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気ままに生きたい異世界転生 ~チートは無いはずなのに目立ち過ぎるのは困ります~  作者: アルバザーク
第一章 辺境の街

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雷魔法実験失敗

 夕食が終わり部屋に戻る。

 肩と腰が痛かった。石畳はデコボコしているので、転がったときにぶつけたらしい。

 早速、作ったポーションを一口飲んでみた。苦くないって素晴らしい。そして痛みは消えた。性能は十分だ。

 まず考えなくてはならないのは自衛方法。

 剣の技量は無い。自分にもエレーナにも。

 弓を持ち歩くのはどうかと思う。大きいし。

 持ち歩いても解体ナイフくらいだろうか。

 格闘技も一切経験が無い。

 となると、やはり魔法かな。

 護身用といえば、スタンガン。電気ショックだ。

 雷出ろ!

 流石に出ないか。

 電気ショックをイメージしてバシッと・・・。

 出応え無し。

 では、電子を集めよう。

 これは手ごたえがあった。そして、髪の毛が逆立つ。

 なんだこれ。嫌な予感がする。収集ポイントを体から離そうとしたが、収集魔法の中心点を動かしにくい。というか動かしたことが無い。仕方なく徐々に魔法を解除していくと。

 パリパリッ。

 嫌な音がする。そして、次の瞬間。

 パシッ。

 乾いた音とともに指先がスパークした。

「グ!!!」

 指先から足先までが痺れ、椅子から転げ落ちた。

「いってー」

 自爆した。

 おそらく一番近くにあったプラスに帯電したこの体に雷が落ちたようなものか。魔法実験は気を付けないと死ぬかもしれない。

 さすがに光源魔法も霧散して部屋の中は真っ暗。まずは明かりをつけ、よろけながら立ち上がり、またポーションを一口飲む。贅沢な使い方だな。

 ガチャ!ドンドンドン!

 流石に学習したので今日は鍵を掛けてあった。

「お姉さん!大丈夫ですか!?」

 マリーが心配して来てしまったようだ。

 ドアを開けてマリーを中に招く。

「なにかすごい音がしたので、心配で」

「あー、ごめんごめん。ちょっとつまづいて転んじゃっただけ」

「そうですか・・・、でも気を付けてくださいね」

「あはははは。そうね」

 それから雑談しようと思ったが、マリーの臭いが気になる。

「ところでマリー、洗濯した?」

「え、ええと、まだです」

「じゃ、今からしようか」

「待ってください。あの、洗っているときに着るものが無いです・・・」

「じゃ、やめよう」

「そうですね・・・。でも、あの・・・臭いますか?」

「うん。臭い」

 はっきり言ったら、マリーはショックを受けたようでガックリと肩を落とした。

「お姉さん、お願いします。服を貸してください」

「私も今から洗濯しようと思っていたのだけれど、まあ、仕方ないか」

 今着ている服を脱いで、マリーに渡す。

「はい」

「すみません。ありがとうございます」

 自分は、鎧の下に着る革の服を着る。そして、ズボンを脱いでから革鎧のスカートを着用。マリーは自分の服を脱いで私の服を着る。大きいから太ももの中間くらいまで隠れている。

