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ダンジョンリザード・ライジング  作者: 藍色ノ鰐
二章 『砦町と魔王と森とダンジョン』
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36話 「俺の塩」

木々を掻き分け猛スピードで進むルミア。


(なあ、ルミアちゃん。湖に着いたとして…どうやって魚を?)


ごく当たり前なことを今更ながら思った。


「え~っと…釣る?」


ああ、とても普通な答えだ。

しかしながら、釣るとしたらどれほどの時間を費やすことになるだろうか…

おなかすいてる方々だらけなんだよなあ…

俺も、空腹感は相変わらずだが、食事は摂りたいね。


魔物をかじってきたのはノーカウントでお願いします。

アレを食べたといったら…まあ、ベルリをかじったことになる。

魔物の姿だったとしてもあまり想像したくない…。


『あら、リューくん。

スゴイ想像してるわよ…ちょっと、グロイわね。』


OH!グロイだって!?

そ、そりゃあ…食と言うものはそう言うものなのさ!

他の生き物を食らうとはそう言うことだ!


(生き物なんだ。

食というものはな、他の命をもらうことなのだよ。)


『それっぽく言ったって…まあ、仕方ないわね。

でも、生き物?』


(っ!?)


そ、そんなぁ。生き物扱いしてもらえないのか…俺。


『それはさておき…ルミちゃん。紐ある?』


「ん。あるよ~。」


『そう、それは良かったわ。

僥倖だわ…。リューくんが活躍できる!」


紐で活躍?

ま、まさか!?


(え、餌にするつもりだな!

ルアーみたいに!疑似餌みたいに!)


釣りをするにも餌が必要だからね。

まさか俺が餌になる日がこようとは。


『違うわよ。湖に投げ込むのよ。

石に巻きつけてね♪』


(…え、それの方が残酷に聞こえるのだが。)


「名案ね!おにーちゃんが潜ってお魚ゲットするのね?」


え~名案とか。

潜ってゲットとかめちゃくちゃな…


『潜って…そうね。

まあ、底のほうから吸収するってとこかしら…。』


沈められる事実には変わりない。

俺の扱いはなんなんだよ…。


『ん?リューくんの扱いは、ダンジョンよ?

自分でも自己紹介のときはダンジョンだと言うじゃない。』


まあ、そうだね。

この不思議ボディーはそうとしか言いようがない。

人ではないよな…。


『それじゃあ、納得した所で説明するわね。』


あれ?納得したことになるのか。

まあいいや、俺が何か言った所でしょうがないよな…。


『リューイチさん。後でよしよししてあげますから…。

あまり気を落とさないでくださいね?』


うぐ…ウナがやさしい。

でも、よしよしかぁ…


「ぶー!私だってよしよしするんだもんっ!」


ちょっ、今ですか!

視界がぶれる!

景色が歪む!


『ちょっと!ストップ!ルミちゃんストップ!』



ゴスッ!



「あだっ!あれ、あんまし痛くない…。」


かなりの勢いで岩にぶつかった気がしたが…

外傷はなく平気なようだ。


落っこちた俺はルミアの姿を見る。


おうい、首が変だよ?

腕も変な方向向いてるんだが…


「あ、あれれ~私。おかしいよ?」


『…。順応能力は高いわね。

一度おかしくなっちゃったからかしら…。』


複数の殺気に当てられたことにより心が壊れてしまったから?

なんとも複雑だね。

まあ、もうすでに死んじゃってはいるのだが…。



ごきっ!


みしっ!


ぺきっ!



おおう、自動回復というヤツか?

なかなかのホラーだぜ?

目の前で見るのは堪えるよ。


「うわー。私、やっぱり死んでるのね。

それがよくわかったわ。」


冷静ですね。

そして、何事もなかったかのように俺を掴むと定位置に乗せた。


『もう、周りを見なきゃだめよ?』


「はーい。」


これで済んじゃうファンタジー。


『まあ、私も同じだ!リューイ君。

何かと慣れるものだよ。』


ソール…。

まあ、初めて遇ったときはおなかスプラッタな騎士様だったからな…

その後の戦闘でも首やらなんやらと…


慣れとは恐ろしいね。








イル 『はあ、騎士様もルミアも魔物なんだよな…

それも、リビングデッドとは…

摩訶不思議な。』



ニナ 『アタイらもダンジョンにいるということは魔物扱い?

あ、でも…客人として入ってるのか…。

ふうむ…不思議な感じっすね。』



サミ 『く~ん。おなかすいたんだな。』



マイペース!



