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気ままに生きたい異世界転生 ~チートは無いはずなのに目立ち過ぎるのは困ります~  作者: アルバザーク
第一章 辺境の街

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げてもの鍋再び

 鉄の寸胴(ずんどう)鍋を買い、忘れずに毛抜きも購入。ゴブリン鍋を食べない人用に黒パンも購入した。まな板も2つほど、さらに大きめのざるも購入。いつもの河原へ。

 ここの浅瀬は、ブーツを乾かすのが面倒なので、最近は裸足で川を渡る。

 マリー達は、藁を使って、魚取り用の網を完成させていた。薪も集めてあり手際が良い。

 早速、ゴブリン狩りに行く。

 今日の鍋は900Crもした。盗まれると痛いので重いけど狩りに持って行く。

 森に入ってすぐ4匹の群れを見つけたのでサクッと討伐。

 倒した4匹を担いで、河原に戻ってきた。

 2匹は、川の主に献上した。相変わらずいい食いつきっぷりである。

 残る2匹は、食用に解体。これで鍋が一杯になった。

 浅瀬に網を沈め、解体して食べない内臓部分や骨をまとめて網の上にばらまく。

 しばらくすると、糞魚が集まってくるので網を上げて捕獲する。

 最初に2匹を与えたせいか、川の主が浅瀬まで乗り上げてくるような事は無かった。

 糞魚は、頭を落とし、内臓を取り出し、ひらいてから塩水につけ、河原の石の上で日干しにする。塩分濃度や漬けておく時間、日干しの時間は適当だ。これから何度かやっていくうちに失敗しながら調整していけばいいだろう。

 ゴブリン鍋は火にかけ、丁寧に灰汁(あく)を取りながら沸騰したら水を交換する。これを繰り返す。ちなみに、このとき使用する水は川の水だ。どうせ捨てるから。

 アイアンイーグルが持っていたナイフと、自分の解体用ナイフの2つしかないので、作業しないメンバーは薬草採りに出掛けていった。作業を手伝ってくれたのは、トムだった。マリーもアレンもゴブリンの臭いが耐えられないらしい。

 ひもの作りに使用した塩水は土鍋に残っている。捨てるのが勿体ないので、水と魚を入れてお昼のスープにする。今日の昼は、このスープと黒パンだ。

 5回くらい灰汁取りを繰り返していたら、ゴブリン鍋からの臭いが薄くなってきた。ここでゴブリン討伐時に採集してきたゴブリン草を投入。少し煮込んだら、その水とゴブリン草も捨ててしまう。ゴブリン草はにおいがきついので食べないことにした。

 土鍋に残ったのは少しのスープ。魚の身は食べ尽くされた。そこにさらに水と糞魚の頭を投入。こちらも煮立たせる。

 ゴブリン肉と、新たに作ったスープを寸胴鍋に入れる。魚の頭は、ざるで濾して捨てた。

 ここまでやって魔法で冷凍する。汁物は持ち運ぶのに大変だから。

 クレームが来ないように、臭い作業を街から離れたこの河原で行った。後は、持ち帰って切り株抜きの作業場近くで仕上げを行うつもりだ。この臭いは魔物をおびき寄せてしまうのでは無いかという懸念もあったが、それは杞憂だったようだ。

 この河原まで歩いてくる途中、索敵魔法の練習をしながら来た。魔物をおびき寄せてしまっても、川があるので襲われないという好条件。すると今日はゴブリンらしき反応が多かった。この河原の近くでは練習していないから、この辺でもゴブリンが増えているかどうかは分からないが、割とすぐに群れを見つけた事からすると、ゴブリンが増えているのかもしれない。その状況の中、ゴブリンが現れなかったところを見ると、この臭いはゴブリンにとっても不快な臭いなのかもしれない。


 午後は、切り株抜きだ。

 一度、ギルドに戻ってからゴブリンの討伐報酬を受け取り、切り株を抜くための道具を借りる。ゴブリンの魔石はシャワーに使うので売らない。この後の作業は汗だくになるので、家に寄って鎧は脱いできた。自分は市場にも寄って、鍋に入れる生姜やネギのような野菜を購入した。

 切り株抜きの作業では要所要所を手伝いながら、掘り返した切り株を力任せに斧でたたき切り、薪にしていく。もちろん身体強化魔法フルパワーだ。ただ、加減を間違うと割れた薪がかなり遠くまで吹き飛んで行ってしまう事が難点だ。危ないし。そして、そのままでは燃えにくいので乾燥魔法をかける。

