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気ままに生きたい異世界転生 ~チートは無いはずなのに目立ち過ぎるのは困ります~  作者: アルバザーク
第三章 魔法学園

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入学前の平穏な一日

 それから入学まで穏やかな日々が続いた。

 今は夏だが王都はそんなに暑くない。寮の部屋にも暖房の魔道具はあるのに冷房は無い。

 図書室で知識欲を満たし、お昼の後は庭園の木陰で昼寝。

 晴れた日に木陰で横になり、そよ風を肌で感じながら目をつぶると、気持ちが良すぎて寝てしまう。

 こんなに穏やかな日々は未だかつてあっただろうか。

 盗賊に襲われたときの心の傷も少しずつ癒えていった。

 週一回、ナタリーとお出掛けしてお買い物。


 そんなとある一日を紹介する。


 *****


 朝、目が覚める。

 時間はおそらく6時くらい。

 雨戸は閉めているから部屋の中は暗いが、早起きが習慣になってしまっている。

 ナタリーを起こさないように、静かにベッドから抜け出して制服に着替える。

 つい先日仕立て終わった物だ。

 かなり控えめに光源魔法を使用し鏡の前で全身を確認するが、この制服のデザインは日本の女子高生のようだ。

 これは・・・絶対に賢者様の趣味だろうな。スカートの長さが膝上じゃ無くて良かった。

 髪をとかしてからトイレに行く。

 寮の廊下を寝間着姿で歩く寮生も居るようだが、自分は少し抵抗がある。

 朝食までには時間があるので学園内を散歩する。

 制服が届いてからは気兼ねなく出歩けるようになった。私服だと呼び止められる事も多かったから。

 グラウンドを走っている生徒も数人見かけるが、自分はしない。基本は怠け者なので。

 マデリンでは切り株抜きをしていたが、あれはマリー達の訓練に付き合っていたのと、斧を振り下ろすのが楽しかったから。筋トレは三番目くらいの理由だ。

 だが興味のある事には努力も惜しまない。

 足元に板状の防御魔法を連続して敷き詰めながら、スケートのように足を動かさずに移動している。なにせ空気抵抗のみだから気持ちよく滑っていく。

 こんな朝早くから出歩いている口うるさい先生はいないし、見た目では魔法を使っているなんて分かるまい。

 これでも最初は大変だった。平面にならなくてバランスを崩したり、つなぎ目でつまずいたり、強度不足で防御魔法が割れたりして何度も転んだ。

 盛大にスカートがはだけたりしたのだが、人もほとんど居ないし、スパッツ履いているから見られても平気。

 そんなことより転ぶと痛い。

 防御魔法はスケートリンクのようにカッチカチだ。

 なので、青たんができる前に躊躇(ちゅうちょ)無くポーションを少し垂らす。

 魔法薬って本当に便利だ。

 そんな努力の甲斐もあり、今では防御魔法にバンクを付けたりして曲がる事もできるようになった。

 これからはどんどんスピードを上げていって走っている人を追い抜く事が目標だ。


 散歩から帰ると雨戸を開ける。

 このタイミングでだいたいナタリーは目を覚ます。

 ナタリーの着替えとお化粧が終わるまでの間に、布団を魔法でチリチリになるまで温め、その後、乾燥魔法。寮のシーツは新しいようだが布団は古い。ダニやノミがどうしても気になるのでやり始めたのだが、これをやっておくと気持ちよく眠れるので毎日の習慣になってしまった。魔法だと乾燥機の準備とかも不要で簡単だから。

 そしてそれは当然ナタリーにも知られる事になり、今では二人分やっている。


 食堂でナタリーと朝食をとり、バイトに行くナタリーを見送ると、その後は図書室に向かう。

 まったりと好きな本を読みふけり、お昼の鐘で食堂へ。

 昼食をとった後は天気が良ければ庭園へ足をのばす。

 グラウンドが見える大きな木の木陰に敷物を敷き、ティーセットを広げる。

 ティーポットに茶葉を入れ、魔法で水を出し、そして温める。

 お茶を飲みながら、自由気ままに昼寝する。

 このひとときがなんとも気持ち良い。

 こんな贅沢(ぜいたく)な時間の使い方をしても良いの?

 そして、結構色々と買い物をしていたりする。

 お金があるって最高!

 次は、おやつも買っておこうかな。


 ナタリーが帰ってきたら夕食を一緒に食べ、シャワーを浴び、洗濯をする。

 洗濯場は風呂場の隣にあった。ここでも水を使うときは自分の魔石を使用する。魔石を使わなくても魔力を流し込めば水は出るから自分は使わないけど。

 ここに洗濯機は無いのだが、一つだけ現代より便利な魔道具がある。それは乾燥機。なんと一瞬の間に乾燥する。

 使用する魔力は乾燥させる水分量の水を生成する場合と同じ程度。はっきり言ってとても安い。そのため寮に洗濯物を干す場所は無い。

 洗ってすぐに着られるので、スペアの服や下着が不要なほどだ。


 夜・・・と言っても8時くらいでもまだ明るいのだが、ナタリーにポーションの作り方を指導する。

 一番難しいのは薬効抽出時の温度管理。温度が低ければ抽出に時間がかかるし、雑菌が死滅しない。高ければ成分が変質してしまう。

 ちなみにナタリーはまだ魔法が使えないので、私が錬金台を売店で買ってきてナタリーに貸している。自分も相当にお人好しなのかもしれないが、あって困る物でも無いし便利だし。使う薬草はナタリーがちゃんと自分で買っている。

 失敗作は濃度を調整するなどしてポーションとして使えるレベルのものを溜めている。失敗とはポーション一本分の薬草から一本のポーションができないこと。

 普通は錬金ギルドに未加入の人がポーションを作って売ってはいけないのだが、この学園内だけは売る事ができる。魔法騎士科の生徒は怪我が多いそうで、お金の無い生徒はこの自作ポーションをよく使うのだそうだ。できの良いポーションを作れるようになると人気も上がり、下手なアルバイトより儲ける事もできるそうで、ナタリーもそれを目指している。


 溜めておいたポーションは売る直前に魔素注入する予定で、腐らないように冷凍してある。

 今日のできは30%といったところかな。正確にはわからないけど色を見て判断した。

 何故そんな事ができるかというと、作ったポーションを授業料として少し分けてもらっている。それを転んだときに使って治り具合を見ていたら判るようになってきた。

 だんだんと良くなっているようだけど、温度計とか売ってないものだろうか。


 そして外が暗くなり始める夜9時頃、ふかふかの布団に潜り込み良い夢を見るのだ。


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