最初の敵は因縁の相手
「つい…た…」
マリエが声を漏らす…
「人どころか魔獣すらいねぇじゃねぇか、ほんとにここに邪神十傑がいるんだよな…」
「また、逃したというの…?」
建物は荒らされておらず、人の気配も魔獣の気配もしない、ここにいるのはマリエと俺だけだった。
「息をひそめるだけかもしれない、辺りを探してみようぜ」
そういって、振り返りマリエを見る。――刹那
「――っ!危ない!」
3本ほどの触手がマリエを襲う、俺は大きく踏み出し、マリエを突き飛ばす。
「――っ、助かったわリョウゴ、ありがと」
「礼はいい、来やがったか…」
「私の攻撃を避けるとは、なかなか倒しがいがありそうだ」
そう言って、攻撃してきた犯人が姿を現す。奴は、人型で首の辺りから腰にかけて6本の触手を身に付けている、身長は170cmちょい位の男性である。
「不意打ちとは、やってくれるじゃねぇか」
「避けただけでも十分ですよ」
「――なっ!あんたは…」
「知ってるのか?マリエ」
「知ってるもなにも、あいつが…あいつが私たちの里を襲撃した、張本人…」
マリエは怒りを露にして言う。そこには悲しみの声も聞こえてきた。
「んー?失礼、あなたのような人私は存じ上げないのですが?」
「あんたが覚えていなくても、私は覚えてるのよ」
「こいつが、マリエの故郷を襲った邪神十傑…丁度いい、仇うちとといこうぜ」
そういって剣に魔力を込め、刀身が光る、魔力が注がれている証拠だ。足に力をいれ踏み出し、そいつに斬りかかる、だが触手に邪魔されてしまう。
「ちっ、防がれたか…」
「なかなかいい、斬撃でした。名はなんというのです?殺す前に知っておきたい」
「相手に名前を聞くときは自分から名乗るのが礼儀だろ?」
「失礼、私たちの文化にはそのようなものがごさいませんでしたので、私はノヴァディアーノといいます。あの世で広めてもらって構いません」
「ふぅん、俺はリョウゴ・オオモリだ」
「――、リョウゴですか珍しい名前ですね」
「まぁ、そうだろうな」
「2人で盛り上がってるとこ悪いけど、私も忘れないでよね?」
そういってマリエは背後から近づき、背中を斬る。
「そのような浅い傷、私には効きません」
斬ることには、成功したがすぐ後ろを向かれ、触手で反撃される。
「――ぎぁゃぁ」
「俺だって背後にいるんだよ!」
「知っておりますとも」
俺も斬りかかるが触手によって防がれる。
「触手は6本あるのです。2人の相手など容易い」
そういって右に移動し、距離をとられる。
「マリエ、大丈夫か?」
「えぇ、治癒魔法かけたから、でもかなり深くまでえぐられるわ」
「わかった、もしもの時は俺にも頼む」
「言われなくても、そうするわ」
そして、また、斬りにかかるが、触手によってノヴァディアーノに近づけない。
ちっ、間合いをとられちまった、距離をとったのはこのためか…
俺はまた、剣を握りしめ、打開策を考えた。




