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弥富とモブ

皆様こんにちは、私は弥富と申します。


年は今年で29、春日井家で執事をさせていただいて10年になります。


この家で働くきっかけとなったのは、私が18の時でしたか。世の中の全てに絶望し放浪の旅をしている時、今の主である帝様に拾っていただいた恩を返す為と建前を公言しております。


実の所は当時6才の遥香お嬢様に恋をしたのがきっかけです。…ええ、あくまで純粋な恋心ですがなにか?


幸い私は優秀だったので、春日井家の下働きをしていた所を帝様に働きを認められてお嬢様=天使(幼女)の運転手兼護衛として執事の任を仰せつかりました。まさに[してやったり]です。


ですがそれから6年間の天使との甘い時間は儚くも終わりを迎えてしまいました。なんとお嬢様は天使からオバサンにジョブチェンジしてしまったのです。13才などオバサンです、はい。


「弥富さん、ここにおられましたか。遥香お嬢様の登校の時間ですよ」


「この女性は鳳来小牧、春日井家のメイドです。まだこの家に来て一年足らずですが、その能力は長年務めてきたベテランよりも遥かに超越していました。その上世間様の目から見ればとても綺麗で24才にして大人の魅力すら感じさせると評判の才色兼備だそうです。私から見ればデコボコの体のビッチオバサンなんですがね。やはり女性はデコボコなど無いのが一番です。」


「…弥富さん…心の声がだだ漏れです。くれぐれも春日井家の品位を下げるような真似は控えて下さい」


「失礼しました。ではお嬢様の所に参ります」


聞かれてしまいましたね。すぐ怒らない所は流石に才色兼備のビッチメイドです。


「おはようございますお嬢様。それでは学校に参りましょう」


「おはようございます。よろしくお願いします」


遥香お嬢様は今日も素敵な笑顔であらせられる。これであと10才若ければ言うことはないのですが…


さて、ここがお嬢様の通われている学校です。せめてエスカレーター式の学校であれば救いがあるものを…理解に苦しみます。


毎日大量のオバサン共と顔を合わせるのは気が滅入ります。さらに残念な事に、オバサン共は私の外見に血迷って身の丈を弁えず時々話しかけてきます。天使の心を失った可哀想な成れの果ての行為と言えるでしょう。しかしオバサンなど心の底から願い下げです。


「おはよう春日井、今日も立派なリムジンだな」


「おはようございます。大和さん、千種さん、巫女さん。今日もいい天気ですね」


「…最初に挨拶した俺には?」


現れたのは私の天使、巫女様とその下僕たちです。天使の兄は残念な扱いを受けていますが知ったことではありませんね。


「おはようございます、巫女様今日もお美しいです」


「お前は巫女の100m以内に近付くな!」


「はっはっは、お兄様は愉快でいらっしゃる。私はあくまでお嬢様のお友達と友好を深めたいと思っているだけですよ」


「だったらまずその足元のカメラを片付けてから言うんだな!後お兄様って呼ぶな!」


「ちっ!気付いたか!凡庸の極みの分際で!…おっと、何故こんな所にカメラが?不思議な事もあるもんですねぇ」


「心の声は心に秘めておけ!」


全くなんて男だ。私と天使の愛のメモリーの収集を邪魔するとは…所詮オバサンと付き合うような変人はこんな物か。


「巫女さん!今のうちに校舎に入ってしまいましょう!」


「うん!全力で!」


行ってしまわれた。照れ屋な所も私の天使として相応しい要素です。


「…だから姉さんは性急過ぎるんだって…」


「…だがな智、ダメなものはダメと割り切らなくては…」


来た!本命!大天使!礼那様!なんとあの方は年齢的には完全にオバサンであるにも関わらず、天使の容貌を全く失っていないのです!全くのつるぺた!完全なる幼児体型!これを奇跡と言わずしてなんと言おうか!


メキョ…


何ということでしょう!あろうことか天使様は下から撮影…もとい跪いて崇めようとした私のカメラと頭に御御足を全力でぶつけて下さいました!これぞ天のお恵みです!


ポン…


喜びに打ち震える私の肩を叩いてきたのは大天使礼那様の弟君、名前は忘れましたが…彼は恍惚とした表情で頷いています。彼だけは私の崇高な性癖をわかってくれたようです。


「…春日井、あの変態はどこまで変態なんだ?さすがの私でも手に負えん」


「さぁ…ホントにどこまでいくつもりなんでしょうね…」


これが私の日常です。ご理解いただけたでしょうか。え?私の夢ですか?そうですねぇ…


女の座敷童を見つけることでしょうか?

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