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ダンジョンリザード・ライジング  作者: 藍色ノ鰐
二章 『砦町と魔王と森とダンジョン』
34/44

30話 「金髪エルフと転生ドワーフ?」

キュベレ姉さん「ドワーフね。」


ウナ「ん、ドワーフです。」


ヴォルキン「ほほう、ドワーフだな。」


イルマ「珍しいですね~半透明なドワーフですよ。」



なあ、イルマよ。半透明って時点でどうかと思うだろう?


「へ、あ…確かに。お亡くなりになられたのですかね。」


冷静すぎるな、俺でも言葉が出ないくらいだったのに…


『で、誰?あんたら。てか声聞こえるけど、阿修羅な感じのライダースーツ女しか見当たらないよ?』


おや、ライダースーツをご存知で…


「ズッシリ大将軍といやぁ確かどっかの城をモチーフにして、それをそっくりそのままに顔と手足つけたような見た目の大型ロボだった気がするんだよ。『ヒーロー集団・大名ジャー』だったか、小学生くらいの頃にやってた気がするぜ!」


時間のずれ方に違和感を覚えるが、俺の記憶が正しければ幼稚園の頃かな…

買ってもらってダイニングで遊んでいたのを思い出す。

もしかしたら庭の倉庫の中にあるかもな、ズッシリ大将軍。


「その将軍様の事は置いといて、彼女に色々聞いてみたいわね。」


キュベレ姉さんには分からないよな、特撮ヒーローって言われても。


『な、なにさ!もっと話してもいいだろ?

あっちの世界の話ができる相手に出会えるとは…死んでてよかった?

いや、こういう場合は普通生きててだよな…まあいいさ。

語ろうぜ!ヒーロー・ライダーのほうでもいいぜ!

なっ、なっ!

女がこういうの好きなのはあれなのかも知れねーけどヨ、合体ロボとかテンション上がるよな!

モードチェンジとか、キラキラするよなっ!なっ!』


凄いテンションだ。

ヒーローモノと言えばアイドルに目が行く女性も多いことだろう、だが彼女はロボやギミックに惚れこんでいるようだ。騒がしい…


「それじゃあ、転生者なわけだな…その、ズッシリ大将軍はお手製?」


確かに、気になる。持って来たということは無いだろうが、作ってもらったのかどうかは怪しい。


『おうよ!ドワーフに転生したおかげで細かい装飾までばっちり!

自分でオリジナルもこのとおりっ!

手も足も可動式なんだよ~試行錯誤の末辿り着いたんだ!

なっ!熱く語ろうぜ!

こっち来る前の特撮ヒーローの話もOKだぜ~!

この善子、想像だけでも白米3杯はいけそうだ!いや、ここいらだと堅焼きパン3個かな?』


ヨシコさんね…。なんだろう、才能の無駄遣いを感じる。


「リューくん、ジュンくん…転生者ってこんなはじけてるものなの…あ、でも。

この才能は使えるわね、面白い武器を作ってくれるかもしれないわ~

まずは引き込みましょう。

簡単よ、扉を閉めて、この部屋に魔素を充満させてから彼女がとり憑いているその将軍様を回収すればいいわ。」


なるほど、その言葉を聴いてロッカさんが扉を閉めた。


壊れた台の上にトカゲな本体が置かれる。


そして、魔素を部屋に充満させて、志向性を与えた魔素でズッシリ大将軍に触れて回収した。















「あ、お?こりゃ~凄いね!どういう仕組みだい?見るからに天井についてるの蛍光灯だろ?」


ああ、それね。蛍光灯に見えるが、魔石が使われているらしい。キュベレ姉さん曰く似せることはできるが、そのものを作ることは流石にできないとのこと。技術の違いだね、電気か魔法かの違いだが、世界の違いでもあるということだ。


「なるほど~。で、そこの短髪君?と、ワイルドなお兄さんが転生者だね?だろう?ですよね?ですか~?」


そう、俺もアレだが純太郎の姿も人の時なのだよ。

簡単に言えば髪はツーブロックでキメている。

服装は黒のレザーパンツ、灰色のタンクトップとなかなかなマッチョなお兄さんである。

だが、裸足。


「おれとしてはこの姿に違和感があるぜ?こっちでは皮の鎧とか胸当てくらいつけてたんだがな。」


「そう、そうよね~。ヒーロー的なスーツ期待した次期もありました。」


しきりに頷く焦げ茶色のボサボサヘアーな女性。小柄だが、胸がなかなか…

見た目年上だろうか?ただ…



πスラッシュってご存知かな?



