罪深き信仰者
(前回までのあらすじ)
ユピの元への案内をヒラクに申し出た娘はミカイロの命令で動いていた。そしてヒラクはミカイロの思惑通り、地下の迷宮に足を踏み入れる。同じような空洞が続くその場所で、ヒラクはすっかり迷っていたが、ふと人の声を聞き、近づいていった。そこにいたのはアクリラとカイルだった。カイルは誰かが近づいてくる気配に気づき、アクリラをその場から遠ざけた。隣の空洞で身を隠しながら、ヒラクはカイルの前に現れた人物を確認した。
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《セーカ》
<プレーナ教徒>
教主である老主の下、水の女神プレーナを信仰。
プレーナそのものであるという「生命の水」に祈りを捧げる。
生命の水は分配交換の儀式でヴェルダの御使いより与えられる。
ヴェルダのの御使いを中心とする黒衣の民はプレーナの使徒とされる。
セーカの共通言語とは別に祈りのときだけ用いる「祈りの言葉」を使う。
<狼神の使徒>
狼神を信仰するプレーナ教徒の異端者たち。
地上で羊飼いをしていた者たちの狼への恐れから信仰が生まれた。
狼神信仰がプレーナの怒りを買い、地上での生活を奪われたとされる。
現在、地下の世界ではその存在は明らかにされていない。
<狼神の旧信徒>
かつて狼神を信仰していた異端者たちの子孫であるプレーナ教徒。
セーカの食糧調達はもちろん生活におけるすべての仕事を請け負う。
プレーナ教徒の中でも罪深い存在とされ蔑まれている。
《神帝国》
三十年ほど前に興ったとされる国。自らを唯一神だとする神帝が統治している。
プレーナを滅ぼし、セーカを支配する機会をうかがっているといわれている。
カイルの前に現れたのはテラリオだった。
「糸をたどってきてみれば、おまえに行き着いたってわけか」
テラリオは、口の端をねじあげてにやりと笑い、指先につまんだ緑の糸をカイルの前につきつけた。
「アクリラは近くにいるのか?」
テラリオはアクリラが飛び込んだ空洞の孔を見た。
そこにはヒラクがいる。その糸をそのままたどればテラリオも入ってくることになる。
ヒラクは息を呑んだ。
けれどもテラリオはヒラクがいる空洞を調べにこようとはしなかった。そのかわり、言語を変えた。
「俺の話を聞け」
テラリオは神帝国の言語を使った。
「……なんだよ、急に。その言葉……」
カイルはいぶかしげにテラリオを見た。
「アクリラに聞かせたくないだろうからな」
テラリオが言うと、カイルは軽くため息を吐いた。
「……なんだよ、話って」
カイルの言葉を聞いてヒラクは驚いた。テラリオがユピの話す神帝国の言葉を話せることにも驚いたが、神帝国の人間を毛嫌いしていたように見えたカイルまで同じ言語で話すのは意外だった。
「いいかげんプレーナ教徒のふりをするのはやめろ」
テラリオの顔からは人を小ばかにしたようないつもの笑いは消えていた。
「おまえはアクリラが信じるものを自分も信じたいと思っているだけだ。アクリラが信じればあのガキもヴェルダの御使いになるし、アクリラの願いを叶えるためならば、俺のやることさえ見逃してくれるってわけだ」
テラリオは不愉快そうに顔を歪ませた。
カイルは何か言いかけたが、そのまま言葉を飲み込んだ。
「どうした? 言い返せないのか?」
何も言おうとしないカイルを見て、テラリオはますます苛立つ。
「いつかおまえは神帝国に生命の水を運び出すことは自分への裏切りだと言った。その裏切りとは何だ? 何の裏切りだ? アクリラへの裏切りか?」
テラリオはカイルにつめ寄って、たたみかけるように言うが、その言葉の一つ一つにはどこか必死さを感じさせるものがある。
