバーへと凝縮されていく


ナツキ、ムツキ、クーが全魔力を発射する速度のみに注ぎ


クリ棒が全魔力を光として穂先に注ぎ


陽炎が全魔力を貫く事へと注ぎ


エバーが全魔力を命中させる為の方向修正に注いだ


『『『ゴッド・イーター』』』


放たれたエバーは質量を持った光と化し、山に風穴を空けた


エネルギーは速度の2乗に比例するのであるから、どれだけその威力がもの凄いか、神と呼ばれた女将さんを倒す為、3人が出来うる極限技を開発した


しばし呆然とした旦那であったが


「お前達、凄いじゃないか!」


旦那から褒められた


「ただこれ、一つだけ問題が…」


「何だ?」


「とんでもない速度で飛んでいったので、戻って来るのに2週間程かかるのと、全ての魔力を放つ一瞬の為だけに使うので、使う前と後は戦闘不能に…」


瞬間的に爆発的な魔力を注いだ為、放たれた後0.001秒で全ての魔力が切れて直ぐに減速していくのだが、それでもその0.001秒の間にとんでもない距離を飛んでしまう


「一回こっきりで、しかも外れたら終わりって事か………」


「はい…」


沈黙する一行であった



〜後日〜


「旦那〜紹介したい人がいるんだけど、ちょっといい?」


ナツキの隣には、白い着物を着た女性がいた


狂気解放の練習に集中していた旦那は、少し邪魔された感があったが、その女性は何処となく女将を思わせ、嫌な気分は吹っ飛んだ


「ハクと申します、迷宮の主人をしております」


迷宮の主人?と良くわからない事を言ってたので、ナツキを見ると、ナツキは察したのか説明を初めた


「お宝があるって噂のダンジョン都市があるでしょ、そこの地下ダンジョンには貪る者っていう魔物がいて、その総大将がこのハクさん」


「この度はご主人様がご迷惑をおかけしまして、申し訳ありません」


ご主人様?更に追い討ちをかける様に訳が分からないのでナツキに説明を求める旦那


「このハクさんが言ってるご主人様ってのは女将さんの事で、遥昔にハクさんが女将さんに拾われてあの地下ダンジョンを一緒に作ったみたい」


あの女将さんならやりかねないな、と頭を抱える旦那


「で、そのハクさんが何故ここに?」


「ハクさんが従えてる貪る者は、かなり強い巨大なアリみたいな魔物なんだけど、打倒女将さんに協力してくれるから、その紹介で」


「それは助かる、で、その数はどれくらいいるだ?」


「数万匹位でしょうか、ただご主人様相手だと…」


「女将さんの相手は俺がするから、貪る者達はそれ以外を担当して貰っていいか?」


「それでしたら、問題ありません」


ヒカリや司がヨグソトホートを従えていた事から、数十匹のヨグソトホートも敵となる可能性が高かった為、正直この援軍は有り難かった


「それじゃあ、作戦を再検討する必要があるな」


会議室にてハクが旦那に紹介され、貪る者の種類の説明をした


貪る者に知り合いを殺された者もいた為、会議が一時混乱したが、今はそんな時では無いとジークハルトが場を収めて共闘する事で同意した


因みに、女将の洗脳については各地から情報を集めたが、体にまで異変がある洗脳術など前例が無く、打つ手が無かったのであった



〜 世界滅亡の日の前日 〜


「壮観だね」


アズが見渡すと、そこには王者決定戦での面々、帝国軍、ハク傘下の貪る者達含め数万もの大軍がのきを連ねた…その約9割が貪る者達ではあったが…


世界を滅ぼす期限と言われた日が明日へと迫った日、果ての山脈の風情ある城を取り囲む様に取り囲んでいた


軍勢が取り囲む中、城から2人出てきて空へと上がってきた、ヒカリと司である


「やれやれ、数ばかりいても仕方ないのに」


何かを察したのか、司が更に急上昇した瞬間


『ビックバン・ノヴァ!』


ヒカリから全方位に大爆発が起きた


が、事前にヒカリの技について聞いていたので堅固な黄金のてんとう虫を盾とし、更に黒のオーラを展開して防ぎ切った


「やれやれ、面倒だな」