下はデニムのパンツにやはり裸足。

上は赤黒白のチェック柄のシャツ、中は無地の白。

そしてその二つを/(スラッシュ)している、まごうことなきショルダーバッグ。

正面からでもインパクトがあるぞ!


イ、イルマ!そんな目で見るんじゃない!怖いぞ!


「いや、さすがにアレは無いわ。」


「なんですとっ!色事のオリジナル武器とかでも有り有り?」


純太郎の発言に食いつく。ヒーロースーツはぴちぴちな感じがして俺もイヤだな。


「いや、おれ武器はもたねぇ主義だったからよ、籠手だけだわ。」


「そ、そうなると…籠手から剣が出たり!鉤爪が出たりするんだな!このヤロー!」


「それも無い。ただ、魔力を溜めておけるように魔力がカラの魔石が内蔵してあっただけだぜ?」


そうだよな、何かしら凄い籠手だとは思ったが魔石が内臓されているとは…


OTZ


「なんでだい?なんでなんだい?せっかくの異世界だろ?はじけようぜ!なっ?なっ!」


うわ~この人用の部屋あげた方がいいな…そこに入れといてあげよう。一人の世界の方がいいと思うんだよ。


「そ、それだけは…。ただでさえ変人?いや、変ドワーフ扱いされてこんな場所に住んでたんだぜ~お情けを!おしゃべりするお情けを!」


俺のズボンにすがりつく善子さんは必死だった。


てことは、ここの集落はのけ者達が住んでいたと?


「どちらかといえば厄介者や面汚し者だろうさ…。」


ちょ、そんな泣きそうな顔しないでほしいな。


「大丈夫、善子さん用の部屋ってのはあれだよ、好きなものが作れる工房みたいにするつもりだからさ?」


「あ、ありがど~。で、ぎみだえ?」


「あ~俺は竜一。このダンジョンそのものであり、ダンジョンマスターでもあるダンジョンメイカーさ。もう一人の転生者の名前は純太郎だ。」


首を傾げるよな、そりゃあ「ボク、ダンジョン!ヨロシクネ♪」などと見るからに一般人が発言するんだぜ?


「あ~はいはい。ダンジョン、ダンジョンね~。御伽噺じゃないよね?」


残念、現実です。てか、さっきまで死んでいたあなたはどうなる?


「あ、そうだった。死んでたんだね。狼みたいな変な魔物?が急に現れてね。

一番偉いやつはたすけを~とか言って走って逃げたが、間に合ったものかね。

他の連中、まあ私も含めてだけど…小屋に逃げてやり過ごそうとしたのよね。

おかげさまで肉一つ残らなかったはずなんだけど…ズッシリ大将軍のおかげでたすかった?」


疑問系だよな。幽霊になっちゃったでは助かったとは到底思えないもんな。


狼系の魔物ね…。


「もしかしたらだけど…何者かが魔素溜まりでも作ったのかしら。

それとも、森にダンジョンの入り口を設けた可能性もあるわ。

調べて回ったほうがいいかもしれないわね。」


「「…。」」


おや?キュベレ姉さんの話でヴォルキンさんとゴルトのおっちゃんが黙り込んでしまった。


2人の過去になにかあったのだろうか?


「師匠…。もしかするんですね。」


純太郎は何か心当たりがあるらしい。


「あ、ああ。アノ日のことを思い出してしまってね。急に姿を変えた森の事を、急に魔物化した森の動物達を…あの巨大イノシシを狩った時点で…う、ううう。」


「ヴォルキン、俺もあの時は何もできなかったんだ…

あの時点でどうにかなっていたとは思えねえ…。

ただ、あれは災害ではなく、何者かによることが今の精霊様の話で分かっただろう?

それと同じことを続けているクソやろーがどこかに居るんだよ!

この与えられた期に…やってやろうじゃねーか!」


「…エナ。それに名をつけてあげれなかった息子よ…。どうやら私に神様が機会を与えてくれるそうだよ。良い知らせを待っていてくれ。」


そう言って遠い眼をするヴォルキンさん…過去にそんなことが。


「でも、見つけられるとは限らないわよ?こういう森を用いたダンジョンの厄介なところは、森渡りができることなのよ。簡単に言うとワープ?だから厄介なのよね…。」


森渡り?


「そう、いわば小さな扉をつないで他の近場の森と認識できる場所に入り口を展開できちゃうのよ。だから、どのくらいの規模になっているか分からないわ。」


それはまた厄介そうな。誰がそんなものを?


