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ダンジョンリザード・ライジング  作者: 藍色ノ鰐
一章 『ダンジョンから始まる異世界』
3/44

3話 「MPは5です。」

「では、お父様の元に向かいましょう!」


(・・・はい?)


この子は突拍子もないことを。


(あの~イルマさん?キミのお父さんがいる所とかは・・・)


「あ、イルマとお呼び下さい。

あ、えっと私とお父様は悪い人たちに追われて一緒に逃げていたのですが、お父様が途中で怪我をなされて一緒にこの場所にむかうとなると追っ手に追いつかれてしまうと。私だけを逃がしたのです。

そして、精霊様いえ、守護者様を呼び出せばまた会うことができると・・・。」


(呼び出しただけでどうにかなるものなのかな?)


「『すぐに会えるかはわからないけど・・・きっとまた会えるから。』と仰っていました。」


(うん。それは自力でどうにかしないといけないな・・・。

せめてイルマのお父さんが捕まったりした場合どこに連れて行かれたわかればいいんだけどね。)


少女は少し涙眼になる。すかさず・・・


(ほ、ほら俺はこのとおりトカゲだしさ

場所さえわかれば狭いとこやら監視の目を欺いたりしてさ、捕まってるイルマのお父さんを助け出せると思うんだ。)


「は、はい。そうですね。捕まってるかどうかはまだわかりませんが、

その時は・・・その時は・・・うう、お父様ぁ~」


まいったなー。この感じからしてお母さんはいなさそうだな・・・。

唯一の心の支えが父親だったのだろう。

それに比べ俺は先ほど呼ばれたばかりの普通?のトカゲ・・・。

いや、明らかに普通ではないな。


(あ、えっと込み入ったことを聞くようだけど・・・イルマのお父さんはすごい人なのかい?)


「うう、はい。自慢のお父様です!なんと言ってもご自身で魔法書を書かれるのです。

インクに自身の魔力を乗せて書き上げないといけないので魔力の保有量も並外れておいででした。」


少しは落ち着いたかと思ったが自慢話に華が咲いたようだ。

父親に対する尊敬の念が伝わってくる。

にしても魔力ね・・・魔法書って言ってるしこの世界には魔法とやらがあるのか。

とりあえずそれとなくイルマに聞いてみるか・・・


(魔力の保有・・・か。ふむ、ちなみにイルマはどのくらいなんだい?)


「私は、住んでいた村のなかでは高いほうでしたがお父様と比べると全然。

それに、トカあ、いえ、リューイさんのHPのこともありますからあまり自信が・・・。」


(それでも、さ、知りたいかな。

あ、後さっき目が光ってから驚いていたようだけど何をしたのかも知りたいかな。

急に「HPが~」って驚かれてこちらとしては意味がよくわからなかったからさ。)


「申し訳ありません。では、私の魔力保有量(MP)は375です。

村の方々は100あるかどうかでしたし、おじ様たちは250前後でした。

お父様は、900に届きそうなほどでしたので、村の外の世界を知らなかった私としては今までの価値観が心配です。」


(なるほど、ちなみに俺の魔力保有量はどのくらいなのかな?)


「ご自身で見ることはできないのですか?」


(いや、呼ばれたばっかりでさ、あまり把握しきれていないんだよ。

それで、目が光ったことについては)


「ああ、あれは観察の魔眼で診たのです。

魔力を10消費して自身の目に魔法をかけたのです。

では、MPを診ますので使ってみますね。

このように。て・・・・・え?」


(ほうほう、なるほど光って見えたのは魔力なんだね。

で、「え?」ってどういうことかな。)


「いや、なんと言いますか。魔力視をお持ちなんですね。

っていう驚きと・・・魔力保有量の表示がちょっと・・・。」


魔力視?光が見えるとそうなのか?


(魔力視は魔法の光が見えるということかい?)


「はい、厳密に言うと魔力の指向性を認識できるといったところですかね。

空気中に存在するマナや体が保有しているままの魔力は見えませんよね?」


(ふむ、マナと呼ぶのか。確かにそんな風には見えないな。)


「ですよね、そこに何らかの動作が加わることによって、空中で形を成そうとしたり、体内から消費したりする時の魔力の流れ出る場所を認識することができるのが魔力視ですね。」


(ほほう、博識だね~。)


「あ、いいえ。家にあったいろいろな本やお父様からの知識ですよ。

まあ、ひたすら本読んでいたから観察の魔眼を取得できたのは事実ですが。」


(やっぱりイルマすごいじゃないか~)


「えへへ~。」


照れる動作も愛らしいな。


(それで、俺の魔力の保有量の表示が何かあったのかな?)


