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ダンジョンリザード・ライジング  作者: 藍色ノ鰐
一章 『ダンジョンから始まる異世界』
14/44

13話 「ダンジョンなトカゲ」

ああ、ウナが・・・。死んで・・・


え、嘘だろ・・・。

霧散してしまった。そして、俺の中に・・・




ポ~ン



なぜ、このような時に



<リューイチは、 ウナの心 を手に入れた。>



なん、だと・・・。

すぐに逢えるってこのことなのか、なあ、こんなカタチでか?

それともなにか?

俺が死なない限り、忘れない限り、死んだことにはならないとか言い出すのか?

なんか言えよ



<リューイは試練におけるタイセツナモノをその身に宿した。>



大切な 物 だと、何だよ。試練って・・・。必要なことかよ・・・。

彼女の心は物なのかよ!




『そうねぇ、このままアナタが終わってしまえばそうなるわね・・・。』


誰だ


『あら?ウナだったかしら、そのこが言ってたでしょう?』


まさか、神だと・・・。


『まあ、そう言うこと。ヨロシク、新神の眷属さん?』


カミナの・・・眷属?俺は、そんなものになった覚えは無いぞ?


『あの子、カミナって言うのね。ふーん。眷属じゃないなら何なのかしら?』


は、そりゃ、幼馴染みだよ。


『幼馴染み?フフ・・・茶番ね。』


茶番だとっ


『ええ、あなたをこの世界に無理やり連れてきて、化け物のような存在に作り変えた張本人でしょう?』


なっ


『違わないでしょ?化け物呼ばわりされたりしてない?』


う、く・・・。


『ねえ、殺されたんでしょう?憎かったんじゃないの?怒ったりはしなかったの?ねえ、ねえ?』


そ、それは・・・どうだろう。


『本当は、都合よく作り変えられた存在じゃないのかしら、アナタって?』


俺が、作り変えられた?カミナによって?


『だってそうでしょう?神様だって言うくらいだもの、そんなこと平気でするかもよ?』


ならお前も、いや、お前が!


『あら、神様をお前呼ばわりなんて。噛み付くの?たてつくの?』


ぐううう・・・くそう、馬鹿にしやがって。


『馬鹿にしたつもりは無いわぁ。そこまで暇じゃないの。』


ならなにか、このおしゃべりはなんになる?


『そうね~アナタという存在を見極めてるっと言ったところかしら。』


はんっ、見極めるねえ。どうだ?幻滅したか?無様だろ?

守るなどとほざいてこの様だもんな・・・

何が守護者だ・・。


『そう、それよ。アナタはなぜ守護者なの?おかしくない?』


何がおかしい?カミナだって俺の事を守護者と

イルマだって守護者様と、呼び出したときに言っていたぞ。


『ふーん、だから奇妙な存在なのね。』


奇妙?


『そう、なんだかアナタチグハグなのよね。守護者という存在が』


どこが?


『だって、そう言われただけで実際アナタはそう言う存在だったの?ねえ、教えてくれないかしら。新神カミナの加護を得ただけで守護者という存在になれるの?』


何なんだよ、殺されただの、作り変えられただの、存在だの、守護者だの何なんだよ・・・


『そういわれてもね~私が聞いているの。』





ああ、俺の中でナニカガクズレサルヨウダ・・・イママデカンジテイタ激情スラ・・・





俺はナンダ、何なんだ?なあ、カミナ。イルマ・・・。ウナっ!誰か、教えてくれないか?

シュゴシャデナイナラナンナンダ、カタチナキコノソンザイハナンナノダ、シヌコトサエデキナイコノカラダハナンダ、オシエテ、オシエテクレ、オシエテクダサイ、オシエロヨオオオオオオオオオォ・・・


『ほしい?』


ナニガ?


『確固たるカタチ。揺るがぬ意思。存在理由。存在価値。アナタの意味を。』


ホシイホシイホシイ・・・


『ふふっ・・・』


イエ!オシエロ!


『あら、いいのかしら?』


オシエテクダサイ


『いいわ、教えてあげる。答えは、否。何も無いわ。』


ナニモ・・・ナイ?


