パワハラ王もいいことをする
「リョウゴ、怪我の調子はどう?」
マリエが病室に訪ねてきて、怪我の様子を聞きにきた…
病室の中にも回復魔法を扱う人は多いのだが、マリエの回復魔法は優秀でほとんどマリエがかけているそうだ。
「まぁ、なんとか歩けるぐらいには回復したよ、歩くたび傷が痛むが…マリエの方こそ大丈夫なのか?」
「ん、私はリョウゴほどじゃないから…いつもの治癒魔法かけるわよ」
「あぁ、頼む」
マリエは俺の怪我を治す為に毎日病室に来て治癒魔法をかけてくれてる。お陰で少し傷の治りが早い。
「よぉ、リョウゴお見舞いに来たぜ」
「お前毎日来てるだろ、ありがたいけど」
ハルトもこうして毎日お見舞いに来てくれて、退屈しない。
まぁ、俺もハルトも騎士団の寮で生活してるからそんな難しい事ではない。
「あ、そうだ王様からの伝言なんだけどさ、温泉街に行ったらって言われたよ」
とマリエから伝言を聞く。
「温泉…かぁ、王様からね…え、王?」
俺は王様がそんなことを言ったことに驚き、聞き返してしまう。
「うん、ここから馬車で3時間位のところに温泉街アレクサンドってとこがあるのよ、まぁ、実際は馬の休憩も挟むから、もっとかかるんだけど…」
そして、マリエは俺とハルトの方を向き。
「休暇を取って行ってきたらどうだって」
「温泉か…俺も最近疲れがたまってきたからな…」
ハルトが思い返すように言う。
「それは、パワハラ王のせいじゃないかな…」
「噂には聞いてたけど本当なんだ…」
噂にはなっていたらしく、マリエが苦笑いする
「まぁ、温泉の効能が疲労回復と怪我が治りやすくなるらしいんだよね」
「それで王は行ったらどうだって言ってきたのか」
なるほどな、と俺は納得する。
「よし、行こうぜ準備してな」
善は急げだと言わんばかりにハルトが声を上げる。
「集合は明日の午前7時、城門前でいい?馬車は王様に頼めばすぐ出してくれるわ」
王も用意が早くマリエが集合時間と日程を決める。
これは、これから楽しくなりそうだな
俺は仲間との旅行に心底胸を弾ませていた。