 昨日はいていたパンツに靴下、今脱いだズボンを桶に入れて洗濯へゴー。

 井戸のある中庭は、周りを建物に囲まれているので関係のない人たちは入れない。一応、探ってはみたが、襲ってきた男たちは居なかった。

 昼間のおばちゃんたちが使用していた洗濯スペースに洗濯物を置き、井戸から汲み上げた水をかける。そして、二人で足踏み洗いした。

「二人で洗濯していると夜でも怖くないですね」

 なんだかマリーはご機嫌らしい。

「そうだねー。ここは貸し切りだね。近所の人たちは、朝に使っているようだし」

 夜でも晴れていればそれなりに明るいし。ランタンは不要だ。

 洗い終わったマリーの服をまず乾燥魔法で速乾。そして、臭いをかいでみた。

「・・・」

「どうしたんですか?」

 何も言わない私を見たマリーは、いぶかしげな顔で近寄ってきた。

「少しはましになったよ。少しは。でも、これ以上は石鹸でも使わないとダメかも」

 率直な感想を言ってマリーに服を手渡す。

「・・・いえ、かなりましになったと思います」

 暗くても分かるよ。服の臭いを嗅いだ時、マリーの眉間にしわが寄ったの・・・。

 マリーに着替えてもらい、上着も洗濯。

 そして、パンツと靴下、ポケットの布切れは手洗い。はいていたパンツも脱いで洗う。マリーも自分もノーパンだ。もうこのくらいでは興奮しないよ。・・・ちょっとしか。

 乾燥魔法をかけたらすぐにパンツをはく。魔法は慣れてきて、乾燥時間は早くなったがむらがある。ところどころ冷たい部分はご愛嬌。マリーのパンツも乾燥魔法。なんの変哲もないただのトランクス。男物と同じだ。もちろん臭いを嗅いだりはしない。

「乾燥魔法便利ですね。ぜひ教えてください」

「これはちょっと難しいからまだ無理かも」

 なにせ、最近できるようなったばかりだし。自己流だし、呪文もあるのかどうかさえ知らない。

「はぁー、そうですか」

「そういえば、火魔法はどう?」

「はい!だんだん失敗が少なくなってきました!」

 弾んだ声だった。

 どこまでできるようになるのか。楽しみだ。


 桶に水を汲んで部屋に戻ってきた。

 マリーも自分の部屋へ戻ったのでいない。

 だいぶ遅い時間になってしまったが、今日はどうしても確認しておきたいことがある。ポーションへの魔素注入だ。

 手早く準備しポーションを作り始める。

 薬草の残りかすは、昨日の分も含めて今日購入したビーカー(大)に取っておく。

 さて、まずは魔素注入前の状態でどの程度の回復力か確認しておく必要がある。

 解体ナイフを取り出して人差し指に刃を当てた。

 痛そうだなぁ。

 もっと痛くなさそうなところは無いだろうか。

 ちゃんとしたポーションがあるのですぐに治せると分かってはいるのだが、自分を切るなんてことはとても勇気がいる。

 ぐだぐだ考えていても仕方がないので、覚悟を決めて指を滑らせた。

「痛っ」

 思ったよりも血がでてきてしまったので、あわてて作成中のポーションをかける。

 痛みはすぐに治まり、血も止まる。

 徐々に傷が塞がっていき表面に少し傷後が残った。

 そこに完成品のポーションをかけると傷跡も残さず綺麗な指に戻る。

 現在の効果を確認したところで魔素注入を始める。

 作成中のポーションが入ったビーカーを両手で包み込み、魔力を放出する。そのとき、魔力同調を行い自分の魔力波長を打ち消す。集中し丁寧に波長を打ち消すと放出した魔力の圧力が抜けている感じがする。ポーションに吸収されているとみていいだろう。3分くらい経っただろうか、手応えが無くなってきたので魔素注入を終了する。

 解体ナイフを取り出して人差し指に刃を当てた。

 さて、気が重い。効能を確認しなければならないのだが。

 そういえば、このナイフ洗っていなかった。

 桶の上で水魔法を使いナイフを洗う。

「痛っ」

 血がしたたり落ちる・・・。

 間違えて切ってしまったが、まぁ、ちょうどいい。そのまま傷口を洗い、今作ったばかりのポーションをかける。すると、すうっと傷口が消える。どうやら魔素注入は成功したらしい。これで錬金台無しでも普通のポーションが作れるようになった。

 本当は、自分以外の人にも効果があるのか確認したいところなのだけれど、それはお願いしにくいからなぁ。

 ポーション瓶に使った分のポーションを補充し、体を拭いてさっさと寝る。

 今夜はいい夢が見られそう。


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