と司が面倒くさそうに呟き、パチンと指を鳴らした


すると、上空に数百もの亀裂が入り、中からヨグソトホートが現れ、軍隊に襲いかかってきた


襲撃の際には数十体ヨグソトホートが召喚される事を念頭に準備を進めて来た、だが実際は数百体ものヨグソトホートが召喚された


当初は1体につき千人がかりで魔法や虫の酸弾を使い消滅させる手筈であったが、前提が覆っている為、既に意味がない


「チッ、『雷神招来!』」


ジークハルトは舌打ちし、雷を纏いヨグソトホートに突っ込み、次々と縦横無尽にヨグソトホートを切り裂いていったが、端から再生してき、相当数のヨグソトホートに取り囲まれたが


『デス・フレア!』


ジークハルトを中心に巨大な太陽が現れ、取り囲んでいたヨグソトホートが消滅したが、技を使った本人は既にボロボロだ


だが、相当数のヨグソトホートが消滅し、貪る者と王者決定戦の猛者達がヨグソトホートを徐々に減らし始めたのであった


一方、ヒカリにはリベンジを果たしたいローグと、モケの町の復讐に燃えるアズがタッグを組んで当たっていた


「あれから1年、少しは成長したのかな? ハァ!」


ヒカリが金色のオーラに包まれた


「借りは返させて貰う、『雷神招来!』」


ローグは鬼神化し角が6本生え、更にジークハルトから特訓を受けて雷まで纏った


そして一瞬でヒカリの前まで移動し、蹴りを放つ、が、ヒカリはアッサリと躱す


ローグは少しイラつき、パンチと蹴りを次々と繰り出すも、避けられ、更にはヒカリの蹴りで大地に叩きつけられた


「早いだけじゃ勝てないわよ?」


ローグは立ち上がり、ニヤっと笑う


『トワイライト!』


アズが叫ぶと、細かい光の粒子が、ヒカリを中心に球状に現れ回転した


まるで鏡の様に反射しており、以前に女将さんにビックバン・ノヴァを反射され自爆した事を思い出し、一瞬躊躇すると


「これで終わりだ死ね、『ブリューナグ!』」


以前出していた光の槍とは異なり、特大の黒い槍がローグの右手に現れヒカリに向かって放たれた


アスが作り出したトワイライト諸共、黒い槍が貫いた、だが


「いまのはヤバかったわね、でも成長してるのは貴方達だけじゃないわよ」


黒いオーラを纏ったヒカリがそこにいた


長期戦は不利だとみたのか、ヒカリは両手を掲げて黒いオーラの元◯玉を作り始めた


「あれはマズイ、やるぞ!」


ローグはアスと目配せをし、アズが光の弓を作り出し、矢の代わりにローグが作り出した巨大な黒い槍をつがえ、引き絞った


『ダーク・ノヴァ!』


ヒカリから巨大な黒い元◯玉が放たれた、と同時にローグとアズも技を放つ


『『絶技、スターバースト!!』』


黒い元◯玉と黒の槍が交錯した


次の瞬間、黒の槍が黒い元◯玉を貫通してヒカリを穿った


それはまるでヒカリがエバーを穿った時の再現であったかの様であった


「エデン様、後は頼みますよ」


ヒカリは黒い光の粒子となって消滅したのであった。

ナツキ「マイナスドライバーって都市伝説知ってる?」


クー「知らな〜い」


ナツキ「とある女の子がお母さんと銭湯に行きました、更衣室に鍵が掛かった扉があったので扉の鍵穴覗いたら、ボイラーの機械が見えました」


クー「ほうほう」


ナツキ「暫く覗いていると何かに視界が塞がれ、嫌な予感がした女の子は咄嗟にドアから離れると、ガチャガチャガチャッと鍵穴からドライバーが飛び出してきました、とさ」


ムツキ「怖!」


クー「え〜と…何か怖い?」


ナツキ「この話すると、たまにクーちゃんみたいに怖くない人がいるんだよね」


ムツキ「もし覗き続けていたら、目にドライバーが刺さって、目がぐちゃぐちゃにされてたっていうのと、ボイラー室からデバガメが覗いていたっていう2つの怖さがあるじゃん」


クー「ああ、そういう事か」


ナツキ「私としたら、何で怖くないのかが分からないw」

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