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言葉が崩れた時  夏が・・・ (2篇)

作者: 武田道子
掲載日:2017/07/28

言葉が崩れた時



おしゃべりは嫌だ

蜂の巣を突いたように

不気味な唸り声が

頭の中で弾ける



耳障りなおしゃべりは

耳の奥で反響しこだまする

鼓膜の壁に突き当たり

こっぱみじんに砕ける



意味のなく

吐き出される言葉が

ガラガラとミキサーにかけられ

一瞬のうちに

ドロドロとした不味い

洗脳食に変わってしまう



喧騒の中で

吐いて捨てられた言葉は

空気の中で一瞬に

消えてしまう

ただ人の耳と心に

汚物を残して



***  ***  ***


夏が・・・・  


にぎやかな祭りのあとのように

真っ暗な空を鮮やかな花でいっぱいに飾った花火が消えた後のように

大きな綿菓子がしぼんでしまったときのように

夏はもういない


日差しは強くまばゆいのに

アスファルトは歪む大きな鮫のような口を開け

ゆっくりと蛇のように

夏を飲み込む




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