『だってそうでしょう?他から言われただけで、何も無いじゃない。だから、渇望するんでしょう?だから、アナタの事を知らない私にさえ存在理由を教えてほしいとすがるんでしょう?』


ソウダ・・・ホシイ、ホシイ、ホシイ・・・


『ナラバ欲するのではなく、創れば良いのよ、今度は零れ落ちないように造り変えれば良いのよ。』


ツクリカエル?ドウヤッテ・・・。


『あら、アナタは今までどうしてたかしら?纏うだけでも造り変えるに入るんじゃないかしら。』


マトウ・・・デモ、カンゼンジャナイ。


『そう、そこよ。結局アナタはトカゲのままだった。そこにチグハグさがあったのよ。』


トカゲノスガタノセイ?


『そう、ゴブリンやオークの魔素を纏ったのに結局はトカゲって自分でも言って、周りからも言われたでしょう?』


タシカニ


『縛られた姿のままだから、行き場のない部分が生じているのよ。だからね、私が力を貸してあげる。私の加護をあげるわ。わたしが、支えてあげる。』


ソノミカエリニナニヲノゾム?


『無粋ね~わたしは神様よ?わたしは貸すだけなの、あげるだけなの。その後の事は、アナタしだいよ。』


オレ、シダイ。


『そう。いろ~んな可能性があるわよ。そのためのウナちゃんの犠牲。あの子の心にピースが仕組まれていたの。だからね、アナタは試練におけるタイセツナモノを手に入れたの。そう、わたしの加護よ。もう渡してあったの。どう?驚いた?』


ああ、そうか。ウナの心は物じゃないのか?

だが、アンタはウナの心をモノノヨウニ・・・


『そんな扱いはしてないわよ。あの子は元は十数年前に死んだ身よ。アナタが呼ばれたあの場所でね。』


ナ、ナンダッテ・・・。ソンナ


『だからね、あの子にも試練を、チャンスを与えたのよ。そして、見事果たした。死であって死じゃないわ。あなたが、死んだと思っていたらこちらの世界にいて生きているように・・・ね。』


ナ、ナンデソノハナシヲ。


『アナタに加護を組み込んだからね。情報の共有をちょっと。』


オイ、オレニプライバシーハネーノカヨ。


『少しは、調子戻ってきたみたいね。あなたに揺さぶりをかけ、わたしの加護を定着させ易くした会があったわ。』


ナ・・・チョッ


『でたらめや当てずっぽうってわけでもなかったでしょう?』


む、タシカニ。思い当たる節やイロイロト・・・


『でもね、本当のところ。ちょっと嫉妬があったかな?』


嫉妬ダト?


『そーよ。カミナちゃんのお気に入りなんですから。どんな子かな~てのがね。そして、あの子を神に至らしめた一要因がね・・・。わたしみたいな古くてさ、どういう理由でこの世界の神々の一員になったのかも誰も覚えてない存在に比べればね。新しいし、何より絵本という媒介があるから。』


な、絵本?そして、カミナを新神にした一要因?


『その話はおいおい聞くことになるわ。あの子本人から聞いたほうが良いでしょうし。』


お預けか。


『ちなみに、わたしの加護はね・・・ダンジョン。』


ダンジョン?まさかこの場所自体を用意したのは・・・


『それは違うわ。この場所はね、十数年前に鎮静化されたはずなのよ。わたしの加護を受けた転生者がね。この地のダンジョン自体は確かに用意したわよ。「試練のダンジョン」として。』


試練のダンジョン、転生者・・・

なぜ試練?


『それはね、フロアごとにボスが生まれるのよ。次の階に行くため戦わないといけないでしょ?次へ進むための試練。そういうこと。ちなみに普通のダンジョンは5や10階層ごととかよ。』


そうなのか。それで転生者と鎮静化については?


