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ダンジョンリザード・ライジング  作者: 藍色ノ鰐
一章 『ダンジョンから始まる異世界』
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2話 「リューイ」

『クォっ!』


うむ、我ながらなんと言うか・・・。てか痛い。急なことで頭が、理解が追いつかなかったが、まさか投げ捨てられるとは。そして投げた本人は


「え、あ、あぁ~ごめんなさい!ごめんなさい!トカゲさん」


っと言って屈みながらこちらを心配そうに見ている。

てか、美少女だスゲー美少女だよ。髪は少しボサッてしてるけど青みがかった綺麗な銀髪だし・・・

って銀髪!?瞳の色もグレーか。これは夢か何かかな、オトギノ国かなんかじゃないのかね?


現実逃避ってやつだな、見るからに小柄な美少女。だが、そんな少女に投げられ、その後に屈んで確認ないといけないほどとは。

俺、縮んでしまったのか。

いやそれ以前に四肢で体勢をとっ・・・て・・・る

てか自身から生えた尻尾が視界に映っているんですけど・・・シッポなげーデス。

手を見る。マエアシデスネ!

Oh!哺乳類ですらねーよ。

そして少女のなげかけた言葉「トカゲさん」と。

涙目だよ!涙出てるかわからんが泣けてくる。

これはあれだよ、事故で死んだと思ってたら生きてマシター・・・でも人じゃない。上げて落とす。うん、今の現状ですね。


「あの~、生きてるのかな・・・。もしかして、打ち所が悪くて・・・。」


そう言った後、少女の眼が一瞬輝く。なんだか弱めのフラッシュって感じだったな。

こう、なんというかメガネ女子がメガネをクイッてやってキラ~ンて感じだった。

・・・うん、思っといてなんだが自分でも意味ががわからん・・・が、光った。

そして少女は・・・


「へ・・・えぇ~~~~っ!!!1250って1250ってえハジメテミマシタヨ!!

生き物のHPが1000越えているの、さらに250も。アタシ何人分だろ・・・。」


1250か~そしてすごいのかぁ。美少女の何倍もHPがあるのか。

てかHPってゲームかナニカデスカ?


「えっと、180だから・・・」


おおう、HP180だから6,9444・・・・・・約七倍か。そう考えるとすごいのか?


「うん~。えっと私約7人分くらいだね。

村で見かけたことのある逞しいおじ様たち(※引退冒険者)でも診たときはHP1000超えてなかった気がするからすごいよね。あ、でも村の外や町、王都なんかにはもっとすごい人がいるって事はそのおじ様たちが話していたけど、そう考えると私の知ってる世界が狭かっただけかな・・・。」

※彼ら(引退者)も現役時代はHP1000は超えていたと豪語するが「としには勝てん」とのことです。

※『平均的な一般成人男性のHPは400~450』

 『一般成人女性の平均HPは250~350』


おじ様たちがどのような方々かはわからないが、この子は村娘ってことなのか。てか、さっきまですごい驚いていたようだがいつの間にか自己解決したようだ。今はうんうん言いながら「世の中広いなぁ」などと頷いている。

はあ、町に王都か。今の俺にはこの空間と少女が自身の知る世界の全てだからな。

何を思い、考えても結局は『井の中の蛙』っと言ったところか。

まあトカゲだけど・・・ね。


「あの~、トカゲさん?あ、あえっと大丈夫ですか?ってお話通じてるのかな・・・」


呼ばれて首を傾げ、大丈夫かと問われて頭を縦に振る。

そして、いまさらながら心配事を口にしたので、とりあえずコクコクと何度か頷き意思表示をした。


「おお、大丈夫でしたか。」


あ、今さらですか・・・。てか、イイ笑顔だなぁ。俺が見ほれていると・・・


「って、言葉が通じてるのですね。よかった、先ほどは急に投げて申し訳ありません。被ダメージ等はあまり無いようですが痛くありませんでしたか?」


謝られた、頭を下げられたが、どうしたものか

話が理解できるからといって話せるわけではないような気がするのだが。

よし、ためしに喋ってみるか。


「くー、きー、クッァー!(ああ、大丈夫、少し痛かったけど。)」


ああ、声は出たけどこりゃ酷いもんだな。美少女さんもなんか「ほへー」などと気の抜けたような声を出しながらこちらを見ている。そりゃ、クークー言ってるだけだもんな呆けるよな。

なんだか悲しくなっt


「ってえええええええ、鳴き声と一緒に殿方の声が!!え、え、何者ですか!?トカゲ様ですか?」


っておお、トカゲ様か、なんだか偉そうだな。ん?


