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27 3年後のある日3

 机を挟んで、ヨハンとヴィクトルは静かに向かい合っていた。窓の外からは穏やかな光が差し込んでいる。


 フィオナはヴィクトルの横に腰かけ、じっと2人の様子を見守っていた。


 ヴィクトルは穏やかな声で口を開く。


「じゃあ、今から説明を始めるね。」


 その声音には重みがあった。秘密を打ち明ける者の覚悟。真実を共有する者の責任。


 ヨハンも覚悟を決めたように返事をする。


「はい……よろしくお願いします。」


 ヴィクトルは小さく笑みを浮かべ、視線を真っ直ぐにヨハンに向ける。


「まず、この世界の真実について、オルド氏から聞いたことを話すよ。」


 ヴィクトルは語り始める。


「この世界は大昔、貴族だろうと平民だろうと、誰でも自由に魔法が使えたんだ。それに、今みたいに属性の縛りもなかった。火も水も木も、土も風も、光も闇も、誰のものでもなく、どの国のものでもなかった。


そしてその時代には……奴隷も存在しなかった。


……存在しないというより、必要がなかったんだ。私とフィオナがこうやって魔法で町を創り上げたように、魔法の生活への応用の幅は限りないからね。


実際、みんなが自由に魔法が使えた以前の世界では、魔法技術が凄まじいスピードで発展していったそうなんだ。


……だけど……」


 言葉を切り、ヴィクトルは一拍置く。


「その急速な発展は、悲惨な結果をもたらしてしまった。」


 ヨハンは真剣に聞いていた。


「魔法技術の発展は、生活が豊かになるだけではなく、魔法の攻撃性能も高めていったんだ。


その結果、個人同士の小さな争いでさえも、いつしか甚大な被害が出るようになっていった。そして、その被害に巻き込まれた人が、報復としてまた次の争いを起こす……。


そうやって、ある時期を皮切りに、あっという間に世界中のあちこちで争いが起き始めたんだ。」


「世界中で、大規模な魔法による争いですか。考えるだけで恐ろしいですね……」


「そうだよね……


当時、各国の王たちは収まる気配のない争いを前に、このままでは世界が滅びると考えた。


そして、当時最高峰の魔法使いたちと手を組み、2つの大施策を行った。


“魔法の制限”と、“大陸の分断”だ。


人工的に三すくみ構造を作り出し、世界に強制的な安定をもたらすために。」


 ヨハンは驚いたような表情をした。


 ヴィクトルは、魔法の制限、大陸の分断が完了するまでの様子を余すことなく詳細に伝えた。


 王と賢者たちの施策を一通り伝え終わると、部屋には沈黙が訪れた。


 部屋の中に響くのは、窓の外で揺れる木々の音と、三人のかすかな呼吸だけ。


 やがて、ヨハンは顔を上げ、真剣な眼差しでヴィクトルを見据えた。


「なるほど……。そういうことだったのですね。


つまり、ヴィクトル様が木属性以外も扱えるのは……」


 ヴィクトルは頷く。


「そう。元々誰でも多属性を扱う素質はあって、封印されているだけなんだ。


私はその封印をオルド氏に解いてもらっただけ。


もちろん、個人ごとに得意不得意などはあるみたいで、全員が全ての属性を扱えるわけではないみたいだけどね。


フィオナは、火属性が苦手みたい。」


「ヴィクトル様!バラさないでください!」


 フィオナは恥ずかしそうにヴィクトルに言った。


「はは、ごめん。」


 張り詰めた空気が少し緩み、3人は微笑んだ。


「三すくみ構造の話も含め、まさかそのような真実だったとは思いもよりませんでした……。


話の腰を折ってしまって申し訳ございません。続きをお願いいたします。」


「そうだね、ひとまず最後まで話すよ。


ここからが奴隷の話、それから今後の話だ。」

お読みいただき、誠にありがとうございます。


執筆速度が遅れており、申し訳ございません。


引き続きお読みいただけますと幸いです!

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