「俺たちはずっと自由を夢見てきたんじゃないのか? この罪の意識が充満した窒息しそうな地下世界から抜け出して、太陽のある広い世界に飛び出そうとしていたんじゃないのか? そのためなら手段は問わないと誓ったじゃないか、忘れたのか」
「……忘れてなどいない」
カイルは気まずそうに目を伏せた。
「じゃあ、なぜここにとどまろうとする? プレーナへの信仰を捨てられないというおまえの言葉を、そのまま俺が信じたと思うか? おまえが捨てられないのはアクリラだ。あの女さえいなければ……」
「テラリオ」
カイルは憎々しげに言うテラリオの言葉をさえぎった。
「アクリラに近づくな。彼女に何かあったら、俺はおまえを許さない」
「カイル……」
テラリオは悲しげにカイルを見る。
カイルは表情を硬くしたまま、顔をそむけた。
二人の脳裏に浮かぶのは、ともに夢を語り合った無邪気な子ども時代の思い出だ。
閉ざされた地下生活にあって、未来を悲観することはあっても、今のように二人が反目しあうなど夢にも思っていなかった。
カイルとテラリオは、プレーナ教徒の間では禁じられている「労働」に代々携わる家系に生れた。
狼神の旧信徒たちから食糧を受け取り、管理するのが彼らの主な仕事だったが、彼らの労働を監督することはもちろん、プレーナ教徒の居住区の見張りや地上の偵察も任せられ、朝から晩までプレーナ教徒たちのために働いた。労働を禁止されているプレーナ教徒たちの間で、彼らは「罪深き信仰者」と呼ばれ、表向きは敬意を持たれていたが、実際は蔑まれてもいた。
狼神の旧信徒たちのうち、ほとんどの男たちは南へ移動し、家畜の放牧や農耕をする。女たちは地下で織物製作やチーズやヨーグルトなどの食糧加工、炊事場での労働などを「罪深き信仰者」たちの監督のもと行っている。女たちはいわば人質のようなもので、外に労働に出る男たちは、家族の命を「罪深き信仰者」たちに預けていることになる。
同じプレーナ教徒たちの蔑みを受ける「罪深き信仰者」たちは屈折した特権意識を持ち、カイルの父親の世代までは、狼神の旧信徒たちへの差別意識が根強くあった。
そんな中、セーカの民の「労働」に大きな変化が訪れる。
彼らが労働の場としていた南の地は神帝国の領土となり、神帝国の人間に雇われて働き、収穫の一部を神帝国に納めるようになったのだ。
狼神の旧信徒たちの不満は、神帝へ向くと同時に、プレーナ教徒たちにも向いた。収穫が少なくなったしわ寄せは狼神の旧信徒たちにそのままきたからである。
プレーナ教徒は分配交換でヴェルダの御使いから渡される生命の水を何より尊んだ。生命の水への感謝の印である食糧や家畜などの捧げものは決して減らすことがあってはならないと考えていた。さらに狼神の旧信徒たちのプレーナ教徒への食料供給も必要な奉仕と考えている。狼神の旧信徒が過酷な労働で苦しもうと、食糧不足にあえでいようと、それはプレーナに背信した彼らの罪深さのためと、プレーナ教徒たちは信じて疑わない。彼らの罪が軽減するようプレーナに祈りを捧げることが自分たちのすべきことだとプレーナ教徒たちは考えている。
年老いた狼神の旧信徒たちの中では、プレーナも神帝も打ち負かす狼神の復活を願う気持ちが日に日に高まっていった。
しかしその一方で、若者たちの間では罪と差別の意識は希薄になりつつある。なぜ自分たちだけが不条理な労働を課せられなければならないのかと疑問を抱く者も少なくない。彼らはプレーナ教徒たちが使う「祈りの言葉」よりも実用的な神帝国の言語を好んで学んだ。いつかセーカを脱出し、神帝国で自由に生きていくために、彼らには神帝国の言葉が必要だったのだ。
プレーナ教徒とはいえ「罪深き信仰者」として窮屈な思いをしているカイルとテラリオもまた、外の世界への憧れを募らせていた。
