いざ、行かん
息を大きく吸い、吐き出す…それを数回繰り返す…
「ふぅー、行くか」
覚悟を決め、暗黒城に向かって走り出した。
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暗黒城のなかには案の定、魔獣もいた…
「くそ…倒しても倒しても魔獣がわいてきやがる…」
「邪神は何処にいるのよ…」
マリエがうんざりそうに声を漏らす。
「こういうのは最上階にいるんじゃないか?一番遠いし」
「とりあえず上に上がるか…何処から上がればいいかわからないけどな…」
ハルトの考えにリョウゴは結論を出し、上を目指すことにした。
「ちっ…また魔獣だ」
8本足で歩く蜘蛛の形全長約50センチ位の魔獣が現れる…
「ここは私に任せて」
足を踏み込み、とてつもない速さで突進し、素早く剣を振り、斬り刻む…
「よし、次行くぞ…辺りをくまなく散策してくれ、なにか上に行くヒントがあるかもしれない」
「あぁ、わかってるぜ」
「ここに扉があるわ…」
「入るだけ入って何もなかったら戻るぞ」
「えぇ、わかったわ」
恐る恐る扉を開ける…すると…
「なんだ、ここ…?」
なにもない空間だった…
「やけに広いな…」
リョウゴはなにやら嫌な予感がしたが…
「奥に階段があるな…」
「そこから上に上がれそうね、でも用心しましょう…この部屋…」
「あぁ、やけに広い…まるで…」
「タタカイ、ヤスソウ、ダロ?」
「――ッ!!」
後ろから声がした…後ろを振り向くと4メートルほどで、腕が六本生えている人間が話しかけてきた…
「でけぇ…な…」
「オマエラ、リョウゴ、ハルト、マリエダナ?ワレハダイダボッチ…イキノネ、トメルゾ…」
動物は自分を大きく見せ、自らの力を鼓舞し、威嚇すると聞いたことがある。その理由がなんとなく分かった気がした。
それほどまでに、奴の圧はデカかった。
「リョウゴ…マリエ…先、上いってろ…あとから追い付いてやるよ…」
ハルトが俺たちに提案する…
「お前、それ、死亡フラグだからな」
「大丈夫だ、俺はこんなとこで死なねぇよ」