そういわれてイルマは思い出して慌てだす。


「あ、えっと、あっと、ですね・・・。」


(ん?HPの時のようにすごかったのかい?)


「あー。聞きたいです?」


(そりゃあ、ね。わからんことだらけだからさ。)


「で、で、では、言いますよ。」


(お願いします。)


「・・・・・5です。」


(・・・はい?小さくてよく聞こえなかったヨ?)


「ですから・・・・5です。」


(あー。観察の魔眼の消費量は10だよな。

それを踏まえてワンモアプリーズ!)


「MPは5です。」


(おお~5か、5なのか・・・。マジデスカ?)


「あ、6になった。

という事はリューイさんはMPが0

即ち空っぽの状態で呼ばれたのだと思います。」


(あ、ああそうなのか。てっきり役立たずかと。)


「そそそんなことはありませんよ。確かに診た時は大丈夫かなーって心配にはなりましたが。」


(なっ、まあそういうことならもっとマシな可能性はあるか。)


「ですです。回復はしてるようですからね。」


とりあえず希望を持とう。うん。


(さて、聞いてはいなかったが、やはりイルマのお父さんは魔法書関連で追われたという事でOK?)


「おーけ?おけー?」


(・・・。魔法書関連で追われたという事でいいのかな?)


「だと思います。急に家に来たかと思ったら、協力しろだの付いて来いだの

荒々しい言葉使いでした。何か書いてほしい書があるならちゃんと予約等してくださいと言って聞かせたんですがね。暴力で訴えだし、室内にあった机や椅子を叩き壊しちゃったんです。」


(酷いな、横暴すぎる。)


「はい。流石にまずいと思い『ついていくにも道具の準備がある』とお父様が説得し、昼過ぎには準備ができると伝えてその場は引いてもらいました。その後、必要最低限の準備をして隠し戸から逃げ出しました。」


(そして、そのことがばれた訳か。)


「そうなんですが、追いつかれそうになったところで足止めのために魔法書を使いました。

足止めはできたのですが、その時にお父様は怪我を・・・ううっ、私を庇って・・・。」


(ああ、ごめんよ。辛いこと思い出させてしまって。)


「うう、いえ。そ、そして距離を稼いだかと思いとりあえず身を休めることにしたのですが、

お父様がこの本があれば一人にならないからと。

だが、そのための場所に一緒に行くのは厳しいとの事で別れたのです。」


(ありがとう。教えてくれて。今の話からして、イルマのお父さんにすぐにでもどうしても書いて欲しいものがあったんだろうね。イルマはそのための人質になりかけたと、そしてこの場に導かれ俺を召喚したと。)


「そのような感じだと思います。」


(そして今は、俺を召喚できたからお父さんのもとへと向かいたいわけだね。)


「そうなります。」


(ちなみにこの場所は?)


「え、っと途中途中石畳で舗装された一本道の洞窟?だと思います。」


(だと思うって・・・。何かあったのかな?)


「いえ、リューイさんが現れてからなんだか場の雰囲気といいますか、気配といいますか

入ってきた通路も少し違った感じを受けるのです。」


(そ、それは心配だね無事にこの洞窟?から出られるといいけど。)


「入り口からここまでは確かに距離があったような気がしますし、通路は少し薄暗かったので確かに心配ですね。」


(とりあえず、ここにずっといるわけにもいかないからね。ひとまず出口を目指そうか。)


「はい。そういたしましょう。少し小腹も空いてきたので外で木の実等をいただきたいです。」


(おおう、木の実ね。了解。)


「あ、肩にお乗りになります?時間かかりそうですし・・・」


(お、オネガイシマス。)


この空間にずっといるわけにも行かないし、流石にこのサイズだと時間かかるからな・・・。

まさか少女に肩車?されるとは・・・。





「ん~何か忘れているような気がするんですけど・・・。

歩いていれば思い出しますかね。」





おうい!なんか心配になる発言が・・・

何も起こりませんように・・・

次回、ついに戦闘かな

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