「どれくらいかまえのダンジョンマスターよ。

地下を掘るような真似はせず、ただひたすらサブのコアを生成してね、次から次へと場所を転々としていたのよ。

その技術を誰かが利用したんでしょうね。

だって、そのダンジョンマスターは最後は自分が用意した森のダンジョンで制御できなかった魔物たちの大群に食べられちゃったの。

その大群の魔物はダンジョンマスターを食べた所為で厄介だったから、私の加護を受けた子が2人がかりでどうにか滅したの。

あの光景は分体蜘蛛ちゃんから見せてもらったけど…気持ち悪かったわ。炎特性持っていてくれて助かったわね。」


そう言いながら二の腕をさするキュベレ姉さん。


「はいっはいっ!その物語は知ってます。ダンジョンマスターが関わっていたのは知りませんでしたが、『動く森へ~火炎魔道王とその従者~』というお話ですね。」


キュベレ姉さんの話に反応するイルマ。だが…


「実は従者ちゃんのほうが凄かったんだけどね。目立ちたくないとのことで、火炎くんに手柄全部あげちゃったのよね。」


ちなみに動く森って?


「…。緑色の昆虫魔物、大群そのものが動く森と称されたの。うう、鳥肌立っちゃった。」


うわ~想像してしまったが、どんな虫であれ森と見まごう程の大群となると恐ろしいな。


「うひい!虫は苦手だよ!ヒーロー・ライダーのメカメカっとした外見ならいいんだがね。」



その怖がるヨシコの姿は…ダンゴ虫みたいだった。





「ん?敵意、来るよ。」


ウナが何かをとらえたらしい。凄いな、ウナ!


「えへへ~リューイチさんに褒められちゃいました♪」


ダンジョンでもウナの感知は優れていたがこれほどとは…


『むむむ…ワタクシのほうも気配を…殺気立っていますよ。どうなさいますか?』


小屋に佇むロッカさんもどうやら感じたらしい。殺気立ってるって魔物か?


『魔物ではないです。獣に近いですね、あまりまともな輩ではないかもしれません。人っぽいのに…』


ならば、無力化かな。捕獲できればいいけど…無理そうならしょうがないだろう。

ある意味ダンジョンにご招待だ。


「ロッカさん頼んだ。」


『イエス、マスター。ふふっ、言ってみたかったんですよねこのフレーズ。ではっ』


そう言うと扉を開けて出て、そして閉めてから走り去っていった。




















◆プライド高き狩人・ルミア


あのクソ親父。何が助けてだ…

変わり者村の管理について日々グーたらの生活をしていたくせに…ハゲめ!


変人どものためになんで私が!確かに私は早いし、弓術に長けているからはなれた場所からその狼みたいな魔物だって狩れちゃうに決まってるもの。


私の速さに他のやつらがついてこれるわけないんだから!

まあいいわ、さっさと済ませて帰ってしまいましょう…。








いないわ、何よ。ムカツク、ムカツク、ムカツク~

何でもいいから獣でも狩って証明すればいいんだわ。

ただのクソ親父の勘違いでしたーって。


ん?変人どもは誰も居ない?

爪あとに…それに血の乾いたあとも…

ふ…ふふ、怖くなんてないわ。


物音…誰か居る?まさか魔物?


私はすぐ近くの木に上がり気配を探る…


は?あれは、シュラ族?

いえ、違うわね…ふんっアレを殺して祭り上げれば私に箔がつくわ!


そう思い、私は矢筒から3本矢を取り出す。

番えると引き絞り…気味の悪い六本腕のナニかに放った。



しとめたっ!馬鹿なやつね!

矢の行く末を見ながらふと思った…だが



「んん~?遅いですね~こんな棒切れじゃどうしようもないじゃないですか。

速さで言ったらソール様やジュンター様、そしてワタクシ相手では雲泥の差?月とすっぽん?

まあ、しょぼいですね。」


その腕一本の手に三本とも矢が握られており、残りの五本が私に伸びていた。


私の速さがしょぼい?そんな、そんなはずはないわ!

私は村一番よ、下手したら町でも上位の速さなのよ!

うそよ、嘘に決まってるわ!


そうだわ、幻術よ!私の目をごまかしたのね!

この卑怯者!

実力で勝ってみなさいよ!

誇り高きエルフのルミアに実力で!


「どうやら見ていた世界が余りにも小さかったのですね、かわいそうに…。

ですが、殺意をもって矢を放ったアナタには残念ながら…えいっ!」


間の抜けた声と…ゴキリと私の首から聞こえて…見える景色が上下反転して…


私はどうやら死んだようだ…


卑怯者、卑怯者、卑怯者おおおお~!!!


殺してやる…




そして、世界は真っ暗になった。


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