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気ままに生きたい異世界転生 ~チートは無いはずなのに目立ち過ぎるのは困ります~  作者: アルバザーク
第一章 辺境の街

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錬金術師のお手伝い

 あ、頭が痛い・・・。

 最悪な寝起きだった。

 気持ち悪い・・・。

 これは、二日酔いだな。

 確か、毒消ポーションでも二日酔いに効いたはず。

 このポーションの素材はこの辺では見つけていないので使ってしまったとしたら作れない。

 ま、お金があるんだし、メラニアさんのところで買えばいい。

 という結論に至り、毒消ポーションのお世話になる。

 さすがに魔法薬なだけあって数分で頭痛は消えた。

 胃がムカムカするのは残っているが、キズポまで飲むのは馬鹿な冒険者になってしまうような気がしたので思いとどまった。ドクポで頭痛が、キズポで胃のムカムカが治るという事を確かめることができた。次は、両方を半分ずつ飲むことにしよう。いや、次は二日酔いになるほど飲むことは無い、と自分を信じたい。


 一階に降りるとマリー達は既に朝食を済ませた後だった。

「おはよう・・・」

「おはようございます!元気無いですね。大丈夫ですか?」

「大丈夫」

 テーブルには自分の分の朝食だけが残されていた。

 また串焼きかよ・・・。

 二日酔いの朝に串焼きはきつすぎる。

「昨日は大変だったんですよ。お姉さんがぐでんぐでんに酔っ払ってしまったから」

「ごめん・・・」

 記憶に無いけど謝っておく。

「ルーカスさんが、部屋まで運んでくれたんですよ」

 うわぁ。やっちまった~。

 テーブルに突っ伏す。

 少し思い出してきたぞ。

 祝勝会ということでルーカスさんに誘われ、優勝賞金でしこたま只酒を飲んだような・・・。

 結構な人数がいたから絶対に賞金だけじゃ足りなかったはずだ。

「なんでルーカスさんなの?」

「最初は、モーガンさんや、アーサーさんが運んでくれようとしたけど、お姉さんが暴れて」

「ごめんなさい」

「試しにルーカスさんが抱えたら、なんか急に大人しくなったから」

「えー・・・」

 うそでしょう。最悪だよ。

「ルーカスさん苦笑いしながらも運んでくれたんですから、後でお礼を言っておいた方がいいですよ」

 苦笑いか・・・。そうでしょうね。

 お酒は気をつけるようにしよう。

 ルーカスはエレーナの好きなタイプなのかもしれないな。

 自分なら絶対に元気な明るい女の子を選ぶ。

 しかし、男性恐怖症が治ったと思ったら早くも恋愛か?

 二重人格になってしまわないように気をつけないと。どう気を付ければいいのかさっぱり分からないが。

「それと、ローラさんがスパークリングワインについて話したいことがあるからお店に来てくれって言ってましたよ」

「は?」

「ちゃんと伝えましたからね」

 そうか、これだけ酔っ払った原因はそれだな。

 勢い余ってワインに炭酸を追加したんだな。記憶に無いが。

 二度もワインで撃沈するとは自分も成長していない・・・。

 ポピーナに行くのは夕方、腕相撲大会の打ち合わせ前でいいだろう。


「ところでお姉さんは今日、何するんですか?」

「お買い物かな」

 お金がたんまり入ったからね。

「いいなぁ」

「一緒に行く?」

「いえ、やめておきます」

 マリーはウサギ狩りかゴブリン狩りに行きたかったのかな。でもごめん。買い物したいのだ。

「今日も薬草採り?」

「そうですね」

 薬草は買い取り価格が上がっている状態だから順当なのだけれど。

 次のステップで重要になるレベルも筋力も上がらない。体力は少し上がるかもしれないが。

「それもいいけど、訓練してる?」

 一応聞いてみた。

「あ、いえ、それは・・・」

 マリーは視線をそらした。

 周りを見たらジークも苦笑いして視線をそらしている。

 だよね。お金重要だし。

 少し考えると・・・、筋力も鍛えられお金も稼げるいいアイデアを思いついた。

「じゃ、いつものようにお昼に南門近くの草原に集合」


 まず、メラニアさんにところに行く。

 冒険者相手の店は、だいたい朝早くから開いている。

「おはようございます。お久しぶりです」

「あら、おはよう」

 メラニアさんは疲れた顔をしていた。

「どうしたんですか?」

「しらじらしいわね。あなたが魔力草を取ってくるからハイポーション作っているのよ」

「ああ、そうでした」

「もう」

「でも、そんなになるまでやらなくても。限界ってどれだけギリギリいっぱい働いているんですか!?ほどほどにしておけばいいのに」

「そうね。その通りなんだけど。協会からの圧力もあるし。お金になるからね」

「じゃ、手伝いましょうか?」

「え?ほんとに?それは助かるけど」

「やった。では弟子と言うことですね」

「えっ?いや、それはちょっと」

「だめなんですか?」

「弟子という話になると、ねぇ。たまに手伝う程度では弟子の修行期間として認めてもらえないかも」

「ま、錬金術師への道のりはそんなに甘くないと言うことですね」

「ごめんねぇ。で、それでも手伝ってくれる?」

「いいですよ」

「じゃ、魔素注入をお願いしてもいいかしら。今できる範囲でいいから」

「今ですか?」

「そう今。こっち来て」

 そして、店舗奥の作業場に案内された。


「この前もやっていたから問題無いはずよね」

「はい。これですね」

 連勤台の上には大きなビーカーに入ったポーションがあった。

「私は、あまり魔力量が多くないから、ハイポーションの魔素注入は大変なのよね。魔石なんて使ったら利益が吹き飛んじゃうし。時間をかけたら魔素も自然に抜ける量が多くなって、さらに注入量が増えるという悪循環」