「きー(聞こえてるのか?)」


首を傾げながら問うその言葉に、少女はただひたすら頭を上下した。その頬はほんのり赤くなっている。テンション上がって興奮しているようだ。

てか、殿方の声ってことは俺の声と言うことか。この脳内に響く自身の声と捉えていいのかな。


「ああ、そうえした!そうえしたっ!しゅごしゃしゃまがアナタ様なのですね!」


舌足らずだなー。しゅごしゃかな、守護者?んー守護者ねえ・・・。その言葉は確か・・・えっと













それ(彼女)は、光あふれる不思議な空間に佇んでいた


『んっふふ・・・。今からアナタは異なる世界に呼ばれると思うの。そうね、呼んだ子の手助けついでにアタシの依頼を時々受けていくような感じね。』


金色の稲穂のような髪、同じように輝く金色の瞳。あれ、こいつの髪は茶色で瞳も茶色じゃ、てかなげーな肩くらいで切りそろえてあった気がするのだが腰まである。


『ああ、本来はこれなのよ。地毛よ地毛。あっちでの姿も確かに私なんだけどね。』


そうなのか、ってか俺は確か学校帰りに受験勉強のための参考書探ししていた。何件か回ったせいで帰りが遅くなって、駅で電車を待っていてそしてそしてそしてそして電車がホームにキテ・・・

全身をいやな汗が流れる。最後に見た光景は


ホームから線路に突き飛ばされゆっくり流れる景色、そして、突き飛ばしたであろう少女の・・・

幼馴染の、今の姿でも変わらない見慣れた笑顔だった・・・。


『時が来たのよ。あなたが生まれたときから決まっていた運命の線路に乗せてあげたのよ。

そう、数日は左右したかもしれないけど決まっていたのよ。それをアタシが確定させただけ。』


運命。確定。ははっなんだよそれ。どんなにがんばったって大学にはいけなかったってことか?

高校では特に目立つことも無く漂々と過ごしていたから、高校生活は切り捨て大学でって思っていたのに。彼女とか、彼女とか、あれとか、これとか、それとか・・・。ちくしょう。なんてこった。


『アタシがいたじゃない!ってか今か今かと待ちわび続けた青春の日々を返しやがれこのヤロー』


いや、終わっちまったんだろ。今までの話からしてお前がコロコロっとしちゃったんだろ。

そして俺は電車と熱烈な・・・。


『ちゃんと聞きなさいよ。てか今のアタシの告白さらっと受け流しやがって。朴念仁が!』


だから死んじゃったからもう昔のようにお前の頭をナデナデすることもかなわないということだろう?


『だ・か・ら。線路に乗っただけでまだよ!そりゃ元の世界では結果だけ残って新聞にも

「○○高等学校3年 岸崖(きしがい) 竜一 (17) 幼馴染と共に…」って

てかナデナデかぁ~』


幼馴染と共に?カミナも一緒になのか。


『まあ、もとより竜一を確保するためだけに人として転生してアナタの幼馴染兼彼女枠を・・・』


なんだ?人間じゃないみたいな言い方だな。


『っふふ、そうよ。アタシは新神 カミナ。

あなたが今から向かう世界におけるここ数十年で生まれ・確認・認識され始めた新しい神よ!」


まあまあな胸をそらし、ドヤ顔でとんでもないことを言ってのける幼馴染神(笑)?


『む。形はいいしなかなかよ?ってか幼馴染神って何よ!(笑)ってなんでよ!』


いや、急に・・・ね、私は神ダヨー。

なんていったらそりゃいろんな意味で心配になる。さらに、信用ガタ落ちだよ。


『ムキー!!今の現状をもってしてもその動じなさは関心に値するけど、どうかと思うな・・・。』


そういわれてもな、死んでないってことはいいとして。カミナが神様だというのもまあいいとしよう。

で、どうしたらいいんだ?呼んでるとか、別の世界がーっとか考えると今から俺はどこかこことはちがくてさらには、もといた世界と異なるということだろ、新たな神様は俺に何を期待し何を望むのかな?


『んもうっ!そんな急に「キリッ」っとした顔で真面目な話されると(もにょもにょ・・・)

ってか、さっきの話把握してるじゃない!冷静すぎるのよ!もっとアンタが慌てふためくさまを見ながらニヨニヨしようとアタシ思ってたんだからねっ』


ま、それはこの際置いといて、呼んだやつの手助けとお前のお使いか何かだな。よし、そう考えると今までとそこまで変わらん。

どうせ「お菓子っ」だの「あ~い~す~」的な催促だろう。

甘いもの大好きなこの食いしん坊め~


『・・・。』


なんだ?お菓子じゃなくて晩御飯作ってほしいのか?それとも勉強教えてほしいのか?それとも、部屋の掃除か?そして、またパンツたたませるつもりなのかっ!


『・・・。なんだろう私の接し方が悪かったのかな。目から汗が・・・。

(確かにしょっちゅう帰りのコンビニやスーパーで催促したり。

愛情が欲しい!などといって料理を作ってもらったり。

勉強に関してはわかっていたが一緒にいる時間が欲しかっただけである。

そして掃除!いつの間にか散らかるのよね~ってかパンツで欲情してもらおうと思っていたんだけどな・・・。)』


・・・。ああ、心の声がキコエテクルヨ。

「わかんな~い」って嘘だったのか。

てか、パンツで欲情とかどうかと思うぞ?


