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異世界英雄幻想  作者: 自然の輪廻
英雄幻想第壱幕 ~幻想の始まり~
13/153

最初の敵は因縁の相手

「つい…た…」


 マリエが声を漏らす…


「人どころか魔獣すらいねぇじゃねぇか、ほんとにここに邪神十傑がいるんだよな…」


「また、逃したというの…?」


 建物は荒らされておらず、人の気配も魔獣の気配もしない、ここにいるのはマリエと俺だけだった。


「息をひそめるだけかもしれない、辺りを探してみようぜ」


 そういって、振り返りマリエを見る。――刹那


「――っ!危ない!」


 3本ほどの触手がマリエを襲う、俺は大きく踏み出し、マリエを突き飛ばす。


「――っ、助かったわリョウゴ、ありがと」


「礼はいい、来やがったか…」


「私の攻撃を避けるとは、なかなか倒しがいがありそうだ」


 そう言って、攻撃してきた犯人が姿を現す。奴は、人型で首の辺りから腰にかけて6本の触手を身に付けている、身長は170cmちょい位の男性である。


「不意打ちとは、やってくれるじゃねぇか」


「避けただけでも十分ですよ」


「――なっ!あんたは…」


「知ってるのか?マリエ」


「知ってるもなにも、あいつが…あいつが私たちの里を襲撃した、張本人…」


 マリエは怒りを露にして言う。そこには悲しみの声も聞こえてきた。


「んー?失礼、あなたのような人私は存じ上げないのですが?」


「あんたが覚えていなくても、私は覚えてるのよ」


「こいつが、マリエの故郷を襲った邪神十傑…丁度いい、仇うちとといこうぜ」


 そういって剣に魔力を込め、刀身が光る、魔力が注がれている証拠だ。足に力をいれ踏み出し、そいつに斬りかかる、だが触手に邪魔されてしまう。


「ちっ、防がれたか…」


「なかなかいい、斬撃でした。名はなんというのです?殺す前に知っておきたい」


「相手に名前を聞くときは自分から名乗るのが礼儀だろ?」


「失礼、私たちの文化にはそのようなものがごさいませんでしたので、私はノヴァディアーノといいます。あの世で広めてもらって構いません」


「ふぅん、俺はリョウゴ・オオモリだ」


「――、リョウゴですか珍しい名前ですね」


「まぁ、そうだろうな」


「2人で盛り上がってるとこ悪いけど、私も忘れないでよね?」


 そういってマリエは背後から近づき、背中を斬る。


「そのような浅い傷、私には効きません」


 斬ることには、成功したがすぐ後ろを向かれ、触手で反撃される。


「――ぎぁゃぁ」


「俺だって背後にいるんだよ!」


「知っておりますとも」


 俺も斬りかかるが触手によって防がれる。


「触手は6本あるのです。2人の相手など容易い」


 そういって右に移動し、距離をとられる。


「マリエ、大丈夫か?」


「えぇ、治癒魔法かけたから、でもかなり深くまでえぐられるわ」


「わかった、もしもの時は俺にも頼む」


「言われなくても、そうするわ」


 そして、また、斬りにかかるが、触手によってノヴァディアーノに近づけない。


 ちっ、間合いをとられちまった、距離をとったのはこのためか…


俺はまた、剣を握りしめ、打開策を考えた。

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