表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
気ままに生きたい異世界転生 ~チートは無いはずなのに目立ち過ぎるのは困ります~  作者: アルバザーク
第一章 辺境の街

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/115

お手入れ

 次の日、朝から切り株抜きだ。

「昨日は夜遅くまで解体作業していたから、いつもなら今日は昼まで寝ていられたはずなのにー・・・」

 愚痴を言うサラと一緒に切り株抜きの現場に来ていた。

 どうやらギルバートに仕事を押し付けられたらしい。これは実害だな。

「よし。上司に告げ口してやりましょう」

「えっ。待ってください!絶対にやめてください!お願いします!」

 なぜか必死に止めようとするサラ。

「えー。こういうのは早めに対処したほうがいいと思うよ」

「いえ、全く問題ないので。ギルドで居づらくなってしまいます」

「別に平気だと思うけどなー」

「私は気にするので。やめてください。本当にお願いしますね。ギルドはけっこういい働き口なんですよ。やっと雇ってもらえたのに・・・」

 受付嬢とかなら話は分かるけど解体とかって裏方の汚れ仕事だよね。

 自分が冒険者としてやっていくつもりだったらサラを誘うんだけどね。一緒に炭酸追加の仕事はできないしなぁ。


「はい、では、この区画の10本は確認しました。この木札を持って窓口に行けばお金がもらえます」

 サラのサインが入った依頼完遂の木札を貰う。

「それと、この範囲が新しい区画です。29本あります。本当にこの広さでいいんですか?」

 サラは心配している。

「大丈夫、このくらいなら、2、3日で終わるから」

「そうですか。もう少し大きくします?」

「いいよ。まずは、この広さで」

 前回の3倍だし。


 南門を出てすぐのところでの作業なので、昼はいったん家に帰って昼飯をみんなで食べる。今日は昼にもポーションを配る。

 その後、一人で別行動。部屋の鍵の修理をしてもらってからみんなと合流する。

 今日の成果は13本だった。薬草採りより成果が出るようになってきたのでマリー達は喜んでいる。

 また今日も荷車一杯の薪を積んで帰ったのだが、そろそろ薪の置き場がない。しかし、抜いた切り株は溜まっていく。もったいないな。何とかしたいところだ。ポピーナやプライムローズでは魔石コンロを使用していて、薪は使っていなかった。残念。あとは、森の木漏れ日亭の厨房では確か薪を使用していたはずだ。


