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短編集

世界の終わりにさようなら

作者: ゆきびし

「救えなかった! なにも救えなかった!!」

 両手両ひざを床につけ、男は悲痛な叫びをあげた。

「また……世界が滅んでしまった。どうして、どうして!!」

 悲嘆に暮れる男に対し、女は男の頭と肩を優しくなでた。

「これは神様が決めたこと。あなたが自分を責める必要なんてないの」

「だけど、僕がもっと神様の為に貢献していたら、この世界は終わらなかったかもしれない!!」

 男は自身の無力さを嘆き、世界の終わりを眺めることしかできなかった。

 そんな男を励ますように、女は柔らかい笑みを浮かべてささやいた。

「大丈夫、大丈夫よ。終わりがあれば始まるもある。世界が滅んでも、わたし達はいるんだから」

「だけど……」

 男は女の潤んだ笑顔を見てはっと気付いた。悲しいのは自分だけじゃない、彼女も同じ気持ちだったということを。

「また新しい世界に旅立ちましょう。ね?」

「……そう、だね」

 男は立ち上がり、前を向くことを決意した。

「ありがとう、さようなら」 

 男は最後にそう呟き、世界の終わり――


 ――スマートフォンに映っていた画面をそっと閉じた。


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 スマホファンタジー サービス終了のお知らせ。


 平素より『スマホファンタジー』をご利用いただき、誠にありがとうございます。

『スマホファンタジー』は2018年1月28日(日)12時をもってサービスを終了いたしました。

 1年間という短い期間でしたが、ご愛顧いただき誠にありがとうございました。

 開発運営チーム一同、心より御礼申し上げます。


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