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神という名の  作者: クリアノート
2章 希望と絶望
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第24話 激突

〜 戦線布告から30分後 〜


流石というべきかどうか定かではないが、天国から逃げ出す者はいなかった


逃げた所で何処にも居場所なんて無いから当然と言えば当然であるが、天使達の不安そうな顔を見る限り戦意を削ぐ目的は達せられた様に見える


そんな中、極楽の時と同様にオリンポスからポセイドンが出て来て、極楽に先陣を切った時と同じ啖呵をはいた


「我が名は海王ポセイドン、一番槍は貰い受ける!突撃!」


天国とオリンポス・冥界との戦争が開始された


『カ〜メ〜ハ〜◯〜、派〜!』


突撃して来たポセイドンの率いる部隊へ、ヒカリのカメハ◯派が炸裂した


本隊は対策が取られている可能性が高い為、全力では無いカメハ◯派を突撃部隊にかまして敵の出鼻を挫くつもりであった


だが、雑魚は蹴散らしたものの、ポセイドンには副隊長と見られる者が盾で防壁を展開していた為、手傷を負わせた程度に留まっていた


「圧倒的に有利な状況でも手を抜かないか…困ったわね…」


と、愚痴るヒカリ(ミカエル)だった


〜 ナツキ達 〜


「やっと会えましたわね」


ナツキ達の前には両腕を組み、蔑んだ目で見下ろすヘラがいた


「え?何処かで会った?クーちゃん知ってる?」


「ん〜ん、知らない人だよ?」


エバーの中から答えるクー


「まあ仕方ないですわね、貴方影薄いですもの」


両腕を組んだまま怒りに震えるヘラの肩をポンっと叩く者がいた、白い鎧に大きな盾を持ち、背中に槍を担いだアテナである


「はあ? 誰が影が薄いですって〜!?」


『エクス・カリ・バー!』


「あぶっ!」


ヘラのツッコミを機と見るや、ナツキは斬撃をお見舞いするが、アッサリと避けられてしまい、ブチ切れたヘラが突進しようとするが、アテナが咄嗟に前に出てこれを制す


「チッ!」


ナツキが舌打ちをした


「ヘラ、頭に血が昇ると見境なくなるのは、悪い癖ですわよ」


そうアテナに諭され、ヘラは立ち止まった


「出番よワルキューレ!」


アテナが叫ぶと、甲冑に盾と槍、そして頭の羽根飾りまで白で統一した美少女が3人片膝をついて出て来た


「あれ私とキャラ被ってるよね、ね!」


と、ナツキに聞かれたが、方や誰もが絶賛する美少女達、方や空飛ぶ白ヘビの化け物…


「そ、そうだね…」


目が彷徨いながらムツキは答えた


「ワルキューレ達、手筈通りお願い!」


アテナが指示をだすと、ワルキューレ達が盾の影から槍を出して3人のワルキューレが弾丸の様にナツキ達に襲いかかった


「バチン!」


クーが乗ったエバーが両手でハエを叩くみたいに、ワルキューレの1人を叩き潰した


血反吐を吐き、真っ赤に染まり落ちていくワルキューレ


「ね、姉様〜!」


1人のワルキューレが、落ちていくワルキューレを救い、そのまま逃走していった


「よ、よくも!」


残りのワルキューレは盾を捨てて距離を取り、槍から雷を放って来きた、と同時にヘラも距離を取りながら火の玉を複数出現させて爆撃をかましてきた


ナツキとムツキを肩に乗せたまま、エバーは避けようとするが、火の玉は避ける事が出来たものの、雷は直撃を食らった


「ギィヤァ…あ、あれ?」


雷はエバーの表層を伝い地面に流れてた為、多少ビリビリしたが何て事は無かった…


これ下手に飛ぶと雷の餌食になるよね…でも、飛ばないと遠距離から袋叩き…どうする?


私に任せて!と、クーが叫んだ


『ポゥ!!』


エバーの口から巨神兵の様な熱線が放たれた


だが、高速で飛び回っているヘラ達には当たらなかった…


その光景を見たヒカリは「やっぱり巨神兵なんじゃん!」と呟きながら、安心して任せる事にした


なら、アレは私とムッちゃんで片付けてくるので、一番厄介なのクーちゃんお願い!


