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気ままに生きたい異世界転生 ~チートは無いはずなのに目立ち過ぎるのは困ります~  作者: アルバザーク
第一章 辺境の街

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大会の打合せ

 帰りに冒険者ギルドに寄りオークを換金する。

 3匹で9500Crになった。一部食べたのにこの金額。すげえ。

 普通は1匹持ち帰るのが限度だそうな。マジックバッグすげえ。

 消耗品分を含めて2000Cr貰った。

 一気に懐が潤う。

 冒険者稼業マジすげえ。

 オークくらいなら狩りに出てもいいんじゃないかと思ってしまう。

 一日かけて魔力草取りに危険な地域に行くより、近場で安全性も高く半日でこの稼ぎならこっちのほうが良くない?

 こりゃ命かけてでも冒険者になりたいと思うのは当然か。

 しかし毎日オークが狩れる保証は無い。

 実際シルバーウルフはゴブリンを見つけられず、今日は森の中を歩き回って疲れただけらしい。ギルドに寄らずに帰ってしまった。

 索敵魔法が有ると無しでは天地の差があるのかもしれない。


 買取窓口は当然トーマスだった。

「冒険者ギルドの担当者は俺になった。帰ってくるのが遅いからギリギリになってしまったが、日没時間に商業ギルドの会議室集合だ。まだ間に合う。このまま行くぞ。ちょっと副ギルド長を呼んでくる」

 そのまま商業ギルドに向かうことになった。

 冒険者ギルドからはトーマスと副ギルド長。

 アーサーとリュー。

「おめえさん、これ付けとけ」

 手渡されたのはバンダナ。

「なに、プレゼント?」

「サラのを借りてきたんだ。耳隠しとけ。貴族に知られると面倒なことになるかもしれん。ここの領主様は良識のある方だと聞いているがな。今日は代理人という話だが用心のためだ」

 貴族は関わらない方がよさそうだな。いい人なら逆に後ろ盾になってくれるかもしれないが、上の爵位の貴族がでてきたら逆らえないんだろうし。

 昨日今日で思わぬ臨時収入があったし明日また買い物しようかな。サラにはもっとかわいいのを買ってあげよう。となるとマリーにも必要か。自分のセンスに自信は無いが。あ、錬金術師のメラニアさんがいた。何回かお店に通ったらお友達になってくれないだろうか。


 商業ギルドは冒険者ギルドと比べてずいぶんと落ち着いた雰囲気だ。商談スペースのようなものがたくさんある。

 それらの間を進み奥の会議室に通された。

 中ではローラが待っていた。そしてすぐに商業ギルドの人間も入ってきた。

 上座が一つだけ空いている。

「私が、ギルドマスターのウォルターだ。そして、担当のレイモンド」

「レイモンドです。よろしくお願いします」

「後、領主の代理人が来ることになっている。が、その前に確認しておきたいことがある。レイモンド頼む」

「では今回は、居酒屋ポピーナで腕相撲の大会を開きたいということで、我々商業ギルドはその運営スタッフの紹介やノウハウの提供ということで、間違いないだろうか」

 女将さんや、アーサー、トーマスを見ても答えようとしない。あれ、これ私が代表?

「はい。後、賭け事を行おうと思うので、許可や税率等について領主様との交渉をお願いしたいです」

「ふむ。こちらで聞いていた話と違いは無いようだ」

「参加者は冒険者が多くなると思いますので、冒険者ギルドには参加者募集について、ギルド内で広告の張り出しや受付をできればお願いしたいです。それと、警備ですね」

「冒険者ギルド副ギルド長のヘクターです。警備は普通の依頼で処理可能だし、広告の張り出しは問題ないが、受付とは?」

「それは、今思いついたのですが、やはり優勝候補はフォレストワースで活動中の冒険者になると思うのですが、そういう猛者が急にエントリーしてきたり、エントリーに間に合わず出場できないと盛り上がりに欠けると思うので、フォレストワースの冒険者ギルドで受付できればどうかと思ったのですが」

「それはすぐには返答できないので、持ち帰って検討させてほしい。むこうのギルドとも相談しないといけないのでね」

 コンコン。

「失礼します。領主代理人サイモン様が到着されました」

 それを聞いて、みな立ち上がり姿勢を正す。おろおろしているのは自分だけだった。え、なんか急に緊張感が増したのだが。

 失敗したと今さらながらに思う。昨日はお酒を飲んで気が大きくなっていたからこんな話になってしまったが、仲間内でワイワイやっているだけでよかったのではないかと・・・。

