世界の終わりにさようなら
「救えなかった! なにも救えなかった!!」
両手両ひざを床につけ、男は悲痛な叫びをあげた。
「また……世界が滅んでしまった。どうして、どうして!!」
悲嘆に暮れる男に対し、女は男の頭と肩を優しくなでた。
「これは神様が決めたこと。あなたが自分を責める必要なんてないの」
「だけど、僕がもっと神様の為に貢献していたら、この世界は終わらなかったかもしれない!!」
男は自身の無力さを嘆き、世界の終わりを眺めることしかできなかった。
そんな男を励ますように、女は柔らかい笑みを浮かべてささやいた。
「大丈夫、大丈夫よ。終わりがあれば始まるもある。世界が滅んでも、わたし達はいるんだから」
「だけど……」
男は女の潤んだ笑顔を見てはっと気付いた。悲しいのは自分だけじゃない、彼女も同じ気持ちだったということを。
「また新しい世界に旅立ちましょう。ね?」
「……そう、だね」
男は立ち上がり、前を向くことを決意した。
「ありがとう、さようなら」
男は最後にそう呟き、世界の終わり――
――スマートフォンに映っていた画面をそっと閉じた。
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