キノコは大体毒キノコ、皆無闇に食べないで。
クレア討伐から3週間がたち、怪我も順調になおってきた頃、俺とマリエはとある山の調査に来ていた。
ちなみにハルトはまだ療養中である。
「えーとっ、キノコがいっぱい生えてんな、これ食えるのか?」
前の世界ではキノコのほとんどが毒キノコと聞いたが、この世界ではどうなのだろうか…
「これは…食べれないけどこれとこれは食べれるキノコね、栄養価も高いわ」
「結構食べれるキノコ多いな…」
「そうね、キノコは毒キノコが多いって聞いたけどこの山のキノコは食べれるのが多いわね」
「お前、やけに詳しくないか?」
「例の故郷が滅ぼされたとき、食べるものなくてキノコいっぱい食べてた頃あって…よく毒キノコも食べたわ、その時は自分で回復魔法かけたけど」
「そ、そうか…」
割と悲惨なマリエの過去を聞き、俺は山の調査書に、食べれるキノコが多いと書いた。
「あ、そうそうこの山には龍の伝説があってね、もしかしたら、その龍の影響かもね」
マリエが無邪気に笑って言う。かわいい…
「ん、そうだな、そうだといいな」
そんな問いかけに対し俺は笑顔で応じる、リハビリがてら来てよかったなとしみじみ思う。
「ま、これの調査の一番の目的は――っ!」
突如、体格は1メートル位で、二本足で立ち、不格好な棍棒を持った魔獣が三匹ほど襲いかかってくる…
「《閃・煌光》」
三匹の魔獣を舞うように斬りつける。
「ボコブリン…だっけか?」
「そう、自分で武器を作れるぐらい、知恵があるわ、そして群れで活動するの、もしかしたら近くにまだいるかもしれないわ」
「了解、用心しながら辺りを見てみる」
「木製の武器だからそんなに数は多くないと思う、もしかしたらこの三匹だけの可能性も…」
「ま、辺りを散策してればその辺もわかるだろ…っと――?これは…」
洞窟だった、だが瓦礫で邪魔されて中に入ることができなかった…
「マリエ、これ壊せる?」
「こ、壊せるけど…入るの…?」
「――?そのつもりだか?」
なんだか、マリエの様子が変だった。