「私は貴族でもないし、代理人というだけので、そんなに気を使わなくて結構だ。では、座って話そうか」

 皆、着席する。

「腕相撲大会を開きたいということだったね。この街は、辺境で娯楽も少ないし、そういう催し物は大いに結構。必要なら、中央の大広間を使ってもらっても構わない」

 その言葉に女将さんはギルドマスターを睨む。

「いえ、まずは小規模からスタートしたいと思います。盛り上がるようなら、使わせていただくような事になるかもしれませんが。その時はまた相談させていただきます」

 女将さんから趣旨は聞いているようだ。この分だと話は全てギルドマスターに任せてしまってよいということかな。

「それと、賭け事を行いたいとの話だったね。税率は賭け金の5割でよい」

 それはまずい!高すぎる。ギルドマスターに目配せする。が、どうやら分かっているようだ。

「どちらが勝つのかという賭けを行った場合に、双方に同じ金額がかけられたとき、税率が5割だと、勝った方に掛けていても全く賭け金が増えないことになります。これでは賭けが成立しません」

「それはそうであるな」

「なので、賭け金のうち払い戻し率は8~7割を考えています。残りの2~3割から運営費や利益を出さねばなりません。税金は、賭け金ではなく、そちらの5割ということにしてはいただけないでしょうか?」

「ふむ、5割か。ならそれでよい」

 え、そうなの?5割なら何でもいいとか?元々何に5割の税金をかける予定だったのか勘違いしていたとか。領主様との話で5割という数字があれば納得させられるのか。単に頭が弱いだけか、分からん。

「すぐに、議事録を作成して一通をサイモン様にお渡ししろ」

 部屋の隅に控えている書記官に指示する。

「他には何かあるかな?」

「詳しくはこれから詰めていくことになりますので、詳細が決まり次第報告と、必要があれば相談させていただきます。では、サインを」

 早っ。もう議事録が書きあがったようだ。それも二通。

 代理人とギルドマスターでサインを入れた。

「うむ。ではそのように。何分忙しい身でな。これにて失礼する」

 代理人が退出し扉が閉まると、ため息がどこからともなく聞こえてくる。

 ギルドマスターはこちら側の味方だったようだ。流石に優秀だね。あっさりとんでもない税金を回避してくれた。

 その後、商業ギルドのギルドマスターと冒険者ギルドの副ギルド長は退席し、後は担当のレイモンドが中心となって物事がテキパキと決まっていく。とても優秀だ。この人は、将来のギルドマスター候補なのかもしれない。

 ここは任せてしまっても問題なさそうだ。

 参加者の受付はポピーナで。16人くらいを目安にする。足りない場合は、暁に協力してもらうこと。私は強制参加らしい。男子相手がどうしても無理そうならトーナメントでの対戦相手をうまく調整してくれるとのこと。ランク区分は、今回は無し。参加料銀貨一枚を受け付け時に徴収する。優勝者が全員分の参加料を受け取り、優勝賞金とする事。

 賭けは、優勝者を当てるものと、個々の試合の勝者を当てるものの二種類。

 そして正式にマデリン腕相撲協会なるものが発足することとなった。

 いつの間にか、そのトップに祭り上げられてしまっていた。はぁ、マジか。いいのそれで?

 と思ったが、この場にいる会長候補が他にアーサーしかいないし、明日から5日間、商隊の護衛でこの街を離れるわけだから消去法ということだ。後で変えてもいいという話だったので、とりあえずってことで受けることにした。

 リングの周りには有料の座席やテーブルを設けることとなり、その収入は全てポピーナ。

 ただし、関係者席として商業ギルド、冒険者ギルド、腕相撲協会の3つテーブルが用意される。

 賭けの儲けは半分が税金、残りから冒険者ギルドに警備の人件費が支払われ、その残りが商業ギルドと腕相撲協会に半々に分配される。

 商業ギルドは賭けに関するすべてを担当する。腕相撲協会は、リングの用意、ルールの作成、ポスターの作成、当日の大会の運営を担当し、それらにかかる人件費や経費はそれぞれが支払う事になった。

 これ、賭けが盛り上がらなかったら、腕相撲協会として赤字になるのでは?

 お任せしていたからこうなったのか。それは自分が悪い。反省しよう。

 しかし、商業ギルドも赤字になるか、人件費だけではないだろうから。

 大会は7日後、参加受付締め切りが1日前。

 打ち合わせは毎日この場所で、ということになった。

 レイモンドはさっさと退出する。

 あーでも無いこーでも無いと議論しながら決めていくのもいいが、優秀な人にサクッと決めてもらうというのも早くて楽でいい。決まった内容に特に異論は無かったし。


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