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気ままに生きたい異世界転生 ~チートは無いはずなのに目立ち過ぎるのは困ります~  作者: アルバザーク
第三章 魔法学園

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女子寮

試験は終わった。

暫く暇になる。

図書館は無料ではなくなり、銀貨を一枚徴収されるようになってしまった。が、せっかくなので勉強に全く関係なく、好奇心に任せて色々な本を読んだ。

そう言えば、ポッチャリには会っていない。何をしているのかな。


ちなみに、教会にも行ってみた。

王都の教会は大きくて、装飾過多で、お金がかかっているなぁという印象。

素晴らしい彫刻や、ステンドグラス、名画にも感動したよ。

でも、いつの世も宗教関係はこんなものだろう。

それよりも気になる事があったのだ。

賢者様の伝記を読んでみたが、明らかにチート持ちだろう。いくらか話が盛ってあるとしても。

自分だけチートが無いなんて差別じゃない?

みんなと同じが良かった。

こんな気持ちになってしまうなら、他の転生者の事なんて調べなければ良かった。

この前までは、現状に満足していたのに・・・。

礼拝室で神に祈る。

・・・。

・・・。

・・・。

しかし、どんなに語りかけても何も起きなかった。

よし!

本当に好きに生きさせてもらいますよ。

ダラダラと寿命が尽きるまで。

他の転生者のように大きな事を成したりはしないし、国を作ったりもしない。

もしかして、崇めている神様が違っていた、なんて落ちは無いよね・・・。

聖女が神様の使徒という扱いだから、間違いは無いはず。


*****


合格発表の日がやってきた。

ドキドキしながら学園に行く。

門をくぐってすぐの所に合格者の一覧が貼り出されていた。

「176番、176番・・・、よし、あった」

右手で小さくガッツポーズ。

ポッチャリは合格したのだろうか?

そう言えば、名前も知らなかった・・・。


そのまま、校舎内の窓口で入学の手続きを行う。

その後すぐに仮の学生証が発行された。

寮も申し込みをした。

王都に家がある学生以外は、ほぼ寮に入るそうだ。

学費が2000Cr、寮で1200Cr。レイラさんの話と同じ金額で、インフレはしていないようだ。商業ギルドのカードで払う。

商業ギルドのカードを使用する場合、普通は親が支払うので、学生本人というのは非常に珍しいらしい。何度も確認されてしまった。

部屋は既に空きがあるとのことなので、今日から入寮できるようにお願いした。


早速、宿に戻り引き払う。

旅行鞄にコートを(くく)り付け、弓と矢を背負って戻ってきた。

すると、門番に止められた。

当然か。

仮ではあっても学生証があって良かった。

でも剣を持っている学生は多いのに、弓は珍しいらしく注目を集める。

ヒィ~。

俯いて髪の毛で顔を隠しながら、そそくさと早歩きで寮に向かった。

すると『エルフだ』という(ささや)く声が聞こえてくる。

ヒィ~。

こんどは耳が見えてしまったようだ。

最近は緩い三つ編みで上手く隠せていたのに。

また何かをするとドツボにはまりそうな気がしたので、それ以上は足掻(あが)かなかった。

普通でいいんだ。普通がいいんだ。


校舎に入り、そのまま進むと中庭があり、その先に食堂がある。

廊下の右に平民用、左が貴族用の食堂だ。

その平民用食堂の奥に女子寮への入り口があった。

男子は廊下を挟んで反対側。貴族用の食堂の隣に男子寮へと続く通路がある。

女子寮の入り口近くに学生と思われる人が何人かいた。

近づいていくと、声をかけられた。

「入寮希望者ですか?」

「はい」

「お名前を伺っても?」

「あ、すみません。リューです」

「はい。リューさんですね。私は、二年のイザベラです。よろしくお願いします」

「よろしくお願いいたします」

「では、案内しますので、付いてきて下さい」


入り口を入ると真っ直ぐな廊下が続く。

左に窓があり、廊下は暗くない。

イザベラは右にずらりと並ぶ扉の一つをノックする。

「はーい」

中から返事が聞こえてきて、扉が開かれる。

「あ、イザベラ様。先ほどぶりですね」

そう言って部屋から出てきた女生徒は微笑んだ。

「忙しくて済みませんね。こちら、同室のリューさんです」

同室だとっ!

