起承転結の転は突然に
「―――――」
「――――」
二人の間に沈黙の時間が流れる、リョウゴは目玉焼きの乗ったトーストを食べ、マリエは白米の上に鮭をのせて黙々と食べている。
「…朝はパンなのね。」
「あ、あぁなんか朝はごはん食べる気になれなくてな…」
「そう…」
珍しくマリエから話しかけてくるが、会話が続かない…
同じテーブルで食べれているだけ、マリエの優しさなのかもしれないな、とリョウゴは思う。
「……」
「……」
そんなことをしていると、二人とも朝食を食べ終えてしまう。
「「ごちそうさま」」
「……」
「……」
二人はなにも言わず席を立ち皿を下げに行く。
その時、横から女性がマリエの方によってきて耳打ちする。
「な…なんですって…」
マリエはお盆を落としてしまい、ガッシャーンと音を立てて皿が割れる。そして血相を変えマリエは走り出した。
「おい、どうしたんだよ」
と問うがマリエは無視して走り去っていった。
「なんなんだよ…クソ…」
俺は皿の乗ったお盆を置き、気づいたら走り出していた。
―――――――――――――――――――――――
「ここにいたか、マリエ…」
「なっ、あんたどうしてここに?」
「いや、あんな血相変えて急に走ってたら気になるだろ」
「――余計なお世話よ」
すんと、マリエは驚いた顔を元に戻し冷たい声で言う。
「なら、一人で解決できるのか?俺にはそんな風には見えなかったが?」
「――っ、それは…」
痛いところを突かれたように応じる。そして、
「1つだけ教えて…」
「なんだ?」
「あなたはなんで、私に絡みに来るの?私なんかほっておけばいいじゃない…あなたにそこまでする理由があるの?皆みたいに他の騎士団に移ればいいじゃない…」
そんなことを問いかけてきたのだった…
その問に対し俺は…
「――ごめん、わからない…でも…」
「でも?」
「お前の気持ち少し分かるんだよ。俺だってもう家族と会えない…ここまで育ててもらった恩も返せてない…友人とも遊びたりないし…成人したら飲みに行くって約束も果たせてない…それでマリエと重ね合わせてたんだと思う…」
「――そう、だったのね…」
「まぁ、お前みたいに死んでるわけでは、ないんだがな」
マリエの方が悲惨だってのに、重ね合わせてしまった自分が情けない…
「どうしたんだって聞いたよね?」
「あぁ、そうだな」
それ、聞こえてたのかよ…
「実は、邪神十傑の一角が現れたっていう情報が来たのよ。」




