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神という名の  作者: クリアノート
3章 生と死
37/42

第37話 王者決定戦

「なんで私までこんな…」


遊亭に来てから早1ヶ月、ナツキ、ムツキ、クー、そしてアズまで忙しなく働いていた


「そこ!無駄口叩いてないで、サッサと働く!!」


「は、はい!」


アズが女将さんに叱られ、料理を運んで行く


ナツキ、ムツキ、クーは諦めたのか、既に悟っているのか、無駄口一つ叩かないで、忙しなく動いている


というのも女将さんの提案で、強き者を集める為、10年に一度帝国で開催される武闘大会の優勝者を中心とした、王者決定戦がこの街で開催する事になった


武闘大会では、強き者を発掘する目的から過去に1位になった者は参加できないが、この王者決定戦では逆に過去1位となった者がメインで、最も強き者を決める大会となる


よって開催前から、もの凄い人が集まり、遊亭も戦場の様に忙しくなり、4人も駆り出されたというわけだ


勿論帝国からは、うちで開催する!と言われたが、開催すればモケの街を消滅させた2人が大会中に現れる可能性が高い事、又、ローグの様な指名手配犯でも参加出来るようにすると説明すると、そっちでお願いします、と言われた


そして通常の大会とは違い、より強固な闘技場にする為、女将さんが会場設営もおこなっており、余計に人手不足になってしまい、ナツキ達も駆り出された、いい迷惑である


〜 一週間後 〜


街は露店で埋め尽くされ、所場代を徴収している女将さんは満面の笑みであるが、ナツキ達は目の下にクマが出来る程ヤツレ、今にも倒れそうである


そんな中、誰が優勝するのかのトトカルチョの現在の倍率が発表された、その一番人気は…女将さんであった


「女将さんが一番人気?!」


「あれ?知らなかった?私、第1回から第10回まで優勝してるのよ」


「へ?優勝者は出れないルールじゃ?」


「なんでも、毎回優勝されると、大会が盛り上がらないとかで、ルールが変更されて出れなくなったのよ」


(まさか、女将さんのお陰で優勝者出入り禁止なんてルールが追加されてたとはね…そりぁ毎回優勝賞金持ってかれたら、主催者はたまったもんじゃないし、トトカルチョも賭けになんないか…)


過去に優勝した者は200人近くおり、又飛び入り参加も可とした為、予選は300人程となっていた


但し、決勝の16人中、8人は人気投票で選ばれているので、残れるのは8人の狭き門であるが、決勝に残れるというだけても名誉であった為、我こそはと闘技場は熱気で満ちていた


予選の闘技場は500m四方で、既に300人が登っていた


戦闘不能となるか、闘技場から落ちたら予選脱落である


因みに、これだけの大人数が空を飛ぶと収集がつかなくなるので、飛行は禁止である


ナツキ、ムツキ、クーは観客席から観戦していた


なんで大会に参加しないのか、だって?


アホですか、女将さんが出る大会に参加するわけないでしょ


例えるなら、簀巻にされたまま吊るされ身動き出来ないのに、私に勝ったら大金あげると言われてるのと同じである


そんな中、1人の女性が現れ、手を挙げると、更に割れんばかりの声援が注がれた


女将である


審判と観客席へと被害が及ばない様にする為らしい


そして女将が壇上に上がると、剣を抜き、壇上に突き立てた


キィィィーン!!!