『そうそれなの、どうやらね百年くらい前にね何者かによってダンジョンマスターが送り込まれたのよ。

この場所には自然発生、循環というものを利用していたのにね。割り込まれたわけ。

それもダンジョンマスターがどこに隠れているのかサッパリで

大して目立ったこともおきてなかったからスルーしてたの。

そしたらね、11~13年くらい前かしら・・・

急に階層や出入り口が増えたのよ。長い年月をかけて騙し騙し行っていたようね。

急な活性化でね、被害は大きくなると考えたの。

だから、こちらの世界に転生した子が近くの町にいたのよ。

その子に了承を得て「ダンジョン内ではステータス補正が付く」加護を与えてあげたの。

それで、ダンジョンコアを砕いてもらおうとしたのよ。

・・・結果だけいうと、一番強そうなモンスターと相討ち。

まあ、地上ではその彼は英雄に祭り上げられちゃったんだけどね。』


確か、「拳闘将」だったか・・・


『仰々しいいわれようね。あの子は、剣や盾なんかに重きを置かない不思議な子だっただけなのにネ。』


そこは、死人にくちなしだな。


『それで、表向きはめでたしめでたしだったんだけどね。

ダンジョンコアはその強そうな魔物がもってて砕かれたと信じたわけ。

その出来事から少しして入り口や階層が減ったからなおさらね。

なのに・・・開放される死者の魂や魔力がなかったのよ。

そう、その英雄君のも・・・』


まさか、俺が戦ったダンジョン内での転生者とかは・・・


『そう、隔離された場所で転生して、見つかることなく、入り口無きダンジョンで殺し合いを続けていたの。だから、ただのフロアボスを凌駕していたわ。』


では、ウナも?


『その話はね、アナタが呼び出された時に使われた本によって隠された入り口の一つを顕にすることができてね。』


弱いダンジョン・・・


『そんな呼ばれ方もしてるわね。そのことによってわたしの眷属を送り込むことに成功したのよ。そこで漂っていた弱々しい消えそうな魂に、ピースを組み込んであげて転生をどうにか促したの。』


眷属?


『あなたは見たでしょう?あの蜘蛛ちゃんよ。』


亡骸背負い か、あの蜘蛛綺麗だったなぁ~ってイルマ攫ったやつじゃねーか


『ごめんなさいね。それは、試練のためなの。あの子、そのまま連れて行っていたらゴブリンの場所でさえあなたたち2人は死んでいたわ。せっかくウナちゃん用意したのに辿り着く前に終わっていたのよ。

蜘蛛ちゃんとの接触の時、アナタに一時的な能力を与えたんだけど。カミナちゃんの加護のおかげでちゃんとスキルになったのはよかったわ。』


複数スキルがあったのは・・・そう言うことだったのか・・・。


『カミナちゃんはまだまだ新米さんだからね。

気付けないことや見落としがあったのよ。

それに、ダンジョンになってしまった以上干渉力がヨワヨワ。

信仰や年数をもっと重ねておけばまだましだったでしょうに。』


あまり時間が・・・とか言ってたな


『呼ばれているときは洞窟だったのでしょう。でも、呼ばれた後は隠されていたダンジョンなんだからね、ついていないというかなんと言うか・・・。』


これは、カミナがついてないのか、イルマがついてないのか、それともやはり俺か?

結果的にウナの魂は確保できたわけか・・・。ん~


『そうね、プラスに考えるのも大事。さてと、話を戻すけど

わたしの加護はね、カミナちゃんの加護との組み合わせでね、

たどりついたわけ、新たな可能性に。

アナタだけのとっておき。

自身のダンジョン化、よ!

おめでとう。


アナタはダンジョンに生まれ変わりました。』


・・・はい?


『アナタは、ダンジョンマスターでありダンジョンでもあるのよ!』


な、なんだそりゃ!


『創れば良いの、そう造るほうもね・・・。

言ったでしょう、無いからこそ造り、そして変えれば良いの。』


そ、それはまさか・・・


『そう言うこと。だからダンジョンメイカーでもあるし。可能性が広がるわ~』






ポ~ン



<リューイのダンジョンに『休憩室』が追加されました。>



ポ~ン



<リューイのダンジョンに『会議室』が追加されました。>



ポ~ン



<リューイさん、次はリビングなんてどうです?

ああ、キッチンが良いかしら・・・

そ・れ・と・も、寝室?>








え・・・どういうことですかこれ。

てか、声の人嬉しそうだな・・・。









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