 今日は帰りが少し遅かったので、夕食を食べずにポピーナ、プライムローズ、商業ギルドとまわって、森の木漏れ日亭に顔を出した。

 扉を開けた瞬間、視線を浴びるのと、ヒソヒソと(ささや)かれるのにはもう慣れた。

「どうもー、お久しぶりです。夕食お願いします」

 マスターに声をかけながらカウンターに座る。

「今日は一人か。ガキらは元気か?」

「元気ですよ。あ、エールもお願いします」

 するとドンドンと、2つのジョッキがカウンターに置かれた。

「これは?」

 不思議に思って尋ねると、マスターは身を乗り出して声を潜める。

「できれば、アレをまた作ってくれないか。その代わりに、そいつは無料でいい」

「いいですよ。でも、内緒でお願いしますね。他で作るとあの女将に怒られてしまうので」

「すまねぇな。ポピーナに飲みに行ければいいんだが、仕事があるからよ」

 キンキンに冷やして、炭酸をガンガン追加していく。これはサービスだ。

「どうぞ」

「おっ」

 凍り付くような冷たいジョッキを持ったマスターは、いい笑顔でほほ笑んだ。

「ところで、薪買いませんか?安くしときますよ」

「んん?なんだ、新しい仕事を始めたのか?」

「いえ、今、南門を出たところで、切り株を抜いているんです。その切り株を薪にしているんですが、多少不格好なんですよね。あ、ちゃんと乾燥済みですよ。魔法で」

「ほう。買ってもいいが現物次第だな」

「じゃ、明日持ってきますね」

 美味しいお酒に、おいしい料理、たまにはここに顔を出すことにしよう。


「ただいまー」

 気分よく家に帰るとマリーが待っていた。

「おかえりなさい」

 日はすっかりと落ちているので、リビングの明かりは暖炉の火のみ。暗いので、すぐに魔法で明かりを灯す。

「すぐご飯にしますか?・・・あれ?お姉さん、顔が赤いですね」

「あー、外で食べてきたから」

 その瞬間、マリーの顔が曇る。

「はぁ。いいですね。お姉さんは」

「え、ちょっとマリー?」

「私たちがゴブリンを食べているのに、一人美味しい物を食べられて」

 ぬおおおお。どうしよう。外食できないのも困るし・・・。

「じゃあ、今度マリーも一緒に行く?」

「いいんですか!?」

 これは、(おご)って下さいということだろうか。一回くらいならいいけれど、毎日それも5人分となると・・・。保護者っていうわけでも無いし。

「いいも何も、朝晩二回串焼き食べるのと、森の木漏れ日亭で夕食食べるのは、ほぼ同じ金額だからね」

 串焼きは3Cr。夕食は7Crだ。

「うーん」

 マリーは考え込んだ。

「いいじゃん、マリー。夜は森の木漏れ日亭にしようぜ」

 ゴブリン鍋を食べたくないアレンは猛プッシュ。

「そんなに贅沢はダメ。3日に1回にします」

「「「「おぉー!」」」」

 男共はそれでも喜んでいた。

 それでやる気が出てくれるならいい事だ。

 それにしても家で食べるときはほとんど野菜を食べていない。栄養が偏りすぎていると思う。ポーションで筋肉痛は緩和されているが、だるさが残っている。そんなときサプリメントがあれば良かったのに・・・。うん、作るか。でも売れないよなぁ。やめよ。


 その夜。

 部屋で毛抜きを手に持っていた。

 お手入れをするつもりは無いのだが、マリーに貸し出す手前、経験しておかないと話題となった場合にボロが出てしまう可能性が高い。

 最近は、街中でも常時パッシブスキャンの方の索敵魔法を使用している。まあ、魔力を使用しているわけでは無いのだが。で、ズボンを下ろすと、マリーの部屋にあった気配が動き出した。すごいなマリー。前からおかしいとは思っていたが、何を察知しているのだろうか。おそらく毛抜きをしようとするタイミングでマリーはこの扉をノックするのだろう。と思ってズボンを上げて待っていたら、そのまま一階に降りていった。どうやらトイレのようだ。

 パッシブスキャンは、魔物>冒険者>一般人というように感知しにくくなる。おそらく体内の魔力保有量に比例していると思われる。オークよりゴブリンの方が感知しにくいし、高レベルより低レベルの冒険者のほうが感知しにくい。そして、マリーは一般人と同じかそれ以上に感知しにくい。確かレベル2という話だったし。

 ちなみに、お隣さんはよく分からない。魔術的に防御処理された壁なのかもしれない。そしてレイラ個人は、一般人レベルと同じくらい感知しにくい。腕相撲大会の時にも確認したけど、高レベル冒険者ほどそういう人が多いようだ。そして、魔法使いは更に多い。魔力の扱いに慣れるとそうなるのか、それとも、学校で教えてもらえたりするのだろうか?


 そして安全確認後、あそこの毛を抜いてみた。めっちゃ痛かった。三本目で血が(にじ)んだのでそこでやめた。もう二度とやらない。


 その後、マリーが部屋に来たので鏡と毛抜きを貸す。

 ちょうど水の入ったコップを持っていたので、ポーション瓶に入りきらなかったキズポを少し足してあげた。

「えっ!?今のはキズポですよね」

 その意味を測りかねているようだが、何も答えず目をつぶり、頷いて見せた。

 すると、マリーの赤かった顔が青ざめた様な気がする・・・ガンバレ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