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気ままに生きたい異世界転生 ~チートは無いはずなのに目立ち過ぎるのは困ります~  作者: アルバザーク
第一章 辺境の街

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コレ

 メラニアさんとの会話で思い出したけど、サラのバンダナを借りたままだった。

 自分用のを買いに行く。

 何を買ったらいいのかなんて分からないので、店員さんのお勧めで適当に買ってしまったが100Crもした。似合っているのかどうかなんて分からない。

 次は、サンダルか。

 また店員さんのお勧めで適当に買ってしまったら50Crした。高いのかどうかもわからない。かわいいのかどうかも自分では分からない。

 次にこういうアイテムを買うときは女子力の高い人に一緒についてきてもらおう。・・・いや、かわいくなる必要ないよね。適当でいいか。

 宿に帰って、サラのバンダナを洗濯。そして、魔法で乾燥させる。この魔法は便利だ。そして昨日摘んできたハーブの中で香りのよいものを選んで香り付け。ほんのりと。ここはエレーナの記憶と感性を総動員した。

 そして気が付く。

 買い物とかはエレーナになりきればそれだけでいいのでは?


 忙しいけど冒険者ギルドに行く。あまり遅い時間だとサラの仕事が忙しい時間帯になってしまうかもしれない。

 行くとまだ人はあまりいなかった。

 買い取りカウンターで暇そうにしていたトーマスに声をかける。

「サラちゃんいる?」

「おっ、それ買ったのか。いいねえ。バンダナ気に入ったのか?」

「トラブル回避アイテムなんでしょ」

「まぁ、そうなんだけどな。もうギルドじゃ隠しても遅いぞ」

「せっかく買ったのに・・・」

「いいじゃないか付けてれば。似合っているよ」

「うげぇ。トーマスに言われてもうれしくない」

「『うげぇ』は無いだろ、『うげぇ』は、ったく。ちなみに街中でもおまえさんの噂はすごい勢いで広まっているぞ」

「そう。もう遅かったのね」

「ポピーナで腕相撲やったからな。サラも一緒になって広まっているよ。狭い街だしな」

「あれかぁ」

「そして俺も通りを歩けないほどにひどい扱いなんだよ。お前らとワンセットでな」

「日頃の行いのせいよね」

「ひでぇよ。お前が、金貨なんてかけるから」

「勝つ気満々だった癖に。それより早くサラちゃん呼んで」

「ああ、そうだった。ちょっと待ってろ」


 しばらくすると、サラを連れて戻ってきた。

「サラちゃん、これありがとう」

 借りていたバンダナを返す。

「いえいえ、どういたしまして。あれ、これなんかいい匂いしますね。ありがとうございます。あと、そのバンダナ買ったんですね。よく似合っています」

「ありがとう。そしてちょっとしたお礼」

 小さな包みを渡す。

「これなんですか?」

「クッキー」

「えっ、ありがとうございます」

 サラはいい笑顔だった。

 よし、甘いものは間違いない。さっきの買い物の途中で買っておいてよかった。

「ところで、サラちゃんは腕相撲大会出ない?」

「うーん。どうしようかなぁ。出たい気持ちもあるんですが、リューさんが出るなら。かな」

「そうきたか。んー、男性恐怖症があるからなあ。手を握れないんだよね」

「そうなんですね」

「でも、少し慣れてきたからいけるのかもしれないけど・・・」

「じゃ、今、試してみたらどうですか」

 サラと見つめあってから、二人でトーマスを見た。

「コレ?」

 トーマスを指さす。

「おいっ!『コレ』は無いだろう」

 トーマスの突っ込み。

「くすっ、そうコレ」

 サラは笑いながら乗ってきた。

「サラまで言うのかよ」

「あんたが先に言ったんでしょうが、私の事を」

「いつ?」

「昨日、ポピーナでの顔合わせるときに」

「え、そんなひどい事言ったか?」

「はい、言っていました」

 サラからも援護射撃があった。

「それは、すまなかったな」

 なんか少しは反省しているような雰囲気なので許すことにした。