 ゴブリン鍋は魔法で解凍し、そのまま沸騰直前まで温めてしまう。魔法で出した水と、野菜、ハーブ、塩をぶち込んで火にかけ、後は偶にかき混ぜるだけで放っておく。


「ファイトー!」

「「「「「いっぱぁつ!」」」」」

 奇異な物を見る目で、街道を行く商人が通り過ぎていく。

 掛け声も様になってきたな。

 午後の遅い時間から始めたが、6人もいれば作業も捗る。瞬く間に5本の切り株を抜いた。人が増えると手を抜く人が現れるのは避けられないことのようで、アレンとトム、マリー辺りは、ほどほどに頑張っている振りをしているようだ。だけど厳しく指摘したりはしない。自分は先生をやっているわけじゃないからね。ジークとジョンだけでも強くなればゴブリン討伐くらいなら危なげなく行えるようになるだろう。ジークが気付いてそれを指摘するもよし。リーダーとしての勉強になるだろう。とり残された弱者が自ずから気付いて奮起するもよし。それもかれらの人生にとって重要な勉強になるはずだ。


 ちなみに抜いた切り株は、荷車に乗せられる分だけ薪にして家に持って帰った。

 マリー達は家に残して、自分は一人で荷車を引きギルドに直行した。

「区画内の切り株は全部抜いたので確認してください」

 受付のギルバートに報告した。

「ちっ。意外に早いなー。あー、今日はこれから忙しくなるから後でもいいか?」

「いいですけど、明日の朝からまた作業をしたいので、それまでに新しい区画を決めてくださいね」

「あー、くそっ!今日は残業かよ。あっ、書類も書いてねー」

「ちゃんと明日、作業代金払ってくださいよ」

「わーってるよ。次がつかえてんだ。さっさと行った行った。しっしっ」

 右手で、犬でも追い払うようなしぐさをする。全くひどい受付だな。上司にチクってやろうか。今日もこれから会議で副ギルド長のヘクターさんとは顔を合わせる事になるし。

 ちなみに後ろには一人しか並んでいない。他の受付嬢の後ろは長い列ができているのにね。

 自分の仕事を減らすためにわざとやっているのかな?

 逆恨みされるのも嫌だし、実害が出るまでは放置することにして、おとなしくギルドを去る。


 家に帰ってシャワーを浴びる。

 すると途中でシャワーが止まってしまった。

 えっ、故障じゃないよね。魔石?

 え、でもオークの魔石だよ。昨日入れたばかりの。

 取り出してみるとすっかり透明になっていた。魔力が抜けると色が抜けていくらしい。

 ゴブリンの魔石でシャワー6人分という話をお隣さんから聞いている。

 オークの魔石はゴブリンの魔石5つ分の買取価格だ。ゴブリンの魔石2つ分の魔力量しかないのか?いくらなんでもそんなことはないだろう。

「マリー!ゴブリンの魔石持ってきてー!」

 泡だらけの体なので、水場の扉から顔だけ出してマリーを呼んだ。

「はーい」

 しばらく待つとマリーがゴブリンの魔石4つ全て持ってきた。

「ありがとう」

「突然シャワーが止まると大変ですね」

「頭を洗っているときじゃなくてよかったよ」

 そんな会話を軽く交し扉を閉めた。

 しかし、マリーの声が聞こえてくる。

「あっ、トム。まさかお姉さんを覗きに来たの!」

「ちっ、違うよ!ただのトイレだよっ!トイレ!」

「本当かなぁ・・・」

 バタン。

 トイレのドアを閉める音が最後に聞こえてきた。


 その後、昼に作った干物と、黒パン、ゴブリン鍋で夕食となった。

 ゴブリン鍋はそこそこ食べられる味になっていた。もう少し改良できたら売り物としてもいけるかもしれない。

 それでもマリーやアレンは一口しか食べない。別にいいけどね。

 最後に、ポーションを6等分して飲み干した。

 手にできたマメも、擦り傷もきれいに治って最高だ。

 落ち着いたところで問題提起する。

「えー、今日、シャワ―に使っていたオークの魔石が無くなりました」

「えっ」

 みんな驚いている。

「オークの魔石の買取価格は100Crです。一日当たり50Crの出費となります」

 薬草採集は、一日一人で約20Crほどの稼ぎになる。その半分をシャワーで使ってしまったという計算になる。

「みんなシャワーいっぱい使ってしまった?」

 沈黙がしばらく続いた。

「あの・・・、服を洗うのに使ってしまって」

 アレンが白状する。

「えっと、水汲みに使った」

 トムも白状する。今朝の水汲み当番はトムだったようだ。

 すると、マリーの手がだんだん震えてきた。

「あんたたち!・・・ごはん抜き!」

「「エー!!!」」


 その後の話し合いの結果、ごはん抜きは厳しすぎるので、水汲み3日という罰則に落ち着いた。シャワーはなるべく小まめに止め、素早く済ます事にして、しばらく様子を見ることになった。


 その後、夕暮れの道をポピーナへ急ぐ。次に、プライムローズ、そして、商業ギルドで会議後に帰宅した。

 何事もなかったのにハードな一日だった。


 寝る前に、ポーションを作成。

 そして、毛抜きを手に持ち考える。

 マリーと話が合わないと困るから、一度くらいは試しておかないといけないかと思ったが、ふと気が付く。

 あっ、部屋の鍵の修理を忘れていた・・・。


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