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気ままに生きたい異世界転生 ~チートは無いはずなのに目立ち過ぎるのは困ります~  作者: アルバザーク
第一章 辺境の街

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服を買う

 部屋に帰ったらポーチを腰に装着、矢筒は背負い、袋と桶をもって一階へ戻る。

 弓と薬草は置いてくる。

 カウンターに桶を置き、今日の宿泊分、銀貨3枚を支払った。

 食堂には朝食を食べ終わったジーク達とマリーもいた。

「あっ、お姉さん。早速行きましょうか!」

 マリーは立ち上がる。

 ジーク達も立ち上がったが部屋に戻った雰囲気は無く手ぶらだ。

「いいけど、武器を修理に出さなくていいのかな?」

「あっ!」

 ジーク達は急いで部屋に駆けていく。

「マリーも矢を買い足すなら、矢筒を持った方がいいかもよ」

「あっ!昨日いっぱい使っちゃったんだった!」

 マリーも駆けていく。

 いやいやそんなに急がなくても待っているのに・・・。


「さて、どこに行きますか?」

 今は宿を出て大通りに向かって歩いている。

「まずは、この革鎧かな」

 おへそを隠すのだ。

「任せてください!こっちです」

 とは言ったもののジークとあっちだこっちだと指さしながら歩いていく。

 大丈夫?

 まあそれでも目的のお店に着いたようだ。


「いらっしゃい」

 中に入ると若い男が出迎えてくれた。

「この革鎧修理できます?」

「えっ、これですか・・・」

 若い男がおへそを凝視する。いや、違うのかもしれないが。

「親方ー!修理だそうです」

 しばらくすると親方が出てきた。

「なんだい。修理だって?」

 赤毛のぼさぼさ頭を掻きながら、親方が奥から顔を出す。

 ラッキー。女の人だ。

 筋肉質で太い腕、胸もあるが半分以上胸板か?

 年齢はそこそこ、同じ年くらいかもしれない。見た目全然違うけど。

「これなんですけど・・・」

 親方は顔と、おなかと、鎧に目をとめた。

「腹の部分までのハードレザー?」

「そうですね」

「ん~・・・。新しく作った方が安いぞ」

「そうですか・・・、新しくするといくらくらいですか?」

「金貨8枚だな」

 今からいろいろと買い物する予定なのにそれは痛い。

「じゃ、このギザギザの部分きれいに補修してもらえますか?」

 変に身体をひねると、ちぎれた部分がおなかに当たって痛いのだ。

「ああ、それなら銀貨6枚でどうだ?」

「じゃ、お願いします」

「これ、何にやられたんだ?ずいぶん鋭い牙のようだが」

「あー、そ、それはですね。えーと、シルバーウルフ?」

「おいおい、シルバーウルフに腹食いつかれたら、生きていられるわけないだろ」

「ですよねー。ハハハッ」

 はい、死にましたから。

 内臓も太ももも、ペロリと食べられてしまったんだと思うのですよ。

 正直に話しても意味なかったな。

 もう、笑ってごまかすしかないじゃないか。

 親方は、うさん臭いものを見るような目になる。

 何故か冷や汗が出ますね。

「えーと、鎧下ってありますか?」

「あるけど、それで森に入ったら枝に引っかかってすぐにほつれるぞ。胸当てだけなら革の服なんてどうだ?」

 革鎧のおなか部分が無くなってしまったからね。

 エレーナは肘までの手甲と肩掛けだったようだ。

 あれ?手甲と肩掛けはどこへ?

 手を見てみる。

 きれいな手だった。

 これ両腕も食われてしまって新品再生だったりして・・・。

 異世界怖い。身震いする。

「どうした?」

「いえ、何でもないです」

 同じ装備を一式そろえるとお金が無くなりそうだ。

 しかし薬草を採るにしても森に入るし、とりあえず間に合わせで何とかしてからお金に余裕ができたら装備を整えていく事にしよう。

 街中で仕事を見つけたら森に行く事も無くなるかもしれないから。

 そうだ仕事も見つけなきゃ。

「あの、ここで働かせてもらう事ってできますか?」

「は?」

「実はこの装備一式。自分で作ったんですよ」

「ほう。いい腕じゃねぇか。だが、あいにく人手は足りてるんだ」

 親方は若い男の方を見る。

 弟子なのかな?それとも息子?

