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異世界英雄幻想  作者: 自然の輪廻
英雄幻想第壱幕 ~幻想の始まり~
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病室の一時

「よぅ、やっと起きたか…とんだ寝坊助だな」


「ふっ、そうだな」


 と俺は鼻で笑う、邪神十傑との戦いが終わって2日後、ハルトが任務から帰ってきたようだ。そして、俺が寝ているベットの隣に座り。


「悪ぃな、手伝い行けなくて」


「しょうがねぇじゃん、仕事だろ?気にすんな」


「そういってくれるとありがたい」


「リョウゴ、朝食持ってきたよ。あ、ハルトいたんだ」


「じゃましてるぜ」


マリエが朝食の乗ったお盆を持ち、治療室に入ってきた。


「ポニーテール…」


 カワエエ…


「おーい、リョウゴさーん、戻ってコーイ」


 思わず見惚れてしまいハルトに呼び戻される。


「いつものコーヒーと目玉焼き食パンでいいわよね」


「あぁ、ありがとう」


「あ、ハルトもいるし丁度いいや、話さなきゃいけないことがあるんだけどさ…」


 とマリエが続ける…


「なんだ?」


 マリエは椅子を持ってきてベットのとなりに座る。


「邪神十傑の研究結果について、国が論文を出したわ」


「――ほぅ、詳しく聞かせてくれ」


 意外にも真っ先に反応したのはハルトだった。


「まず、あいつらには弱点…即ちそこに攻撃されると再生不可な部分がある、これはリョウゴが発見した首の傷から考えられたわ」


「あぁ、あそこだけ不自然に回復してなかった、血は止まっていたがな」


「そして、弱点は権能が機能する場所にあると推測される…この2つが国が出した論文よ」


「まぁ、理には適っているな、あいつの触手も首からはえてたし」


 マリエの伝言に対し俺は反応する。


「今のところこれしか分かってないわ、今ノヴァディアーノの死体解剖中よ」


「まぁ、追々分かってくるだろうな伝言サンキュ」


 パンをかじり終え、手についたカスを払う。


「じゃあ、これ下げちゃうわね」


「あぁ、頼む」


 そして、マリエは病室から出ていった。


「リョウゴ、何があったか色々聞こうか」


「別になんもねぇよ」


「いや、マリエの雰囲気があんだけ変わってんだ何かあっただろ?」


「まぁ、距離は縮まっただろうよ背中預けたなかだしな」


「それだけじゃねぇ、愛想が良くなってるから聞いてんだよ」


「それは…あいつ自身の変化だろ、俺はなにもしてな…」


い…と言いきろうとしたがなにもしてないことはなかった…

 だが、俺は背中を押しただけだ。俺はマリエを変えるほどの人間じゃない。おそらく本当はあんな感じなんだろう…


「さいでっか、まぁ良い方に変われたのは良いことだな」


「あぁ、そうだな」


 俺はハルトの意見に同意する。


「んじゃ、俺はもう行くぜ。じゃあな」


「ん、わかった」


 そうして、ハルトは病室から立ち去った。


 病室の中、ただ一人、窓から吹く風は涼しく、騎士達の声が病室に響いた。ふと


「俺は何故異世界に呼ばれたんだろうか…」


 そんな疑問が頭をよぎった。

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