「罪の意識から逃れ、自由が得られるのならば、神帝国に身を売ってもかまわない。利用できるならプレーナでも狼神でも利用する。そう決めたじゃないか」
「ああ、だけど、俺はおまえほど、割り切って物事を考えられないんだ」
カイルの言葉に、テラリオは少し傷ついたような顔をした。
「すまない、テラリオ。おれは、セーカを捨てることはできない。自分だけが自由になろうとは、今はもう思えないんだ……」
カイルは申し訳なさそうに言った。
「カイル……。それなら俺が今、おまえをここにつなぎとめる糸を断ち切ってやる」
テラリオは、懐から取り出したナイフで指につまんでいた緑の糸をすくいあげた。
「テラリオ、何する気だ」
カイルはさっと表情を硬くした。テラリオはにやりと笑った。
「この糸を断てば、アクリラは二度とここから出られない。先の断たれた糸をたぐりよせたときのアクリラの顔が見ものだな」
「やめろ!」
「ふん、必死だな。そんなにアクリラが大事か?」
「大事だ。アクリラも、この町も、ここに住む人々も……」
「俺たちの夢よりもか」
テラリオは鋭い声を上げた。
共に自由に生きようと誓ったカイルとの間に割り込み、友情にひびを入れたのがアクリラだと、テラリオはずっと思っていた。彼女さえいなければ、カイルは自分に背を向けることはなかったはずだ。そう思えてしかたなかった。
しかし、テラリオとカイルが不仲になった直接の原因は、テラリオが生命の水を外に持ち出したことにあった。
狼神の旧信徒である若者たちが、その日の食糧を得るためにセーカやプレーナの情報を流し、小さな取引をしていたのとはちがい、テラリオはもっと大きな見返りを求めて、それにふさわしい対価となるものを神帝国に与えようとした。それがプレーナそのものといわれる生命の水である。それは、自由のための大きな取引材料であった。
だが、カイルはこのセーカに対する裏切りに賛同しかねた。それでなくとも、手段を選ばないテラリオのやり方には納得がいかないところもあった。テラリオが狼神の旧信徒である若者たちを自分の道具として使うことも気に入らない。カイルにとっては、彼らもまた、自由を求める仲間だった。
プレーナ教徒でありながら、食糧配分や神帝国との商取引の便宜を図ったこともあり、テラリオやカイルはミカイロに優遇され、「異流の信徒」として狼神の使徒たちと交わるようにまでなった。
自分の立場に疑問を持ち、一人悩むカイルの前に現れたのがアクリラだった。食糧配分の仕事を手伝う彼女と食糧を調達する役目のカイルは、年が近いこともあり、よく話をするようになった。「罪深き信仰者」として自ら地上で働くカイルのことを、アクリラは心から敬い、労をねぎらい、カイルの罪の軽減さえもプレーナに熱心に祈っていた。そんな彼女と一緒にいると、カイルは自由を求めることがひどく身勝手なことのように思えた。
カイルが「これからはプレーナ教徒として地下でおとなしく生きていく」と告げたとき、テラリオはもちろん納得しなかった。アクリラがカイルをそそのかしたのだと思った。なんとかカイルからアクリラを引き離そうとしたが、それは逆効果で、テラリオがアクリラを憎み、カイルを取り戻そうとすればするほど、カイルの心はテラリオから離れていった。今ではもうテラリオは、こじれた関係に疲弊し、今はもうただカイルさえいてくれればいいと思っている。
「もういい、わかった」
テラリオはナイフをしまい、目をつぶり、苦渋の決断をするように眉間にしわをよせた。
「アクリラも連れ出せ」
テラリオはそう言うと、観念したようにうなだれて肩を落とした。
「俺はおまえを残してはいけない。おまえがいなければ俺の自由に意味はない」
「テラリオ……。おまえがそこまで言うとは思わなかった。でも正直どうしていいか俺にもわからない。アクリラの気持ちを考えると……」
「時間がないんだ」