 釣られて見てしまったら目が合った。

 気まずい。

「工房をお借りする事は・・・」

「お前さんの装備を作るってんなら貸してやらない事も無いが、他の人の装備も作るってなると商売あがったりになっちまう」

 親方はジークの方を見る。

 まともな防具は何も装備していないジーク達。

 釣られて見てしまったらジークと目が合った。

 驚いているのかな。目が大きい。

「ですよね~。では、革の服でお願いします」

「そうか、じゃ、寸法図ろうか」

「えーと、いくらぐらいになります?」

「革の種類や、大きさ、デザインで変わってくるかならな」

「えっ、もしかして今から作るとか?」

「そうだが」

「すぐに着れる服って無いんですか?」

「無いな。古着屋に行くしかないぞ」

「出来上がりって、いつぐらいに?」

「急いでも明日だな」

 そうなるか、仕方ないよね。

「シンプルで、安い革でお願いします」

「一番安いとなると、オークの皮があるけど、ちょっと臭うぞ」

「それは、さすがに却下で」

「胴回りだけ厚い革にするってのもできるが」

「それも不要です。後で全部買い替えようと思うので」

「ひじの部分だけでもやっておいたらどうだ?ポケットもあると便利だぞ」

 なかなか商売上手のようだ。


 全部却下したが結局小金貨2枚になった。

「金は先払いで頼む。金を払いたくても払えなくなる奴が割と多いんだ」

「?」

「新人冒険者の3人に1人は、1年以内に死んじまうか行方不明になるんだよ」

「「「!」」」

 店内の商品を見ていたジーク達も緊張した顔でこちらを振り向いた。

 まさに昨日、危なかったからね。

「あんたらも気を付けろよ」

 親から諭されるような感じになってしまったが、たぶんあなたより年上です。はい。


 次は古着屋に行く。

 場所は親方に教えてもらった。

 通りを挟んで斜向かい。

「いらっしゃい」

 また中年の女の人だ。

 あれ、なんか雰囲気と顔がさっきの親方に似ているような。

「斜め向かいの・・・」

 そこまで言ったところですぐに伝わったようだ。

「ああ、紹介で来たのかい?」

「そうです。なんか似ていますね」

「よく言われるよ。いとこなんだ」

 兄弟、親戚の店を紹介するシステムが成り立っているらしい。

 壁に掛けられたものや、無造作に積み上げられたもの、シミのついたものから、つぎはぎされたものまで、いろいろ置いてある。

 全体的に茶色からベージュの色合いのものが多い。

 街の人たちが着ている服もだいたいそんな感じだ。

 白いものや染めてあるものは程度の良いものが多く、その分お値段も高い。

 たまたま手に取った安い服はシミがついていた。

 それも血痕(けっこん)のように見える・・・。

 これは絶対に買わない。


 結局、白に近いベージュの上下にした。シミもなく程度の良いもの。そして目立たない。

 少し大きいので手首と足首をひもで(しば)る事にする。

 スカートはまだ無理。

 鎧がスカートだからそのうち慣れるのかもしれないけどね。

 値段は金貨3枚。革の服より高い!

 これでも値下げ交渉を頑張った結果だ。

 タオルに使えそうな布きれと、修繕用の針と糸はサービスとして付けさせた。

 マリーたちもお店に入ったときは目を輝かせていたが、値段を聞いて(あきら)めたようだ。しょぼくれている。

 孤児院で着ていた服を今も着ているようで、買ったことはなかったらしい。

 上だけ着替えて防具屋に戻り革鎧を預けてきた。

 やっとおなかを隠すことができてホッとする。

 次は鍛冶屋だ。


 大通りから少し入ったところに鍛冶屋はあった。

 マリーたちが武器を買ったお店らしい。

「すみませーん」

 しばらくすると若い男の人が出てきた。

 しかし、(つち)を振るう音は奥からまだ聞こえてくる。

 これは、また弟子ということかな。

 鍛冶屋に就職するつもりはないが少しがっかりした。

「これなんですけど・・・」

 ジーク達が武器をカウンターに置く。

「あー、やっちゃったね。槍は柄の部分を交換すれば問題ないよ。剣も気持ち曲がっているような気もするけど、折れてはいないよ。ヒビとかは無さそう。そして・・・」

 ボロボロの盾を取り上げた。

「これはダメだね。金属部分は買い取るけど」

 そしてナイフを確認する。

「全く問題ないね。刃こぼれもない。これは、僕の習作だから安くしたんだけど、鍛造だからこの中では一番いい品なんだよ。大事にしてね」

「鍛造って何ですか?」

 ジーク達は何も知らずに購入していたようだ。

「槌でたたいて作ったものだよ。いい鉄を使っているし、鋳造より丈夫だ。こっちの槍と剣は鋳造と言って、溶かした鉄を型に流し込んで作ったんだ。簡単に作れる分、強度はいまいち。不純物も多いしね。はやく稼げるようになって、こっちのいい武器を買っとくれよ」

 ジークは頭をなでられていた。

 あら知り合いだったのかな。

 さて、ざっと店内を見た感じ鍋なんかも置いてある。が、お目当てのものはなかった。

「すみません。網ってありますか?」

「網?置いては無いけど、作れるよ」

「いかほど?」

「あー、あれ、手間がかかるんだよね。金貨4枚とか」

 ぐふっ、高い。ホームセンターに針金が売っているわけでもないし、溶接とか無さそうだし。仕方ないか。鉄板は重いだろうから持ち歩きたくないので選択肢にはない。

「じゃ、串で」

「串か。銀貨2枚でどう?」

「買います。3本で」

「私たちも、5本で」

 すかさずマリーも乗ってきた。

 こっちを見てウインクしている。

 これは分かっているようだ。

 そう、昨日のように、獲ってきた獲物を美味しくいただくためだ。

 しかし、一人一本では絶対に足りないと思うのだが・・・。

 まあ、いつでも買いに来れるし。

 後は矢を10本買い足しておく。150Cr。なかなか高い。しかし、これがないと狩りができない。ゴブリン1匹に2本使用したら儲けが無くなる。コストパフォーマンスは非常に悪い。宿の部屋で木を削ったりしたら怒られそうだ。落ち着いたら部屋を借りることも考えなくては。

 マリーも10本買っていた。が、大丈夫か?今からでも別の武器にしたほうがいいのではないかと思ってしまう。


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