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異世界でガチャを回せ!  作者: 月嶋のん


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クッションとバイト。


チェルナ君とお花屋さんでアルバイトが決まった!

詳しいことはまた後日‥といってたけど、大変楽しみである。


そんな私を心配そうに見つめるラヴィさんだったけど、チェルナ君が冷静に、


「先生、ヒロは確かに17歳ですが、エルフでいえば70歳でレディーですからね?あまり子供扱いしては失礼に当たりますよ。あと、明日ギルドから正式に仕事の依頼がくるので準備お願いします」


と、しっかりちゃっかり釘を刺し、尚且つ仕事の依頼もしていった。

門までお見送りしたけれど、後ろ姿がたくましい。



「チェルナ君頼もしいですねぇ」

「そりゃ俺の弟子だからな」

「弟子が先生をあっという間に超えていきそうですね」

「おい!」



すかさず突っ込むラヴィさんから逃げるように玄関へ走って行こうとすると、「走るな!歩け!」と言われた‥。過保護お母さんちょっと落ち着いてくれ。



部屋へ戻ってお花屋さんのバイトなんて初めてだなぁ〜なんて浮かれていると、ラヴィさんが本棚から一冊の本を取り出して私に渡してくれた。


「え、これって?」

「読んでみろ。女王について書いてある」

「ええ〜〜」

「‥ゆっくりでいい」

「まぁ、それならいいでしょう」

「おい!??」


すぐ反応を返すラヴィさんに笑ってしまう。

ともあれ、こんな風に言葉を教えてくれたお陰で文字は大分読めるようになってきた。辿々しく読む私の言葉をラヴィさんが静かに聞いてくれた。先生、やっぱり上手かも。


本には昔、この国‥というか世界である病気が蔓延していたと書いてあった。


幸いこの国は保護した異世界人が薬学に詳しい事もあって、女王様と協力して薬作りをして、出来上がった薬を無償で提供したそうだ。



「異世界人の協力‥」

「それまでそこまで異世界人に皆興味がなかったんだがな‥。それで大分見る目が変わったな」

「そうだったんですか‥」

「異世界人の功績を知らない者もいるが、その存在無くしてこの世界は救われなかった」



そうだったんだ‥。

大分昔の話だから、チェルナ君は知らなかったのかな。とはいえ、どこの世界から来たか知らないけれど同じ異世界人としてちょっと誇らしい気持ちになる。


「‥私も、何かできるかな」

「別に無理にしなくていい。お前はお前だ」

「‥ラヴィさんが優しい」

「俺はいつも優しい」


しれっと言ったけど、まぁ確かに?

ちょっと口が悪かったり、その優しさがわかりにくいという難点もあるけど。ラヴィさんは私の持っている本を指差し、



「その異世界人は人の為に惜しみなく働きかけたらしい。それを見た女王がいたく感激して、無償で薬を配る事を決めたそうだ」

「へえ〜〜、素敵なお話ですね」

「‥お前と異世界人も似てるな」

「え、そうですか?」



私にそんな賢い頭はないぞ?

目を丸くしてラヴィさんをまじまじと見ると、ラヴィさんはちょっと眉を寄せ、それからプイッと横を向いた。



「お前、オーリを助ける為にトンネルに飛び込んだろ」

「はい、そうですけど?」

「怖くなかったのか?」

「そりゃ怖かったですけど、助けないとって思って‥」

「だから!!そういう所が異世界人と似てるって話をしたんだ!!だが、今度は絶対一人でどうにかしようとするなよ!!なにせお前はすぐ怪我をするし、気を失ったりする人間なんだからな!!」



えーと、これはもしかして異世界人に似てる私は偉いなとか、素敵だな‥とか言いたいのかな?以前横を向いたまま、ほんのり赤い耳を見るとどうやらそういう事を言いたかったのだろうとわかるけど‥。


「ラヴィさん、素直じゃないなぁ〜」

「はぁ!??俺にしてはわかりやすく解説してやったろ!!」

「もうちょっとストレートに言って下さい」

「はぁああ!?そ、そんなの‥」


「ラヴィさんも素敵ですよ」


私の言葉にラヴィさんが目を見開いて私を見る。

どーだ、ストレートに言ってやったぞ?

私は勝ち誇った顔をして、ラヴィさんににっこりと笑いかける。



「私の心配をいつもしてくれてありがとうございます。そういうちょっと分かりにくい優しさも好きですけど、もうちょっと分かりやすく言って欲しいです。同じくらい言葉とか気持ちを返したいんで」



私の言葉に真っ赤な顔になるラヴィさんが大変可愛い。

持っていたクッションをラヴィさんにポンと投げると、ラヴィさんが慌ててクッションを受け取った。



「‥‥同じ言葉とか、気持ちとか、無理だろ」

「何言ってるんですか。今みたいにクッションを投げたり受け取ったりする感覚でいいんですよ」

「‥‥そんな簡単にできるか」

「ラヴィさんが素直じゃないのは知ってますけど、できますよ。ラヴィさんは優しいですからね」



ニッと笑うと、ラヴィさんはクッションに顔を埋めて「子供め‥」と呻いたけれど、そんな様子も可愛くて、ついニマニマ笑ってしまう。うんうん、ラヴィさんは今日も可愛いな。



自分で言うのもなんだけど、ラヴィさん可愛い。

可愛いんだ!!!ラヴィさんは!!!

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