純太郎 『まあ、おれも魔物だ。気にすんな。』



ヴォルキン 『ああ、そうだな弟子共々魔物だ。』



ゴルト 『いいじゃねえか。俺なんて魔王だぜ?』


善子 『あたしゃゴーストだけどなっ。』



それもそうだな…。

イルマなんて簡単には動じないもんな。

俺が気にしすぎなのだろう。

うん。



イルマ 『私も…リューイさんをなでなでしたいです!』



ほら、マイペースで動じない。

慣れってやつは恐ろしいよな?






















そして、湖に着く。


(それで、キュベレ姉さん。俺はどうすればいい?)


今から石にくくりつけられるわけだが…

呼吸はしなくていいとのことで。

元よりしてないでしょうといわれたし…

まあ、呼吸している気がしないのは事実なんだがね。


『まあ、ダンジョンだから…』


その言葉で済まされるようになってきました。


『簡単よ。魔力でも魔素でもいいんだけどね…

そうね~リューくんのイメージを借りるとすればね。

空きビンを水に入れるでしょう?

そして、水中で蓋を外すのよ。

すると~水が勢いよく、ね?』


あ~理解した。

俺がそのビンの口になるわけか…


『レッツチャレンジ!

さあ、その石を結んじゃいなさいルミちゃん!』


「はーい。」


ぐるぐると巻かれ…


そして、投げられた!


『クオっ!』


やべー久しぶりな気がするが…

トカゲな本体が鳴いた。


おおう、思ったより深いな…

だが、ぐんぐん沈んでいく。


そろそろだな…


イメージして、一時的な口となる。

繋げるのは貯水槽的な部屋。


後々は水を移動させて色々と便利な風に…


こんなこと考えてる時点でダンジョンなんだよな…俺。


おお~大きめな魚やらカラフルなヤツまで。

カニみたいなのもGET!

たのし~な。


ん!?


ネコ?


まずいまずいまずい…


ヤバっ…


その行動が逆にネコを…



噛んじゃった。食っちまった。


ああああああ!やっちまった!


俺は、ばたばたと暴れ、石と紐を解くと即座に水面へと急ぐ。



そして、ルミアが待つ陸地に向かった。




『おいおい、竜一。湖の底に投げられてなんでケット・シーをGETしてるんだ?』


マジかよ。






















「にゃーはニャルマーにゃ!」


本体は湖の岩場に放置。

ルミアを回収してみんな会議室にいる。


そして、現在。

ケット・シーのニャルマーさんが自己紹介したところである。


その後にみんなが挨拶していく。





「アネサン。この子…」


「ああ、そうだな。逃げなかったんだな…

結果、ある意味魔物に襲われた?

いや、ダンジョンに食われたか…。」


あら、獣人さん方はご存知のようで。


「にげてね~っていったよ~これはしかたないかな、な。」


「にゃーはすろーらいふを継続したんだにゃ。」


サミさんとニャルマーが向かい合ってお話中。

うぐ、かわいい…。

だが、それとともに噛んだ時の感触ががが…。


「リューくん。気にしすぎよ。

不可抗力だったの。

不慮の事故だったのよ。

ニャルちゃんは気にした様子もなく

アレだけ元気なんですもの…

気にしてるほうが疲れちゃうわよ?」


うーむそんなもんかね。


ただ、なんと言いますか。


俺にちょいちょい熱視線を送ってるんだよね。

よだれをたらしながら…


食われるんじゃないかと思うほどに…

まあ、俺のほうが先に食っちまったわけだが…


「にゃーにゃー。あの人族…見てるだけでよだれが…」


「んー、確かにいい匂いするよね?」


「サミもそうおもうにゃか?

でも、それとは別ににゃんというか…

えっちー気分になるんだにゃ…

にゃーにゃー。味見とか、だめ?にゃ?」


「んー。どっちの意味で?」


え、なんか怖い。

ギラギラしてますよ。


「もちろん、オスとメスが『にゃーにゃー』なのにゃー!」


「っ!?オープンだね…。」


「にゃーは美女でないすばでーなきゅーるびゅーちーにゃ。

オスならその魅力にあらがえにゃい!

見よ!このポーズ!」


ああ、雌豹のポーズってやつですね。

ですが、ネコが二足歩行の状態だったのが普通に四足になっただけな気が…

退化ですね?

いや、ある意味野生的になったということか?


「はあはあ…だいじょうぶにゃ!