と、ナツキとムツキで残りのワルキューレを追いかけた


「ちょ、ちょっと、厄介な2人組の相手私だけ?」


「エバーとクーちゃんなら余裕、余裕!」


と適当な事を言って押し付けて行ってしまった


「も〜仕方ないな〜」


と満更でもない様子でエバーが羽を出してヘラとアテナへと向かって行った


「一発で決めるよ、ロンギヌスをお願い!」


と、エバーの右手に炎の槍を出現させて高速で薙ぎ払った


避けられないと判断したのか、アテナは盾で受け止めた


「うそ、止められた?!」


なんとアテナは、数倍もの体格差から繰り出されたエバーの炎の斬撃を受けきったのである


「なら手数で勝負、オラオラオラオラ〜!!!」


と、反撃の隙を与えず、炎の槍の斬撃による猛攻が続く


ナツキとムツキはと言うと、ワルキューレの速度に全く追いつけないでいた


「クリ棒お願い、おっりゃ〜!」


と、ナツキはクリ棒を投擲した


ワルキューレは背後から投擲されたクリ棒をすんでで躱すが、クリ棒は空中で反転して戻ってきた


これを躱し続けるのは困難だと判断したワルキューレは槍で受け止めた、が


「追いついたわよ」


と、ムツキがルシファの剣に魔力を込めて斬り付けた


「キャッ!」


これもワルキューレは槍で受けたが、槍はバターの様に半分に切断されたのであった


「これで終わりよ!」


と、ナツキが戻って来たクリ棒を手に斬りかかったのだが、突如飛来した人物が巨大なハンマーでクリ棒を弾いた


「トール様!!」


「危なかったな、ここは俺に任せて、撤退してくれ!」


ワルキューレは頬を赤らめて、飛び去って行ってしまった


白い歯を輝かせた金髪イケメンが、颯爽と現れてピンチを救う


女性なら一度は憧れるシチュエーションであるが、相手側から見たら正直気持ち悪かった…というかキモかった…


もし助けられた側であったなら違った感想を持ったのかもしれないが…


「ムツキちゃん、このナルシストぶっ殺すよ!」


「了解!」


ムツキもこの手のタイプは虫唾が走るらしく、ノリノリである


「さて、俺の可愛い子猫ちゃん達をいじめた借りは返さなとな」


と言い放つと、先程までのチャラい雰囲気から一転して強烈な殺気を放ち、手にしていたハンマーに雷が帯電し、ナツキ達へハンマーを向け、雷が放たれた!


ナツキは咄嗟にクリ棒をトールへと投げつけ、雷はクリ棒へと帯電してそのままトールへと襲う


「チィ!」


トールはハンマーでクリ棒を叩き落としたが、その間にムツキが詰めてルシファの剣に魔力を込めて上段から袈裟切りにしようとした


ギィン!


ムツキの魔力の斬撃をもハンマーで受けとめた


「マジ!?」


ナツキも手元に戻ったクリ棒を上段に構え斬撃を放った


『エクス・カリ・バー!』


そこは阿吽の呼吸でムツキは躱してくれると信じて放たれた光の斬撃であったが、トールとムツキは辛うじて躱したが、トールは顔にかすり傷を負った


「俺の顔にキズが…糞っがぁぁぁ!、殺す殺す殺す‼︎」


トールの全身に雷が放電し、物凄い速度でナツキに肉薄して脇腹に向けて帯電したハンマーを叩き込む


ナツキもすんででクリ棒の柄でガードするが吹き飛ばされた


ガードしたものの、電撃を多少浴びて痺れる中、吹き飛ぶ最中にクリ棒を投擲した


トールはクリ棒を叩き落としたが、背後から飛来した剣がトールの腹に風穴を空けた


ムツキがクリ棒を投擲したのと同時に、後ろからムツキがルシファーの剣に魔力を込めて投擲していたのであった


「グハッ!…は、爆ぜろ雷鳴!」


トールの帯電していた稲妻が全てハンマーに集約され、全方位へと雷が放たれた


ナツキとムツキはかろうじて躱すも、敵味方無差別に被害がでたのである


と、同時にトールは全速力で撤退していった


「え? 逃げたの?」


呆気にとられて、呆然とするナツキとムツキ


「あれは追いつけないわね…」


「いいんじゃない?ルシファーの剣取りに行かないと勝負にすらならないから、逃げてくれていて助かったというか…


というか、危ないから、サッサと取りに行ってらっしゃい!」


そそくさと、ルシファーの剣を拾いに行くムツキであった。

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