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気ままに生きたい異世界転生 ~チートは無いはずなのに目立ち過ぎるのは困ります~  作者: アルバザーク
第一章 辺境の街

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ライバル

「いやあ、これは気持ちがいい」

 女性陣の次はアーサーが入った。

 そして今上がってきたところだ。

「今ここで、昨日飲んだあのエールが飲みたい」

 アーサーはジョッキをあおる動作をしてこっちにウインクした。

 げっ、やめて。

「そんなことをしても、エールは出てきませんよ」

「それは残念」

 エールは無理でも冷たい水くらいなら用意できる。魔法でね。

 手に持っていたコップを手渡す。

「代わりにどうぞ」

「ありがとう」

 アーサーは冷水を一気に飲み干した。

「いやー、うまかった。魔術師は魔力の温存のため、あまりこういうところに魔法を使ってはくれないんだ」

「ああ、そうなんですね。もう帰るだけなので、全く気にしていませんでした」

 受け取った空のコップを見てマリーが赤い顔をしている。

 思春期の子供じゃないんで関節キッスなんて気にしませんよ。

「あんちゃーん。アーサーあんちゃーん」

 誰かが街道から走ってくるのが見える。

 ええと、あれは確かギルドで会ったな。そうそうシルバーウルフとかいうジーク達のライバルチームだ。笑顔で走ってくるけど気が付いていないのか?

 さすがに途中で気が付いたようで表情が険しくなった。

「なんでお前たちが、アーサーあんちゃんと一緒にいるんだよ!」

 真っ先にジークに食ってかかる。

「ああ、肉くれるって言うから」

「寄生してんじゃねーよ!」

「寄生してんのはお前らだろ」

 なんか少しジークの方が大人な対応?

 こっそりアーサーに声をかける。

「これ舎弟(しゃてい)?」

「舎弟!?いや、そんなんじゃないが。家が近くてな、子供のころ一緒に遊んだりしたんだ。だからまぁ、ちょっと面倒を見ている面もある」

「だったら、なんとかしてくれない?」

「そうだな。おい、エディ」

「んうぉ」

 アーサーはエディの首を抱えて離れたところに連れていく。これは指導というやつだろうか。

「お前、何しに来たんだよ」

 少し低いアーサーの声。

「あっ、えっと」

 縮こまるエディ。

 エルフは耳もいいらしい。良く聞こえる。

 アーサーも少しジェントルマン風を装っていたけどやっぱり体育会系だな。

 シルバーウルフの他のメンバーはおろおろしながらアーサーについていった。

 ジークは突然のことにキョトンとしている。

「わかっていると思うけど、ジークも(あお)らないでね」

「俺らはもともとそんな相手になんかしてないし・・・」

 自信なさげの返事だが、いいよ、戻ってきたエディと喧嘩しなければ。

 しばらくするとアーサー達が戻ってきた。

「なんか少し勘違いしていただけのようだし。ジーク。さっきの態度は許してやってくれないだろうか」

 エディはうつむいたまま何も話さない。

「あ、あぁ。俺たちは別に」

「よし、それじゃ、エディ達も少し食べてくか?残り物でよければ」

「うん」

 エディは、やっと声を出した。

 少ないがスープとマンガ肉の残りがある。マンガ肉は表面を削いだら味が無くなるので塩味を付けていたが、塩味だけだと少し臭みが気になったためか結局残っていた。

「リュー、こいつらの面倒を見てくれとは言わないが、見かけたら少しでいいから気にかけてやってくれないか」

「そのくらいならいいですよ。ただ、ゴブリン狩りとか行かないですからね」

「あはは、本当に見かけたらって感じでいいよ」

 アーサーはエディの背中をバシッと叩く。

「よ、よろしくお願いします」

 手を出してくる。握手ですよね~、困ったな。

「ごめんね。男性恐怖症で、握手できないの。ハイタッチでいい?」

 チョンと手のひらを合わせる。少しずつ慣らしていくのだ。

 そんな事をしているとルイスとスティーブが戻ってきた。

「おっ、お前ら久しぶりだな。元気にしていたか」

「うん、今はゴブリンを狩っているんだ」

 スティーブは気さくで面倒見の良い感じだ。

「じゃ、次俺ら行ってくる」

 次はジークとジョンが風呂に入りに行くようだ。結局みんな二人づつ入っている。

「水が少なくなっていたら足して、ぬるくなったら石を入れるんだよ」

 忘れているといけないから声をかけておく。

「ああ、大丈夫。足してきたから」

 と、スティーブ。気が利くね。

 鍋を作る時も中心になってやっていたし、アーサーの妹と結婚できたのはそういうところがポイント高かったのかな。

「どこに行ってたの?」

「お風呂だよ、お風呂。お前ら知ってるか?そうだ、せっかくだから、最後に入っていけ」

 エディの質問にスティーブが答える。

「お風呂?」

「ああ、気持ちいいぞ」


「ところで、毎日宿代を払っていると大変だろう」

 アーサーが私とジークに話しかけてきた。

「確かに」

「うちらは、パーティで家を借りているんだが、どうだい?隣が空いているんだよ」

「いくらなんですか?」

「1600Crだ。うちと大きさは同じくらいだから、多分」

「そこそこしますね。そんなお金ないですよ。確かにみんなで割れば安くなりますが」

「リューは、今日の稼ぎがあるから大丈夫だ」

「今日の稼ぎ?オークですか?」

「そう、期待していてくれ」

「はあ」

「とにかく、長くこの街にいるつもりなら借りた方がいいと思う。ま、考えてみてくれ」

「隣っていうのがなぁ」

「そうだ、今日ちょっと寄っていくか?うちらのホーム。妹も紹介したいし」

「ちょっとならいいですよ」

「よし決まりだ」

 あれ?結局ジークは何も口を挟まず決まってしまったが良かったのだろうか?

 お金はマリーが管理しているようだし何も言えなかったのかもしれないが。

「お姉さんと一緒の家。いいですね」

「うぉっ」

 びっくりした。すぐ後ろにマリーが居た。

 え、これ、なし崩し的にアイアンイーグルに組み込まれてしまうとか、それはちょっとどうなんだろう。


 そんなこんなで、今日は他の冒険者の知り合いも増えた。

 アイアンイーグルとシルバーウルフは今日のところは休戦といった雰囲気だが、明日はどうなるのか分からない。しかし、そんな仲を取り持ったりするつもりはない。本人同士で解決してくれ。


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