問題は起こる前に対処する
放課後になりいつも通り凛華と二人で帰った。
家に帰っても誰もいなかった。
茜は部活かな。
テニス頑張ってるらしいしな。
一人の時間も久しぶりだな。
ソファ気持ちええな。
たまにはリビングにいるか。
グータラしてよう。
しばらくすると茜が帰ってきた。
「たーだいまー!」
「おー」
「お兄ちゃんちゃんと三学年全部配ったよ!」
「ありがとう。ご褒美は何がいい?」
「今度結城さん家に連れてきて!」
「凛華がいいならね」
「やったーーーー!!電話して電話!」
「えーわかったよ」
(プルルル…)
「もしもし」
『もしもし宏樹くん?』
「うん。あのさ妹がご褒美に凛華を家に呼べってさ」
『妹ちゃんにも手伝ってもらってたんだね。いいよ。予定はまた今度決めよう』
「わかった」
「オッケーだって」
「イヤッホー!!これで私は結城さんの義妹になれるよう頑張ろう」
「気が早いな」
茜なりに外堀を埋めようとしてくれているんだろう。
可愛いお姉ちゃんが欲しいだけかもしれないが。
「今日も晩飯頼めるか?」
「うん!わかった!」
うちでは俺か茜がご飯を作っている。
交互とかいう決まりはない。
二人ともその日のお互いの様子で自分とどちらが忙しいか判断するので争いにはならない。
ここ最近は頼りっぱなしだ。
今日はやることがある。
ファンクラブの連絡先は俺のパソコンにある三つのアカウントだ。
自動でグループに返信できるようにしておいた。
ファンクラブのグループでのやりとりは俺、凛華、悟、琴音は見られるようになっている。
何か問題が生じた場合、四人のグループで話し合うことになっている。
今日昼四人がファンクラブにさほど興味がないことを周りに示せた。
よって俺が気に食わない人もファンクラブに入ることだろう。
何か行動するならファンの中から俺嫌いの仲間を見つける方がいいと誰でも思うだろう。
だが、それは間違いだ。
まずファンクラブは俺が作って監視できるからだ。
この時点でファンクラブ内の大規模反抗は不可能だ。
そしてファンクラブを作ることでいろんな人が俺らを見ることになる。
そしてファン同士も監視する。
そうなると俺らの関係を邪魔しようとするのも難しくなり、強行手段を取るにしても先に俺らに情報が回ってくる。
よってもう一生徒に邪魔されることもない。
学校側もファンクラブについて言及することはない。
まずバレない。そしてファンクラブカードには大人へファンクラブの存在を話すことは厳禁としてある。
これを破るとまず神に嫌われる。
ファンクラブは本人公認であり活動に触れず知ることはないが、ルールは神が決めたとしているからだ。
そして三柱の神は仲が良いように認識されているはずなので全神に嫌われることになる。
そうなるとほぼ学年全員が敵にまわることになる。
よってもうほぼ問題が起こることはない。
問題が起こりそうになっても先に知ることができ、対策も立てられるし問題を起こさないこともできる。
ファンクラブのグループも承認制にしているので他校からの干渉も無い。
よってもう俺と凛華が付き合った問題は解決したも同然だ。
ご褒美タイムにするか。
四人のグループにメッセージでも送ろう。
『もう目的達成した。ご褒美あげるよ』
『じゃあ四人で高級焼肉!』(悟)
『おーいーねー!』(琴音)
『良いけど一人一個いいよ』
『じゃあ俺のご褒美がそれで!』(悟)
『私は四人でどっか遊びに行きたーい!』(琴音)
『じゃあ私は宏樹君エスコートの本気デートで』(凛華)
『わかった』
『結城さん骨抜きにしたれ〜』(悟)
『宏樹の本気とか私でもやばいかも』(琴音)
『それなら悟に本気デートしてもらい』
『やってやるわい!』(悟)
『やった』(琴音)
デートプランを本気で考えるのか。
凛華の好み確認せんとな。
琴音もデートしてもらいたかったのかもな。
あの流れで悟に誘われたかったんだろう。
今日もパソコンの前に座り作業する。
近年はパソコン一つでお金が稼げて楽だな。
中学からブログなど色々やっていて金銭には余裕がある。
だから高級焼肉にも行ける。
いじめられたりいびられたりするよりは高い金払って、友達と飯行く方が絶対良い。
そんなこと考えてはいるが今食べている茜の飯も美味いんだが。
というか飯食いながら他の飯を考えてるの失礼かな。
まあ一般家庭に生まれたし、礼節も何も無いんだが。
茜と今度良いご飯でも食べに行こうかな。
予約しとこ。
翌日、昼休みになった。
琴音、悟、凛華が来て一緒に飯を食っている。
「あ、四人でどこ遊びに行く?」
「遊園地とか良いんじゃね?」
「お前らその前に期末テストだぞ」
「「げっ…」」
「お前らなー…」
「ま、まあ中間テストくらい大丈夫だよね?悟」
「お、おう大丈夫やで。琴音」
「じゃあ今回は手伝わないからな」
「「申し訳ございませんでした!!」」
「今週は毎日ファミレスな」
「「は、はい…」」
「宏樹君はいつもテストの点一ノ瀬さんや才川さんより低かったですよね。それも本気じゃなかったんですね」
「次は本気出そうか?」
「じゃあ勝負しましょう」
「負けたら相手の言うことなんでも一つね」
「わかりました」
「凛華も勉強会来てくれ」
「良いですよ。一ノ瀬さんも才川さんも順位一桁後半でしたよね。教えないといけないんですか?」
「何言ってる。こいつら授業聞いとらんぞ」
「そうだぞ。宏樹のおかげだ」
「二人を一桁にした宏樹君はどのくらいすごいのでしょうかね」
「今回は凛華の首位転落を目標に頑張るよ」
「大丈夫ですよ。宏樹君は二位なので」
「ねえ悟、この二人怖い。二人とも笑顔なのに目が笑ってないよ!」
「そんなこと言うな!教えてもらえなくなるぞ!」
「今日から放課後地獄だな…」
「うん頑張ろう…」
俺と凛華が笑顔でバチバチやっている最中、悟と琴音は肩組んで励まし合っていた。
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