観客が静まり返った


「賞金10億ゴールドが欲しいかぁ〜」


「お〜!!!」


「最強の称号が欲しいか〜」


「おおお〜!!!」


「これより予選を始める、皆悔いの無い様に戦ってくれ!」


「では、初め!」


ある者は剣で、ある者は魔法で、ある者はドラゴンに戻り戦っていた


そんな中、もの凄い速度で片っ端から場外へと選手を放り投げている黒いフードを被った選手がいた


「チッ、キリがないわね!」


その選手は舌打ちして、片手を上げると中空に巨大な火の玉が出来初めた


焦った他の選手が一斉に襲いかかるが


黒フードが火の玉を舞台中央に投げると大爆発が起き、全ての選手が吹き飛んだ


壇上には黒フードを含め4人しか残っていなかった


〜 翌日 〜


「さあ、待ちに待った決勝戦がこれより開催されます、本来16人で行われる予定が、予選のハプニングにより12人になってしまいましたが、皆さん奮ってご声援ください!」


本来予選は8人残すはずであったが、4人しか残らず、女将さんはトトカルチョの身入りが減ったとご立腹であった


因みに、予選を勝ち抜いたのは


黒フードの、フロッグ

ドラゴンに変身していた、アーク

金色の瞳の、ディアブロ

毎回大会2位の、シャラポワ


の4名と、事前予想上位8名


1位:女将

2位:皇帝ジークハルト

3位:破壊神ローグ

4位:アズ

5位:旦那

6位:クロノス

7位:シエン

8位:アイオロス


の計12名で本戦がトーナメントで行われる


因みに、人数の関係で、ローグ、アズ、旦那、クロノス、シエンは1回戦免除となった


審判は、女将さんが出ない試合は女将さんが、出る試合はナツキがやらされる事になった…


勿論、ナツキは断った、私には務まらない!と、でもカジノで借金していた事がバレて、脅迫されて断れなかった…


「ナツキちゃん大丈夫かな〜」


「女将が出る試合なんて、審判自体必要ないから大丈夫だ」


と、旦那が太鼓判を押してくれた


そしてオドオドしたナツキが舞台に現れた



【決勝トーナメント1回戦、一戦目】


 女将vsアーク


既にドラゴンに変身したアークは、20mにも及び、対する女将さんは鎧さえ付けず、腰に剣を1本さしているだけである


対戦レートは1対100で女将さんが圧倒的人気になっているのだが、初めて見た人にとっては、ラスボスにひ弱な女性が対峙している様に見えるのではないだろうか


「そ、それでは、試合初め!」


ナツキが試合開始の合図をすれと共に、アークげとてつもない熱量の炎のブレスを吐いた


だが、女将さんは無謀にもブレスに突っ込み、アークの腹の下に潜り込んだ


ズドン!!


全ての観客席に響く地響きと共に、巨体のアークが100m程蹴り上げられ、上空へと吹き飛ぶ


更に女将さんは吹き飛ぶ先に飛んで回り込み、両手で闘技場に向けて叩き付けた!


