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神という名の  作者: クリアノート
1章 天国と地獄
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第16話 ラグナロク

〜 1ヶ月後 〜


「そろそろかな〜」


「もうそろそろだよね?」


「確かお昼丁度だから、そろそろだよ」


天国に開戦日時が伝えられ1ヶ月後の今日、ラグナロクの開戦時刻までは後30分といった所だ


両陣営の真横へ20キロ程離れた所で、クーはエバーのコックピットに、ナツキとムツキはエバーの口の中にいた


又、あちこちに気配があるので、天国と地獄以外の陣営も偵察に来ているのであろう


両陣営のヒカリ(ミカエル)とベルゼブブが知り合いであった為、複雑な思いであったが、出来れば両者とも無事で、戦争後に又集まれたらいいな、と話をしていた


決戦の地と定めた場所は、グランドキャニオンの様な、切り立った広大な台地であり、天使と悪魔達は10キロ程離れて、陣を敷いていた。


だが、陣形が天使と悪魔では全く異なっていた


天使軍は、横から見ると楕円形に、正面から見ると円形に展開し、中央にミカエル、そして上から60度毎にガブリエル、ラファエル、ウリエル、アリエル、アズライール、カマエルが円の端に陣どり、一般兵は炎や雷を防ぐ為の盾と、剣か槍を装備していた


大天使は皆同じ白い羽を背中に生やしており


ガブリエル:茶色の七三分けで、何故だか眼鏡をかけており、話をする時眼鏡を右手の人差し指でクイっと上げる青年


ラファエル:金髪のツインテール巻毛、碧眼、快活な少女


ウリエル:跳ねた金髪碧眼、少年の様な風貌と言動


アリエル:肩まであるフワッとした蒼髪、少しオドオドとしている少女


アズライール:白髪のオカッパ頭、黒い瞳、物静かな少年


カマエル:茶色の長い髪、物静かでいつも天使達の仲裁をする青年


一方、悪魔軍は正八面体の頂点に魔王達がおり、中央にルシファー、天使側前方にマモン、後方にアザゼル、右手にベルゼブブ、左手にベルフェゴール、下側にアスモデウス、上側にレヴァイアサンが陣取り、配下は其れの魔王を中心として球状に展開し、此方の一般兵も天使と大差ない装備であるが、様々な種類の黒い羽を生やしている


このラグナロクは3つの特異点が存在した。


無論ルシファーと、最近現世を体験したヒカリ(ミカエル)、ベルゼブブである


「ありゃ〜なんだ、ペラッペラじゃね〜か」


「あんなんでまともに勝負になんのか?」


「ミカエルさえフラフラと飛び回ってやがる」


と魔王達は嘲笑したが、初っ端に最大呪文をブチかますつもりでいる司は


(チッ、あれじゃあ効果半減だな)


と内心舌打ちをしていたが、とりあえず中心に放てば、かなり戦力を削れるだろうとたかを括った


開戦数秒前、魔王や天使達はオーラを解き放ち両者緊張が走る中、司は陣の先頭に出て来て呪文を唱え始めた


「カイザード アルザード…」


ナツキと戦った時は唱えている最中に魔方陣を展開していたが、ヒカリにバレる可能性があるので魔方陣は打つ直前に展開する様にしている


そして開戦と同時に、司が魔法陣を展開し


『ハーロ◯ーン!!!』


司から放たれた巨大な光が天使軍の中央目掛けて放たれた


「退避ー!」


ヒカリが叫ぶも司の部下全員から魔力を吸収して放たれたハーロ◯ーンは、ナツキと交戦した時とは規模がまるで異なる魔力が込められており、中央にいた殆どの天使が退避出来ぬまま尽く消滅し、天使軍中心には巨大な空洞が出来たのである


これには他の魔王達も呆然とし、これもう戦争終ったんじゃないか、といった弛緩した空気さえ漂った


だが、天使陣営の上部が煌めく


「ハアッ!」


という気合いと共に、ヒカリの髪が金色に輝き逆立つ、そして、両手に光を集め


『かーめー◯ーめー派〜!』


司も何が起きているのかを悟り、「散れ〜」と叫ぶも時既に遅し、超特大のかめはめ波が、地獄陣営の八割方を飲み込む


従来、範囲攻撃といえば、ドラゴンの様に火を吐く、遠距離攻撃と言えば雷を放つとかであるが、火を吐くのは近距離であるし、雷は線の攻撃で、広範囲を攻撃するものでは無く、それも射程は精々5キロ程であったから10キロ離れた位置で陣を敷いていたのであるが、現世を体験した2人がいた事で戦争の在り方が変化したと言っていい


そして、この開戦で明暗を分けたのが、司は1将軍に過ぎなかったのに対し、ヒカリは総司令官であった事、そして長年に渡り司に付き合わされたおかげで、司のやりそうな事が分かっていた事である


司は自らの部下のみからしか力の供給を受けていないが、ヒカリは大天使を除いた全ての部下から力の供給を受け、凸型にする事で被害を最小限にしている。しかも力の強い者程外側に配置していた為、戦力的な損失を抑える事に成功し、大天使達も健在であった


一方、魔族側は、カメハ◯波の中心で前衛にいたマモンは消滅、ベルフェゴール、アスモデウス、レビィは瀕死の重傷となり戦線離脱、司はいち早く離脱し無傷、ルシファーの後にいたアザゼルは健在


ルシファーは多少魔力を損失したのみで無傷でいるのであるから、その化け物ぶりが伺える


魔族側が戦線を立て直す前に、ヒカリが突撃命令を出し、突っ込んだ


数の上で圧倒的、しかも大天使全てが無傷であったのであるから、天使の勝利は揺るぎないと天使達は思っていたのであるが、ヒカリはこれでも厳しいと踏んでいた


神として敬われたエデンの傍らに常にいたルシファーが、どれだけの力を秘めているか想像すら出来ずにいたからである


雑魚は各副長に部隊の指揮を取らせて蹴散らす様に指示し、大天使達で魔王の迎撃にあたる


アザゼルにはウリエルとカマエル

ベルゼブブにはラファエルとアズライール

ルシファーにはミカエル、ガブリエル、アリエル


で対抗した


司は何をやらかすか分からない為、呪文に集中する様なスキは与えず、ヒットアンドウェイに終始させる様に伝えたおかげか、司については、ほぼ均衡


アザゼルについては、押している様に見える


ルシファーは剣に魔力を込めると、剣がドス黒いオーラに包まれた


ヒカリは瞬時に剣を交えるのはマズイと判断し、遠距離で対応したが、3対1で、しかも魔力を消耗しているはずなのに、押されている始末である


ルシファーは此方の魔法攻撃を全て叩き切るという芸当を成し遂げていた


近距離戦闘をしようものなら、たちまち1人2人斬られて、戦闘継続不能に陥る可能性がある為、3人で遠距離の魔法で凌いでいた


そんな時、ルシファーの背後から2本の雷が飛来した


ウリエルとカマエルが、ついにアザゼルを戦闘不能に追いやり、助勢に駆けつけたのである。

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