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気ままに生きたい異世界転生 ~チートは無いはずなのに目立ち過ぎるのは困ります~  作者: アルバザーク
第一章 辺境の街

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平穏な日々

 次の日、マリーの声で起こされた。

「お姉さん、先に準備して切り株抜きしていますから、後から来てください」

 ベッドから起きて背伸びをする。

「おはよう、マリー」

「ちょっとトム!覗くな!」

「の、覗いてねーよ!」

 昨日、また鍵をかけ忘れていたらしい。扉が開いていてマリーの後ろからトムの声がした。

「それと、朝早くにルーカスさんが来て、これ置いていったから。なんか謝っていましたよ」

 部屋に入ってきたマリーに革袋を手渡された。

「では待ってますから」

 マリーは手を振って出ていった。

 残された小さな革袋には、金貨が21枚入っていた。

 なんだろうこのお金は。

 少し考えて、思い当たることがある。金貨20枚はハイポーションの値段だ。

 ということは、金貨1枚は普通のポーションの値段。

 あの不届き者に使った分までお金をくれたのだろうか。

 ルーカスに使った分も自分が怪我をさせたのだが・・・。ずいぶんお人好しのようだ。


 ポーションを作成してから切り株抜きに行く。

 するとジークが話しかけてきた。

 冒険者ギルドで聞いた話によると、ゴブリンもオークも戻ってきているらしい。ただし、安定しているわけではないので気を付けるようにとのこと。

 そういう事ならと、今日の午前中はゴブリン討伐に予定変更。準備にいったん家に帰り、浅瀬まで小走り。ゴブリンを数匹狩り、魚を取り、鍋を作る。そして、残りは巨大魚に餌付け。余った時間は街に戻って切り株抜き。

 ゴブリン鍋は森の木漏れ日亭のマスターにアドバイスをもらい、入れる野菜を増やし、隠し味に果物を追加した。すると劇的に変化し、食べられる味になった。

 ゴブリン鍋が無くなったら狩りに行くけれど、普段は切り株抜きを続けた。


 そんな平穏な日々が10日ほど続く。

 すると、マリー達でも危なげなくゴブリンを討伐出来るようになってきた。

 かなり力技の筋力アップメニューのおかげか、ジークもジョンもエディ達に力で負けない程に成長した。

 彼らも腕相撲協会の会員になり、たまにポピーナのお立ち台に上がって試合をしている。夕方から夜にかけての混雑時間帯を避ければ比較的自由に使えるので。というのも、腕相撲大会でのサラの活躍を見てやり始めた人が多かった。ジーク達もそう。

 それに触発されたエディが絡んできて、ジーク達の成長っぷりに驚き、今では仲良く・・・いや、競うように切り株抜きをしてゴブリンも狩っている。そうなると待遇に差を付けるのもかわいそうなので、仕方なく毎日ポーションを4本分は作成している。もうポーション容器が無いので、適当に買った瓶に詰めている。どうせ一日で消費するのだから、魔力が抜けるとしても少量だ。効果に差は無い。

 そこまで一緒に活動していると、当然、味が改善されたゴブリン鍋も食べるようになるわけで、消費量が半端ない。食べ盛りが9人。しかも一日5食だ。正確には、エディ達は朝と晩を家で食べているのだけど。今では2日でほぼ完食する。なので、私がいなくなっても大丈夫なように作り方は伝授した。水は川から汲みたくないので、街から南に1キロほどの場所にある沢の水を使用している。そこがゴブリン鍋の調理場のようになった。

 ゴブリン鍋は安ければ売れると思う。1杯1Crとしても鍋一つで200~150杯になるという話をしたら、マリーはかなり食いついていた。街の北東にあるスラム近辺なら低所得者層が多いので売れると思うのだけど治安が悪いから気をつけて、いっそのことスラムの子達を売り子として雇うのもあり、という話をした。

 マリーはさっそく明日にでも売りに行きたそうにしていたが、明日は魔力草採集、明後日に腕相撲大会、明明後日は王都に向けで出発なので、無理なんだ。もう少し早くに話をすれば良かった。商業ギルドには一緒に行ったので手続きはスムーズだった。


 巨人の一撃をもらったからなのか分からないが、あの日以降、防御魔法を発動できるようなっていた。でも、まだ形も曖昧だし発動までの時間も1秒くらいかかるので、咄嗟の防御はできない。

 しかし、スポーツブラと防御魔法陣は既に完成していたので、こちらも素早く魔力を込める練習を欠かさずにやっている。なんとか出来るようになった体を固める防御魔法を、緊急時にだけでも使おうかと思っていたが、結局一度も使っていない。反復練習して身につけておかないと、実戦では使い物にならないことがよく分かった。

 革の防具はまだ完成していない。腕相撲大会の日までには間に合わせると言っていたのだが、女親方の顔色は良くなかった。もしかしたら徹夜しているのかもしれない。


 防御魔法は少し実験もしている。どのくらい魔力を込めると、どの程度の攻撃を防げるのか、とか。しかし、防御魔方陣の実験は難しい。一応、引き渡し時に女親方と一緒に動作と効果の確認はした。ヒドラ革の鎧にどの程度の傷が付くのかというテストを。でも実際に攻撃を受けたときは、どうなのかよく分からない。ジーク達に刺してくれって頼むと嫌がられたし、自分でも刺されるのは怖い。ヒドラ革は元々の防御力も高いので、半端な攻撃じゃ意味ないし。他に魔物素材は、スパイダーシルクのブラとスパッツだが、これは高価なので穴が開いてしまったらと思うと実験に使うのは嫌だ。ヒドラ革も高いが自動修復するので気楽に使える。


 ちなみに、魔素注入のバイトを始めたおかげで、ネックとなっていた作業工程をやらなくて良くなったメラニアさんは、ここぞとばかりにハイポーション作成量を倍増させた。おかげさまで魔力草の納品量も増え、収入も更にアップした。今更ながらに弟子入りの打診をされたけど、もう学校に行くと決めてしまった後だし、やんわりとお断りするしかなかった。綺麗なお姉さんの元で働くのは非常に魅力的であったのだけれども。


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