もの凄い地響きと共に、伸びたアークの上に女将さんが舞い降りた


唖然とするナツキに、女将さんがサッサと来る様に催促したので、慌てて女将さんの元に駆け寄り


「勝者、女将〜」


と、女将さんの右手を上げて、勝利宣言したのであった


「まあ、あんな所だろうな、肩慣らしにもなって無いだろうが…」


と旦那が呟く


「出なくて良かった…」


クーとムツキは頷き合ったのである



【決勝トーナメント1回戦、二戦目】


 アイオロスvsディアブロ


アイオロスは金髪碧眼、竜の様な尻尾はあるが、正統派爽やかなイケメンで光の貴公子と呼ばれ


一方ディアブロは黒髪、金の瞳にヤギの様な曲がったツノを持つ影のあるイケメンで闇の申し子と呼ばれいた


どちらも女性からの人気が高いが、やはり人気としては正統派が好まれるのであろうか、アイオロスは人気投票で7位でシード、ディアブロは10位で予選からであった


どちらもイケメンなので黄色い声援が凄い


女将さんが試合開始の合図をすると、アイオロスは手をかざし数十本の光の矢が放たれたが、ディアブロの纏う黒いオーラの前に全て搔き消された


「そんな攻撃では、私にキズ1つ付ける事はできないよ」


と不適に笑うディアブロに


「なら、『シャイニングブレイド』」


アイオロスは剣に光を纏わせて、ディアブロに向かって高速な突きを放つ


ディアブロは予め予測していたかの様にヒラリと躱し、黒いオーラを集中させた手刀を剣を叩き折った


パッキィィィーン‼︎


「なっっ!」


驚愕するアイオロスの鳩尾に、ディアブロが膝蹴りを喰らわすと、アイオロスは前のめりに倒れ込んだ


「全てにおいてお前は、素直すぎるのだよ」


「勝者、ディアブロ!」


アイオロスが戦闘不能だと判断した女将さんが、ディアブロを勝者だと勝利宣言すると


「何処見てんのよ、アイオロス様はまだ負けてないわ!」


「そうよそうよ、アイオロス様が負ける訳ないでしょ‼︎」


「ほら見なさいよ、真に尊いのはディアブロ様よ」


「ディアブロ様、そのクールな所が素敵〜」


等、場違いな歓声が沸き起こったのであった



【決勝トーナメント1回戦、三戦目】


 ジークハルトvsシャラポワ


ジークハルトが入場すると、大歓声が起きた


帝国の皇帝なのであるから、当然といえば当然であるのだが、二戦目が黄色い歓声なのに対して、此方は野太い歓声であった


シャラポワといえば、毎回2位を狙っていたが、旦那に負けて2位を逃し、今回こそは2位をとるのだと訳の分からない事を言っていたらしい


そして戦いが始まった、ジークハルトは片手に剣、片手に斧を持ち、一瞬で近づきシャラポワを袈裟斬りにするが、シャラポワは何も無かった様に元に戻る


「やはりスライムには斬撃や打撃は効かぬか、なら」


『インペリアル・ロア!』


と、口から光線を吐き出す


だが、シャラポワは左手を鏡面状の盾に変化させて、光線を弾き返した


「私は前大会で負けてから、強くなったのだよ」


シャラポワの背から数十本の触手が伸び、その先が刃と変化した、そして、それぞれが鞭の様にしなり高速でジークハルトに襲いかかった


「これは女将と戦う時の切り札だったのだがな、雷帝招来!」


ジークハルトが雷を帯び、姿が消えた


次の瞬間、シャラポワは上下に切断されており、雷が帯電しているせいで動けない


更に、上下とも場外へと蹴り飛ばした


「勝者、ジークハルト!」


割れんばかりの歓声が鳴り響いたのであった



【決勝トーナメント1回戦、四戦目】


 クロノスvsフロッグ


戦った者全てが、動けなくなったといっていたクロノス、短い金髪に浅黒い肌、額にも第3目があり、どことなく不気味な雰囲気ぐある

そして、予選で殆どの選手を爆風で吹き飛ばした、黒フードにマスクのフロッグ


戦いが開始されると同時に、クロノスが叫んだ


『クロック!』


フロッグの体が硬直し、クロノスが高速で膝蹴りを喰らわし、フロッグが闘技場端まで吹っ飛んだ


「場外まで吹っ飛んでいれば、苦しまなくて済んだものを」


『クロック!』


再度クロノスが突進すると、フロッグもクロノスに向かって突進してきた


「なっ!」


クロノスは驚愕の表情を浮かべ真横に飛ぶが、フロッグも追随し、膝蹴りを喰らわす


「瞬間的に大気圧をかけて動きを鈍くしただけじゃない、種が解ればなんて事ないわ」


「ネタばらししたら、もう使えないじゃないか」


と、憤慨するクロノス


『オーバークロック!』


クロノス自身に風圧による速度増加と、敵に1000倍もの大気圧をかけて動けなくする技であった


クロノスは高速でフロッグの背後に移動し剣で袈裟斬りにしようとしたのだが、フロッグは身体にかかる大気圧の方向を、魔力で少し変えて剣を躱し、クロノスに回し蹴りをぶちかました


クロノスは吹き飛び、数回転がり動かなくなり、勝負が決したのである


「あのフロッグとかいうヤツ、かなりやるな」


「旦那がそこまで言うなんて、相当だね」


こうして、本戦1回戦が全て終了したのであったった。


ナツキ「サザエさんの波平さんって、いくつに見える?」


ムツキ「波平さんってあのお爺さんだよね、70手前かな?」


ナツキ「実は54歳なんだよ」


クー「あのハゲチャビンが?!」


ナツキ「ハゲチャビンは言い過ぎだけど、54歳には見えないよね、後、マスオさんが早稲田卒のインテリなんだよ」


ムツキ「マスオさんってカツオ君の宿題をヒーヒー言いながら手伝ってるイメージだけど、インテリなんだ…」


クー「早稲田なのは知ってる、たしかノリスケさん東大卒なんだよね?」


ナツキ「ああ、波平さんが京大卒やノリスケさんが東大卒なんていう噂があるけど、原作で表記があるのはマスオさんだけで、後はネットで流れたデマだよ」


クー「デマなんだ、ネットって怖い…」


ナツキ「まあ、マスオさんがエリートだっていうのは確かだから、サザエさんって一般庶民?て感じだよね」

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