自信がなくても、てんじょうのシミを見ていればにゃーががんばるにゃ!」


おうい、天井にシミなんてないぞ!

にゃーが頑張るって何を頑張るつもりだ?


「リューくん。反応してるわよ?」


っ!?し、静まれ!俺の俺!


「お兄さん?ボクとウナがいるんだ。

我慢しなくていいんだよ?」


ジャックくん。その手の動きはやめなさい!


「ぬ、にゃーがイイコトするにゃ!

野生の感が、にゃーのハジメテの相手に相応しいと教えてくれているのにゃ!

だいじょーぶ、いたくない、いたくにゃいよー!

はあはあ…ごくり。」


そ、そうだ…お腹がすいてるから正常な判断ができないんだ!

イメージ!イメージ!


おおうっ!

にくきゅうふにふに…

触っていたい…触れていたい…やべー思考がとろける。



がしっ!



「ふ、ふふ…妖精さーん!

ふふふ…ふさふさ~♪」


「にゃっ!?にゃにするにゃ!

にゃーは今から、リューにゃんとにゃんにゃおーんを!

ふぁっ、にゃっ!

ちょ、そんなとこまで!?

あ、あ、あ~!!!」


イルマに摑まったニャルマーはただひたすらもふもふされている…。

いいなー。

後で撫でさせてもらおう。


今のうちにイメージ。



ポ~ン



<リューイのダンジョンに『食堂』が追加されました。>



ポ~ン



<リューイのダンジョンに『厨房』が追加されました。>




よし、では…。


「みんな、食堂に移動してくれないか?」


料理は俺のイメージで今回は用意することとする。



食堂はなんと言うか…定食屋?

でも、何だか懐かしさがあるな。


「わー広々ー。」


「久しぶりな感じだぜ。定食たのみたくなるな…。」


「あたしゃーAセットで!」


善子さんがたのんだ、Aセットの中身が気になる。


「まあ、出せるのは…魚の塩焼きか、カニの塩焼き、塩釜焼きだろうな…。」


「「塩?」」


「ああ、俺の塩だ!」


「ちょ、リューくんその言い方はどうかと…。

目の色が変わった子がいるわよ?

ギラギラしてるわよ?」


そう言われてもな…

ダンジョン内での生成が可能なのが塩なんだよな。

それも、『リューイのダンジョン産:塩』

と表記されるんだから…俺の塩…だろう?


鉱物として扱われているのかね…。


「まあ、あなた達がイメージしてるのとは違うだろうからよだれを拭いなさい。」


「えー、リューにゃんの味がするんじゃにゃいの?」


「そうよ、おにーちゃんの味がするんでしょう?」


「ウナは塩だけおかわりしてみせますよ?」


不健康だよ!

そして、不健全だよ?


「ま、まあ…ただの塩だと思っといてくれ。

それに、摂りすぎは体に悪いぞ?」


「「「はーい」」にゃ」


それじゃあ、生成しますかね…。


イメージ。


やっぱ、木の棒にさしたあの塩焼きを思い出すよな~


すると、机の上に皿やらコップ、魚の塩焼き等が現れる。


「ほほう?リューイチ、すげーじゃねえか。」


「ああ、私も料理を今からするのかと思っていたよ…。」


「そんじゃ、腹ごしらえしますかね…。

いっただっきまーす。」


「ほう?その言葉久しぶりに聞いたな…

では、私もいただきます。」


そして、食事が始まった。

食材の減るペースはえーな。

こりゃ、また湖に行かなきゃダメか?


「ねえ、リューくん。

他の子たちも呼んであげたら?」


それもそうだな、ガーオルとベルリも呼ぶべきだろう。


「その二人もだけど…

元ダンジョンマスターとスライム、それにステファニーちゃんだっけ?」


あ、すっかり忘れてたや…。

話を聞く予定だったな…。


彼らとてお腹はすくだろう…

いや、もしかしたら俺みたいに食欲が無かった可能性があるにはある。

今は、自由の身だ。

おいしい食事も摂りたいだろう。


「それじゃ、呼びにいくよ。」


「わたしもついていくわ。念のため、ね?

精霊としての力が必要な可能性を考えて。」


心強いね。

ダンジョンの精霊様がついてくるなら。


「それじゃ、皆は食事を続けていてくれ…って、聞いてないなぁ。」


「ささ、食べ物がなくなっちゃう前に行きましょ?」





俺はキュベレ姉さんに背中を押されながら食堂を後にした…。






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