 右手を出す。

「なんだそれ」

 トーマスは不思議な顔をしている。

「仲直りの握手」

「そうか。じゃ」

 手を握る前はちょっと緊張したけれど、特に問題無さそう。

 最近の生活ぶりと、あと、龍平の記憶が定着したのが大きいのだろうか。

 ホッとしたところで、いたずら心が刺激された。

 強く握る。

「いてててて!おい、コラ、早く放せ!」

 トーマスは必死になって手を振り払った。

 サラは笑っていた。

「大丈夫みたいですね」

 自分も笑う。

「大丈夫みたい」

「おい、仕事ができなくなるじゃねーか!」

 トーマスは本気で怒っている。

 それを無視してサラと二人で笑いあう。

「男として認識していなかったりして」

 さらに追い打ちをかける。

「弱っちいですものね」

 サラも言うねぇ。

「おまえらいい加減にしとけよ。腕相撲に勝ったくらいで」

「じゃあ、トーマスさんも参加でいいですか?」

「えっ、・・・いや、それは無理だろ」

 急におとなしくなったトーマス。

「腕相撲の借りは、腕相撲で返さないと」

「俺、冒険者じゃないんだよ。ただのギルド職員。無理だよ」

「サラちゃんもただの職員で、十代の女の子」

「リューさんも確か冒険者なりたてですよね」

「そう、Fランクで、まだ四日目だったかな」

 サラと二人でいじりまくる。

「お前らがおかしいんだよ」

 落ち着いたところでギルドの扉が開いた。

「あっ、お姉さーん!」

 この声はマリーだな。

 振り向くと全速力で走ってきていた。

 ちょっと屋内でその速さは危ないんじゃないかな。

 そしてその勢いのまま、どーん。と、お腹にダイブしてきた。

「ぐほっ」

 いくらレベルがあるといっても、腹筋固めたらマリーの肩が外れそうな勢いだった。

 仕方なくなるべく優しく受け止めたら少しのあいだ息が吸えなくなった。

「げほっ、げほっ、ちょっとマリー。危ないでしょ」

「ごめんなさーい」

 気持ちのこもらない謝罪。私の周りにはこんなのばっかりだ。

「あっ、お姉さん。それ買ったんですか?サンダルも?」

「そう」

「とてもよく似合っています!」

「あ、ありがとうね」

 大声なのでちょっと恥ずかしい。

「いいなぁ・・・」

 おねだり来たよ。別にいいけど。

「今度一緒に買いに行こうか」

「いいんですか!?」

 マリーは歓喜する。

 ここで『一緒に行くとは言ったけど、買ってあげるとは言っていない』なんて言ったらマリーは一生口をきいてくれないかもしれない。

「いいなぁ」

 今度はジークだった。

「あんたらは自分の稼ぎで何とかしなさいよ。男でしょ!」

 マリーそれはかわいそうだよ。稼ぎは全部マリーが管理しているのだから。

 ジークはへこむ。

 もう少しお金が入ったら何か考えてあげようかな。

「じゃあお姉さん。今から行きましょう。さあさあ」

「いやいや、マリー。今から商業ギルドだから」

「あっ、そうでした」

 てへっ、とか言いそうな感じで舌を出している。

「あれ、もう行くのか?というかそいつら連れて行くの!?」

 トーマスが驚いたような顔をしている。

「えーと、大会の打ち合わせじゃなくて、家を借りようかと思って」

「そうか、家をねぇ。え、誰が借りるって?」

「私」

「そうか、まあ収入的には問題ないんだろうが、借りれるのか?冒険者初めてまだ4日目だろ」

「なんかスティーブさんが交渉してくれたらしいです」

「あいつか。すげーな。どんな裏技使ったんだ」

「まぁ、私もよくわからないので、ちょっと今から行ってきます」

「そうか、じゃまたあとで」

「そういえば、トーマスさんは大会を手伝ってくれるんですか?」

「当日は警備責任者にされてしまったから無理だけど、準備なら手伝えるぞ」

「わかりました。サラさんは?」

「いいですよ」

「明日とか」

「えっ、はっはい、明日ならちょうど休みです」

「朝にここでいい?」

「はい」

「じゃ、明日よろしく」

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