テラリオはせっぱつまったように言う。
「時は来たんだ。今こそ、プレーナを倒す時だ。俺たちは自由になれるんだ」
「……おい、どうしたっていうんだ?」
どこか興奮気味で落ち着きのない様子のテラリオにカイルは戸惑う。
テラリオは口の端をねじあげてにやりと笑った。
「戦火の口火を切るときが来たってことさ」
テラリオは顔にかかる髪をかきあげて挑発的な目でカイルを見た。
「俺がここから生命の水をこっそり持ち出して、神帝国の人間に渡してからも、奴らは動くことはなかった。ただの水だと侮りながらも、力を秘めているのではないかと危ぶみ、慎重に現状を維持するだけだった」
「……どういうことだ? 生命の水を持ち出したのは、俺たちが本気でセーカを捨て、神帝国に身を売ろうとすることを信じさせるためだったからじゃないのか?」
カイルが言うと、テラリオは心得顔でうなずく。
「ああ、そうさ。だが、それだけでは神帝国の奴らは納得しない。本当の裏切りは、セーカから逃げ出すことじゃない。セーカを滅ぼすことに手を貸すということさ」
カイルは驚き、目を見開いた。
「……おまえは、狼神に人の心まで売り渡したか……」
怒りと非難のこもった声でカイルが言うと、テラリオは布を巻きつけた右の手のひらをじっと見た。
ミカイロの前で流した血は止まっていたが、傷跡は深く痛みも残る。
「俺はおまえとはちがう。狼神に取り込まれたりはしない」
テラリオは傷の痛む右手をぐっと握りしめた。
「俺は奴らを利用するために狼神の信徒となった。利用するためには利害関係を一致させることさ。狼神の使徒たちが願うことはただ一つ、封印の地に追いやられた狼神の復活だ。奴らは神帝よりも何よりも、狼神を追いやったプレーナを憎んでいる。プレーナを滅ぼすためなら神帝の力をも借りようとするだろう。プレーナさえ滅べば狼神が復活すると信じているからな」
「じゃあ、狼神の使徒と神帝国を結びつけるために生命の水を持ち出したってわけか」
「ああ、ミカイロも承知の上でな」
「ミカイロ……」
その名前に、カイルの表情が曇った。
ミカイロは今なお狼神信仰を続ける狼神の使徒たちの中心人物である。老主の支配を受ける狼神の旧信徒たちの影の支配者であり、セーカに配分される食糧も彼によって調整されている。裏では神帝国とも密接につながっているとされている謎の多い人物で、狼神の旧信徒でも彼を直接知る者はほとんどいない。
ただ確かなのは、ミカイロが狼神を狂信的に崇めていることだ。狼神に血肉を捧げるということで、今まで何人犠牲を出したかわからないといわれ、同じ狼神の使徒たちにも怖れられている。
カイルはテラリオに忠告する。
「テラリオ、ミカイロはおまえの手に負える相手じゃない。あいつの狼神への執着は異常だ。ただ単に狼神信仰最盛期の栄華を取り戻さんとする他の奴らとは、明らかにちがう何かがある。あいつは利害関係など考慮したりしない。自分の目的のためならどこまでも非道な振る舞いができる奴だ」
「だからこそ使えるんじゃないか。目的のため手段は選ばない奴だからこそ、異流の信徒にすぎない俺の意見も聞き入れる。すべては俺の計算通りさ」
テラリオはそう言うが、カイルは心配だった。すべてを知った上でテラリオを泳がせ、利用しているのはミカイロの方なのではないかと思えてならない。
「まあ何にしてもミカイロは動くぜ。計画を実行に移すことに賛同したんだ」
「計画?」
テラリオは、口を歪めてにやりと笑った。
「あの神帝国の少年を使うのさ」
「緑の髪のガキと一緒にいた奴か?」
「ああ、神帝国がセーカに攻め込むためのきっかけを作るための道具となってもらう」
「……テラリオ、何をする気だ?」
カイルは不安と困惑の入り混じる目でテラリオを見た。
