仲間は、徐々に、心を開く、
「邪神…十傑…」
具体的な存在に声がでなくなる…
そうか、それでマリエはそんな血相を変えて。
「俺も行っていいか?」
やっとの思いで声を絞りだし、マリエに聞く…
「来てくれるんだったら、心強いわ」
「じゃあ、俺は剣取ってくるから…」
「わかったわ、先に門のところにいるわ、すぐに出発するわよ」
俺はコクりと頷き、剣を取りに自分の部屋へ走り出した。
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「やっと来た、行くわよ」
「あぁ、案内は頼んだ。どのくらいかかるんだ?」
「走って20分くらいかしら?」
身体能力強化されてなかったら死んでたな…この世界の住民はすごいな…
そして、俺たちは同時に走り出した。
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走り出してから、どれくらいたったんだろうか?かなり走ったのではないか?だか、不思議と走っている足は止まらなかった。
「邪神十傑…か…」
つい、心の声が漏れてしまった…
「もう弱音?」
「いや、どんなやつかと思ってな…」
「何かしらの権能は持ってるって聞いたわ」
「権能…」
異世界ものでよく聞く権能…それが相手が持ってると聞き、少し不安になってしまう。
「いや、そんな場合じゃねぇだろ」
「独り言、気持ち悪いわよ…」
「ほっとけ、それとそんな喋り方しないでくれ、仲間だろ?少しぐらい心開いてくれてもいいだろ」
「――わかった」
少し間があったが、マリエが自分を偽らない喋り方になる。
「これから闘う仲間なんだから、タメ語で頼むぜ?」
「うん、わかった」
そんなやり取りを交わしながら俺たちは走り続ける。
「あそこにいるのは…魔獣…?」
遠くにウルガレウらしき魔獣が5匹ほど並んでいる。ここまで走ってきた間にも、少しの魔物はいたが、ここまで多くはなかった。
「近づいてきたってことよ」
「あぁ、そうみたいだな、俺は奥にいる3匹殺るから手前2匹頼めるか?」
「もちろん、任せて」
俺がマリエに提案し、マリエが応じる…
そして、ウルガレウがこちらに気が付き、襲ってくる…
「はぁ!」
マリエは素早く剣を抜きウルガレウを斬りつける、手前2匹のウルガレウは血を吹き出し、倒れる。奥3匹のウルガレウがマリエに標準を合わせ、襲いかかろうとするが…
「お前らは、俺が相手してやるよ」
その隙をつき、俺はそいつらに斬襲をいれる。
「よし、急ぐぞマリエ」
「えぇ、わかってるわ」
俺達は再び走り出した。




