表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神という名の  作者: クリアノート
1章 天国と地獄
12/42

第12話 紅の司

「最初からエバーが飛べる事が分かってたなら、行きも早く着いたよね…」


エバーを置くならドラゴンがいた洞窟がいいのでは、という話しになり一旦古巣へと戻る一行


1年程かかり漸く辿り着いた天国であったが、帰りはエバーに乗って飛んでいたので、あっという間である


途中、ハリネズミの村にも立ち寄って一晩を過ごしたりしたが、そろそろ古巣に到着しようとした時、空中に佇む人影があった


それは、黒の上下にハエの様な黒く丸い羽を生やしていた、何処かで見た様な…


「ちょっ、司!」


エバーの中から、クーが叫んだ


「俺を司って呼び捨てにするのは、あかりか?ヒカリか?」


「あかり(クー)だよ、こんな所で何やってんの?」


ベルゼブブである司がこんな所にいた…ドラゴンの時といい、放浪癖でもあるのだろうか…


地上に降りて、クーがエバーのコックピットから顔をだした


「何やってるも何も、お前こそ巨人に乗って何やってんだよ」


司もクーの隣に降りたった。


「俺は、巨人を従え世界を救う救世主が現れた、なんて噂があったから確かめに来たんだが、あかりがそうなのか?」


「私が救世主?無い無いw」


「そうだよな、お前みたいなドンクサイのが救世主な訳ないよなw」


「私は、ドンクサクなんかないよ!」


「全く避ける素振りすらなく、バイクに跳ねられて死んじゃったヤツが良く言うよ!」


「う…」


クー(あかり)は返す言葉が見当たらないらしい


「因みに、おまえを跳ねたヤツは始末しておいたから安心して俺の側にいな」


そう言うなり、司はクーに抱きついた


「ぎゃ〜」


もがくクーであったが、逃れられそうもない


「ちょっと、クーが嫌がってんでしょ、離れなさいよ」


と、ナツキがエバーの口から出て来て、間に入った


「こいつは誰だ?」


「私のご主人様だよ!」


「ご主人様だ〜あ゛!?」


ナツキを睨む司


「ご主人様ってのは、言葉の綾で…」


と説明するも


「あかりを賭けて決闘しろ!」


もの凄い剣幕で、捲し立てられた


まあ、最悪負けてもクー(あかり)ちゃんなら逃げて来れるだろう…


「あかり、そこで俺の勇姿を見てな」


ベルゼブブは空に飛び立ち、呪文を唱え始めると、司の前に魔法陣が展開されていく。


「カイザード アルザード…」


どうやら霊界ではイメージとそれに見合う魔力さえあれば、現世のアニメの必殺技も再現出来るらしい


「あ、あの呪文はハーロ○ーン?!」


目をキラキラさせながら、クーが呟く、何の呪文だか知らないが、背筋に冷や汗が走る


「させない!」


ナツキはクリ棒を投擲するも、難無く避けられる


「開け地獄の門、『ハーロ…」


「ベル様、後ろ!」


突然、羽のあるナーガの女性が現れ、叫んだ


「ぐ‼︎」


投擲したクリ棒が空中で旋回して背後から襲ったが、司は回避して脇腹を掠めるのみに止まった


だが、展開していた魔法陣は消え去った。


「ああ〜、ハーロ○ーン見たかったのに〜」


と、残念がるクー


「あなたはどっちの味方な・の・か・な?」


クーの両頬をつねりながら問うムツキ


「痛い痛い、も、勿論ご主人様だよ〜」


と涙目のクー


同じ魔法というのも味気ないな、と、司は別の呪文を唱えだした


「ブー・レイ・ブー・レイ…」


「あれはエグゾー○ス?!」


空では絶えず飛んで来るクリ棒の斬撃を躱し続けている


「それなら!」


ナツキが左右の手から、それぞれファイヤーボールを作り、同時に投げる


しかし、それすら易々とかわしながら、司が詠唱し魔法のが展開されていく


「全てを焼き付くせ!  『エグ・ゾー○ス!!』」


ベルゼブブは数千度の炎に包まれ、高速で落下して来た。


だが、あさっての方向に落下し、木々を消滅させ地面に突っ込んだ


「ギィヤァァァァァ…」


そして、全身火ダルマのまま転げ回った…


完全に自爆した司は、黒焦げになりながらも、ヨロヨロと立ち上がり


「ゲホッ、ゴホッ、今回は引き分けにしておいてやろう!」


満身創痍の様子だが、上から目線でそう言い放ったのである


「ベル様!」


と、先程叫んだナーガの女性が飛び出し、司をヒールしている


「まだ決闘の途中…」


と、クーが言いかけるが


「ア゛?!」


女性がもの凄い表情で睨めつけ、クーはあまりの迫力に引き下がった


「ねえクー、司っていつもあんな感じなの?」


とムツキ


「う〜ん、普段はカッコイイんだけど、厨二病が出ると、あんなんかな〜」


「厨二病って?」


「厨二病ってのは病気じゃないんだけど…呪いみたいなものかな…」


「呪いか〜、怖いわ〜」


地形が変わる程の決闘ではあったが、とりあえず決闘は引き分けで終わったのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