「カイル、何怖気づいているんだよ。俺たちが異流の信徒となり、神帝国に近づいていったのは何のためだ? 自由を手に入れるためなら神帝国で生きたってかまわないと思ってやってきたんじゃないのか」
「ああ、そうだ。だが、神帝国からやってきた人間に何かあれば、俺たちの自由が保証されるどころか、まっさきに疑われるのがおちだ」
「向こうが自分から入り込んだんだろう? 俺たちは無理矢理案内させられただけさ」
テラリオはずる賢く笑って言った。
「あの神帝国の人間は起爆剤だ。次の満月の分配交換の場で死んでもらう。プレーナ教徒による侵入者への処刑ってことでな。神帝国の人間はそれを理由にセーカに一気に攻め込むことになるだろう」
「おまえ、一体何するつもりだ?」
カイルと同じくテラリオの顔にも緊張が走る。
「神帝国の奴らを誘導してやるのさ。仲間たちはもう神帝国に逃げ出す準備をしているぜ。最後の仕事として、セーカへと奴らを呼びこんだら、狼神の使徒たちに気づかれる前にすぐここを離れる」
「狼神の使徒たちは、神帝国にセーカを明け渡すことを納得しているのか?」
カイルは不安げに尋ねた。
「あいつらは、プレーナが滅び、狼神さえ復活すれば、神帝国を一気に滅ぼすことができると信じている馬鹿な連中さ。神帝国を利用するつもりが逆に利用されているとも知らずにな」
テラリオは嘲るように言った。
「とにかく」
テラリオはカイルに向き直った。
「もう時間がないんだ。次の満月の夜までに心を決めてくれ。いいな」
テラリオはカイルの目をじっと見た。強気な言葉とは裏腹に、その目は哀願するかのようだ。
カイルは目を伏せ、そのまま黙り込んだ。
テラリオは指先ですくいあげた糸に目を落とした。かすかに振動を感じる。
「とにかく今はここを抜け出すのが先だ。ここから出たらアクリラにもうまく言って一緒にセーカから離れるんだ。おまえさえここを出てくれるなら、俺はもうそれだけでいい……」
テラリオは苦しげに言葉を吐いた。
「テラリオ……」
カイルは手をのばしかけたが、テラリオはそれを振り切るように、元来たところを駆け戻っていった。
カイルはテラリオを追おうとしたが、緑の糸の先を追うように、アクリラが飛び込んでいった空洞の孔を振り返った。
そしてその孔から飛び出してきたヒラクを見て、すぐには声も出ないほど驚いた。
「おまえ……どうして……」
ヒラクはその場に仁王立ちして、カイルをにらみつけていた。
「今の話はなんだ。ユピをどうしようっていうんだ!」
ヒラクは神帝国の言語で言った。
「おまえ、全部聞いていたのか……」
カイルはさっと表情を変え、ヒラクを鋭くにらみつけた。
狭い空洞に緊張が走る。
張り詰めた空気の中、柱の中心にあるランプの炎が揺らめいた。
(登場人物)
ヒラク……北の少数民族アノイの長の息子と山の向こうの「神の国」から来た異民族の母との間に生まれた緑の髪の子ども。13歳。昔から川の神の姿を見るなど、人とはちがう能力がある。「神とは何か」の疑問を胸に、母が信仰するプレーナの正体を求めて、山を越える。
ユピ……ヒラクが五歳の頃、砂漠でみつけた神帝国の美しい少年。15歳。神帝国の言語を母語とするが、ヒラクと話すときはヒラクの母親の言葉である「禁じられた言葉」を使う。
老主……プレーナ教徒の教主。プレーナそのものとされる「生命の水」を与えるヴェルダの御使いと同じ緑の髪をもつヒラクが何者であるかを探ろうとし、老主の間で監視下に置こうとする。
ミカイロ……プレーナに背信する狼神を信仰する者たちの中心人物。
カイル……セーカの青年。アクリラのためにヒラクをアクリラの母親のところへ連れて行こうとする。
アクリラ……敬虔なプレーナ教徒であるセーカの少女。母親の病を癒すため、ヴェルダの御使いと信じるヒラクを地下へと案内した。