『なん、だっ、て、空回りだったと言うの。』


おお、かみよ!いろんな意味で大丈夫か?


『その心配する言葉が、優しさが、今はただただ痛い!』


大丈夫そうだな、よし。それで何をやらせたいんだ?どんな依頼だ?


『よしってなによよしって!もー。依頼はね。』


ヒ・ミ・ツ っとか無しだからな。芸が無い。


『まあ~、秘密っというより、その時その時現状によって異なるし、できるできない、できそう、できなさそう等々あると思うからね。大半はお使い、問題の解決(武力になるかもね)のための尽力かな』


いや、細マッチョって所だがパワータイプじゃねーよ俺。武力とか・・・

背丈もまだ少しは伸びてる最中だったけど170ちょいだぜ。


『まあ、そのままの姿で呼ばれたら・・・ね。(五体満足かなー)』


さらっと怖いことを・・・


『それに、新神の加護が今なら付いてきます。すごいでしょ?』


ああ、あれだな。TVなショッピングの奥儀 

今がお買い得!とか、今ならさらにもう一台!だとか、今ならおまけで付いてくる!

ってやつだな!!!


『テンション上がるのはいいけど、

アタシの加護がTVなショッピングと同程度の感動しかないのかな・・・』


まあ、実感等あればいいんだけどな。

カミナの話からすると、今の内に与えるのではなく呼ばれるときに付け足すような感じだろ?

その時にならないと凄さがわからん。


『そうね、この場は線路。言わば別な駅にむかってるってとこね。そして扉が開いて、別な世界に足を踏み入れると共にその世界でのカタチに書き換わるのよ。その書き換わる瞬間にアタシの加護をあなたのカタチそのものに書き足す。ってとこで説明終わり。そろそろお呼ばれすると思うわ~』


なるほど、理解した。お使いはあれか天啓的なピコ~ン!な感じに伝えるのか?

それとも教会とか?

見ればわかるとか体で感じろとか言われても限度があるからな。


『ん~そうね。その時になったら伝える。呼ばれたばっかりじゃ何があるかわからないからね。少しくらい猶予を上げるよ。あら、アタシって善神☆』


はいはい、ゼンシンゼンシン。


『ほんとにアタシは善神だからね。邪神もいるにはいるから気をつけてね~。

邪神関連の依頼も後々は在ると心しといてよ。』


おおう、親愛なる善幼馴染神カミナ様よ、依頼とやらは手加減してね?


『無☆理

といいますか、未来を見通せたりするわけじゃないし~竜一の方から巻き込まれた場合はどうしようもないからね』


ですよねー。


『そろそろだね。いってらっしゃい!わざわざ付き合ってくれてアリガトネ~』


いまさらかよ。まあ、俺の彼女らしいからな。少しでも、お前に見合える男であり続けるよ。


『え・・・。

ず、ずる~い。い、言ったからね!期待、しちゃうからね!

では、守護者よ、清き魂の守り手よ、小さき者を守りたまえ!

ついでに依頼のほうもヨロシクね~』


ああ、行ってきます。







そうして光に包まれた。





『あ~、行っちゃった。にしても、どんな運命の悪戯か、アタシたちを題材にして描かれたあの絵本の熱烈な愛読者(ファン)が呼び出し人とはね。

まあ、あの絵本の題材となった話が広まったからアタシ自身神になったんだし。

集まった信仰の力や神力で彼を探し出し、共に短いながらも人生送れたし。

呼び出し人が呼び出し人だからね、今度は彼が「トカゲ」からスタートすることになるかも・・・。

アタシは、空を自由に飛ぶことを望み続け、アナタのおかげで叶えられ、最後の望みでアナタに寄り添うように命を落とした。

ねえ、アナタは何を望み何を欲するのかしらね・・・。』










ああ、そうだ。アイツがそんなこと最後に言ってたな。


「(多分だけれども、守護者で間違いないと思うよ。)」


そう応えると少女は華やかな笑顔を見せる。


「お、お名前は?あ、名前を聞く際は自身からでしたね!

私の名前は イルマ と申します。アナタ様のお名前は?」


(俺の名前は、竜一)


「?りゅーちぃ」


(リューイチ)


「リューィー」


(んん~、リューイ)


「リューイ様ですね!」


(・・・。まあいいや、リューイでヨロシク。)


「はい!よろしくお願いいたします!」


少女は石畳にこすり付けんばかりに頭を下げた。

とりあえず、口を開いて鳴き声上げなくとも会話はできるようだ。

名前はこの際もういいや。とりあえず・・・


(そんなに畏まらなくてもいいよ。とりあえず友達と接するような感じで今後はヨロシク。)


「あ、え、お友達ですか。はいっ!よろしくおねがいします。」


おお、GOODスマイル!100満点だな


「では、お父様の元に向かいましょう!」


(・・・はい?)

数日以内に次の投稿を・・・

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