心の動揺を必死で抑え込む。

「ど、ど、どうも、リューです。よろしくお願いいたします」

個室じゃなかった事にも驚いているが、こんなかわいい子と一緒の部屋なんていいのでしょうか?

「ナタリーです。これからよろしくお願いいたしますね」

その笑顔にやられてしまった。

相部屋でも全然OKです!


部屋に入るとイザベラが説明を始める。

「ここにあるのが、暖房のつまみです。隣の箱に魔石を入れておくと使えます。魔石は食堂にある売店で売ってます。ここから魔力を流すと魔石が無くても使えるので、魔石を節約したい時はどうぞ」

暖房は、暖炉やストーブでもなく、魔道具とは。さすが魔法学園。

部屋は縦長で窓が1つ。ガラス窓だが外の景色は歪んでほとんど見えない。部屋はあまり広くはない。ベッドと机が2つ。入り口付近にロッカーが2つ。机の前の壁には魔石灯が1つずつ。

「ここに保管庫があります。自分の魔力を流しておけば、自分以外では開けられなくなります。しっかり流しておけば一週間くらいは大丈夫です」

貴重品をしまっておけそうだ。鍵じゃないというのは便利。個人認証機能じゃないか。

でも部屋とロッカーは普通の鍵だった。


その後は部屋の外へ出て廊下の突き当り付近に移動。

「ここがトイレ。こっちがシャワールーム。シャワーの魔道具には魔石が入っていないから、使うときに自分の魔石を入れてください」

トイレはウォシュレット。防音機能まで付いている。

近くに洗濯場もあった。

「ここが風呂場です。予約が必要ですが、金貨一枚で誰でも入れますよ」

無駄に広い浴室に、足が付いているバスタブがちょこんと鎮座(ちんざ)していた。

「ずいぶんと高いんですね」

「お湯は全て魔道具で用意しますので、魔石代と考えて下さい。それに、誰でも入れるという建前ですが、基本的に貴族用です」

金貨一枚か。でも、疲れたときとか、何かのご褒美で入るのは有りなのではないだろうか。

一通り説明が終わるとイザベラは寮の入り口へ戻っていった。今日は一日、新寮生の案内役なのだそうだ。


「ベッドを先に取ってしまってごめんなさい」

部屋に戻るとナタリーが謝ってきた。

ナタリーいい子や。

「いいのいいの。気にしないで」

「リューさんは、騎士科ですか?」

「ううん。魔道具科」

「その弓は?」

ちょうど弓をロッカーにしまっていたから、何か勘違いをしたのかも。

「あー、冒険者やっていたから。これは仕事道具」

「自分で学費を貯めたんですか? こんな歳から大変ですね」

どうやら年齢について勘違いをしているようなので、最初に説明しておこう。

「私、こう見えて39歳だから」

髪の毛をかきあげて耳を見せる。

「あっ。エルフのかたでしたか」

「でも、気にせずにリューって呼んで」

「はい。私もナタリーって呼んでください」

「OK。ナタリーは何科?」

「錬金科です」

錬金科かぁ。メラニアさんの話は控えよう。若者の夢を打ち砕いてしまうかもしれない。


とりあえず、お互いに第一印象は悪くないと思う。

よかった。


1Cr...銅貨1枚

10Cr...銀貨1枚

100Cr...小金貨1枚

1000Cr...大金貨1枚

10000Cr...ミスリル貨1枚


小金貨は通常、単に金貨と呼ばれる。一円玉くらいの大きさ。

日本円にして1万円程度の価値と思われるが、貴族用等の高品質な物品などは庶民用のものと比べて高額だったりする。

金貨は他の貨幣価値と調整するために純金ではない。他の貨幣も同様。

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