 今、疲れた顔をしているのは魔力枯渇寸前という事なのかもしれない。

 たぶん、目の前にある液体は濃縮まで完了して最後の魔素注入中の状態。量からして8本分くらいか。どれだけ注入済みか分からないが、時間がかかりそうだ。

「来週もお願いしていいかしら」

「いいですよ」

「やった。できれば、採集した次の日の午後とか」

「それはダメですね。腕相撲大会があって、午後とかポピーナでお手伝いしないといけないので」

「それでは、午前中。なんとか徹夜して準備しておくから」

「まぁ、いいですよ」

 来週は出場する予定はないし。もうレベルが高くなってしまって本選出場も無理だろう。集客も十分だからピエロを演じる必要性も無いはず。午後は炭酸注入という、これまた魔力を大量に消費するお仕事が待っているが、まだ底は見えないので大丈夫そうだ。

「ありがとうー!」

 そして、メラニアさんに抱きつかれた。

 いいサイズの双丘をお持ちですね・・・。

 ご褒美ありがとうございます。と、言葉には出さずに感謝した。


 報酬はお金ではなく毒消ポーションを貰った。売値は200Cr。あの魔素注入作業がどの程度の価値があるのかよく分からないが、30分で2万円稼いだと思ったら、なかなかの作業単価だ。エルフの魔力保有量が多いおかげだな。神様、グッジョブです。


 次に向かうのは中央広場にある大きな店。魔道具を買いに行く。

 毎日、体を拭くだけでは満足できない。お風呂は別に無くても平気だがシャワーくらいは浴びたい。

 昨日は体すら拭いていないな・・・、しまった、朝も拭いていない。

 汗臭いのにメラニアさんに抱き着かれてしまった。

 大丈夫だったろうか。

 お店に入る前に体の臭いを嗅ぐ。

 ・・・。

 通行人と目が合ってしまう。白い目で見られてしまった。


「いらっしゃいませ。何をお求めですか?」

 店に入ったとたんに声をかけられた。

「えと、シャワーの魔道具とか・・・」

「はい、かしこまりました。どうぞこちらへ」

 水回り商品の売り場に案内された。

「お客様は、最近ご活躍のリュー様ですね」

「あっ、はい」

 まさか名前を憶えられているとは思わなかった。

『ご活躍』ね。昨日は派手に恥をさらしたのに、物は言いようだな。

「こちらが普及品で2200Cr。隣が高級品で5000Crになります。こちらは意匠も素晴らしく水量も豊富で、間違いなくご満足いただける品かと思います。その他に、オーダーも賜っております」

 そりゃ高級品なんだから満足できなかったら困るってものだ。そのうえオーダーなんていくらになってしまうのか恐ろしくて聞くこともできない。

 よく見てみると、このデザインは見覚えがある。お隣さんに設置されていたのはこの高級品だ。

 自分は庶民なので高級品ではなく安い方にしておこうかな。他にもいろいろと快適生活のために買いたいものがあるのだ。

 そう思って普及品の方を見ると、隣に鏡が掛けてあった。

「鏡も気になりますか?どうぞ近くでご覧になってください」

 これも、お隣さん、レイラの部屋にあったものと同じものだろう。

「最近、製造技術が進歩しまして輸入品と比べてもそん色ない仕上がりとなっております。10000Crになります。それでも輸入品よりは安いのでお買い得ですよ」

 本当に金貨100枚とはね。お買い得じゃないよ。

 残念な気持ちで視線を落としたら、そこには金属の鏡が置いてあった。

「そちらは、古いタイプの金属鏡ですね。メンテナンスの手間はかかりますが、割れる心配もありませんし、歪みもガラス製より少ないのでお奇麗に写りますよ」

 大きさは手鏡サイズ。持ち手もついている。

「どうぞお手に取ってご覧になって下さい。それは、1000Crになります」

「ふむ」

 早速、鏡を持って覗き込む。

 反射率は悪いけど、ちゃんと見えるから鏡としては問題ない。


「ありがとうございました」

 金属鏡と、普及品のシャワー、そして、取付工事費として500Cr。計3700Crを支払った。

 魔力草採集の報酬は暁から現金で貰っているが、ポピーナのバイトは商業ギルドの口座に振り込まれている。金貨100枚以上なんて怖くて持ち歩けないよ。それでもまだ懐には30枚以上の金貨があったりする。これはいい防具を買ったりするのに使う予定。

 しかし今日はこれからすぐにシャワーを設置してもらい、マリー達との待ち合わせ場所に向かわないと。

 慌ただしい買い物になってしまった。

 次はもっとじっくり買い物を楽しみたい。


 急いで職人さんと一緒に家に帰り、シャワーを設置してもらう。

 そして、我慢できずに早速シャワーを浴びる事にした。

 マリー達との待ち合わせには遅れてしまいそうだけれど、時計など見たこともないこの世界、多少は平気という感覚になってくる。

 少しもったいないがオークの魔石をセット。

 水圧は低い。シャワーヘッドから飛び出す勢いはほとんどなく、ただ落ちてくる程度。

 お隣さんの高級品と比べてはいけないが、これでも十分に使える。

 水量は天候によって左右され、雨の日はもっと勢いがあるという話を職人さんから聞いた。

 そして、気温によって生成される水の温度が異なるので、毎回使う前に温度調節する。

「ああ、生き返る~」

 これからは毎日シャワーを浴びることができる。

 おっと、あまり待たせてもまずいので、ほどほどにしておかないと。

 急いでフィールド用装備に着替え家を飛び出した。


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